磯村勇斗「ぼくほし」高評価なのに低空飛行の《不思議》…生徒役にも左右される学園ドラマの厳しい現実
《心があったか~くなる素敵なドラマ》《右肩上がりで好きになってる》と好意的なレビューが増えてきた磯村勇斗(32)主演の連ドラ「僕達はまだその星の校則を知らない」(カンテレ・フジテレビ系=月曜夜10時)。
通称「ぼくほし」は、独特の感性を持つがゆえに人生にも仕事にも臆病だった弁護士(磯村)が、私立高校に「スクールロイヤー」として派遣されることに。《法律や校則では簡単に解決できない若者たちの青春に、不器用ながらも必死に向き合っていく学園ヒューマンドラマ》(公式HPサイトから)なのだが、「あまり話題にならないのが不思議」とドラマウオッチャーで芸能ライターの山下真夏氏は首をかしげる。
初回(7月14日)の世帯視聴率は4.6%(関東地区=ビデオリサーチ調べ)で、同枠前作「あなたを奪ったその日から」の6.0%と比較すると寂しい数字。テレビの無料動画配信サービスTVerのお気に入り登録数も30.5万(8月17日現在)と、夏ドラマのトップ10圏外だ。
この状況に納得いかないのが前出の山下真夏氏で、「『不適切にもほどがある!』(TBS系)の“ムッチ先輩”で一世を風靡した磯村さんの民放連ドラ初主演作としては寂しい現状です。GP帯の『ぼくほし』より登録者数が多い深夜ドラマもいくつかある。NHK大河『青天を衝け』も手掛けた人気脚本家、大森美香さんのオリジナルの物語は繊細で、見ていて引き込まれるものになっているのですが……」と話す。
生徒役にすでに人気の若手俳優を起用していない
レビューサービスFilmarksでの評価は5点満点で3.6と悪くない。《この世界観、好き》《優しい世界で癒やされる》なんて褒め言葉も多いのだが、どうも盛り上がりに欠ける。
「『ぼくほし』で検索すると『生徒』というサジェストワードも出てきます。『ぼくほし』は珍しく生徒役にメジャーどころ、すでに人気の若手俳優を起用していません。学園ドラマは生徒役に注目する若い視聴者も少なくないですから、《見なくていいか》となってしまったのかも」(エンタメ誌編集者)
前出の山下真夏氏は「磯村さんは、やや映画に重きを置いてきた俳優さんですから、“通好み”というか、民放の主演としては弱かったのでしょうか。『ぼくほし』の不器用な弁護士役は愛らしくて、支えてあげたくなる。これまでとはまったく違う顔を見せるさすがの演技力で、胸を打つものがあるのですけれど……最近はシビアな役が多かった共演の堀田真由さんも明るく元気な高校教師役で見応えがありますし」と残念そうだ。
SNSには《NHKの火曜夜10時で放送されそうな良作》なんて声も。カンテレ制作のフジ系月10はドラマ好きの注目枠だが、後半戦で盛り返せるか。
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