芸人の結婚で“ガチ恋”離れが加速中。非モテ「マユリカ」中谷は救世主となるか

帽子田 芸人、ライター
更新日:2025-09-04 11:45
投稿日:2025-09-04 11:45

SNSでより身近になった時代

 芸人のガチ恋離れにはもう一つ別の理由がある。「ガチ恋」がかなり叩かれる時代になったからだ。

「ガチ恋」という言葉自体は最近聞かれるようになったが、その存在は昔からある。かつてデビューしたてのダウンタウンには熱狂的な追っかけが大勢いた。雨上がり決死隊やナインティナイン、FUJIWARAらが所属していた吉本印天然素材というダンスユニットも女性に大人気だった。

 岡村さんも「その後人気になったどの芸人よりも、アイドル的人気があった」と証言している。つまり、ガチ恋ファンは昔から確実に存在していたのである。

 ただ、SNSが発展した昨今。芸人のガチ恋ファンの存在がかなり叩かれる世になってしまった。ネタの面白さを売りにする芸人を、「かっこいい」「繋がりたい」などの恋愛的な方向性で消費することが問題視されるようになったのだ。

 さらにもっと厳密にいうと、「ネタの精度が人気に比例しない芸人とそのファン」も異常に叩かれるようになった。

「ガチ恋ファン」に対する警鐘を鳴らす芸人もいたりして、とにかく肩身が狭くなっている。かつては芸人になる理由は「モテたい」が第一位だった。

 しかし、芸人という存在も変わってきたのか、「人気よりも面白くなりたい」という職人的なものに変化してきたこと。そんなネタ職人からしたらビジュアルを重視してネタは二の次になってしまうような、ガチ恋ファンの存在が叩かれるようになってしまったのだ。

 とにかく現在の芸人界隈では「ガチ恋」はよろしくない、という風潮が強い。風当りの強さによって、気持ちをくじかれてしまうガチ恋ファンたちの心情が手に取るようにわかる。

ガチ恋ファンの新たな推し先

 そんなガチ恋ファンが苦境に立たされるなか、面白い現象が起きている。「マユリカ」が爆発的に人気になっているのだ。

 マユリカの現在の人気はすさまじく、M-1の決勝進出を皮切りにテレビでの露出が増加。ラジオ関西系列のPodcast「マユリカのうなげろりん」は月間220万回再生され、イベント配信チケットは約1万7,000枚の売上を記録。冠ラジオのイベントは全国のイオンで展開されるなど快進撃を見せている。

 マユリカは「キモダチ」というキャッチコピー通り、ビジュアルが良いわけでもないし、カリスマ性もない。芸風はどちらかというと汚い下ネタが多く、二人とも「キモさ」を売りにしている。しかしながら現在、劇場を中心にアイドル的人気を誇ってしまっているのだ。

帽子田
記事一覧
芸人、ライター
別名義では芸人として活動。一時期は年100本以上のライブに出演、ライブ主催の経験もアリ。一応現役の芸人ではあるが、ただのお笑い、バラエティ番組ファンでもあります。

関連キーワード

エンタメ 新着一覧


櫻坂46小林由依が卒業…数多の試練を乗り越えたアイドル人生8年半に幕
 櫻坂46の1期生・小林由依(24)が、2月1日の「小林由依 卒業コンサート」をもってグループから卒業した。改名前の欅坂...
こじらぶ 2025-08-27 15:22 エンタメ
スズ子の出産と愛助の死から2日 初めて泣くスズ子、愛子の泣き声かぶさる
 スズ子(趣里)が出産してから2日。羽鳥善一(草彅剛)と麻里(市川実和子)の家族が見舞いにかけつけ、スズ子は幸せな時間を...
桧山珠美 2024-02-02 16:28 エンタメ
衰弱する愛助(水上恒司)を見るのがつらい…無理を承知でお願いします!
 スズ子(趣里)のジャズカルメンの舞台が終わって3カ月、愛助(水上恒司)はまだ東京に戻ることができずにいた。  一...
桧山珠美 2024-01-31 16:05 エンタメ
NHKさん、わざと狙った!? “アベノマスク”に麒麟の田村が登場
 昭和22年1月。愛助(水上恒司)が大阪の療養所にいるまま、スズ子(趣里)は静かな正月を迎える。2人は、手紙のやり取りを...
桧山珠美 2024-01-29 14:40 エンタメ
山本耕史、玉木宏はTVで告白 イクメンパパの手作り弁当が心底羨ましい
 生まれ変わるなら堀北真希さんになりたい、心からそう思いました。26日放送「あさイチ」(NHK総合)のプレミアムトークの...
山下智久「正直不動産2」、永野芽郁月9「君ここ」冬期ガッカリドラマは
 山下智久(38)主演の「正直不動産2」(NHK総合)が好調だ。初回平均世帯視聴率5.8%、個人視聴率3.0%から第2話...
こじらぶ 2024-01-27 06:00 エンタメ
“ラスボス”小雪の大迫力!NHKは「わろてんか」の再放送どうですか?
 山下(近藤芳正)は大阪へ向かいトミ(小雪)と話をする。山下は、スズ子(趣里)や愛助(水上恒司)の覚悟を必死に語り、なん...
桧山珠美 2024-01-26 16:05 エンタメ
スズ子ご懐妊! 山下&坂口“おじさん応援隊”のワナワナ顔が必見すぎる
 病状が落ち着いた愛助(水上恒司)とスズ子(趣里)は、2人きりで湖畔に旅行に出かける。  そこで将来の家族のこと、...
桧山珠美 2024-01-25 15:50 エンタメ
口をプーっ! 草彅剛演じる羽鳥の駄々っ子な表情に注目して
 トミ(小雪)から伝言があると、社長秘書室長の矢崎(三浦誠己)が、スズ子(趣里)と愛助(水上恒司)のもとにやってくる。 ...
桧山珠美 2024-01-22 15:35 エンタメ
宮沢氷魚の文面にデキ婚とは言わせない圧…イケメン続々“獲られる”幕開け
「まさかやー」と思わず声をあげてしまいました。そうです。宮沢氷魚(29)と黒島結菜(26)の事実婚発表です。 「か...
元モー娘。加護亜依様の“セクシー女優匂わせ”が冗談に聞こえないワケ
 モーニング娘。黄金期の人気メンバーだったものの、現在はお騒がせタレント化してしまっている加護亜依。昨年も週刊誌やネット...
堺屋大地 2024-01-20 11:16 エンタメ
シン・スズ子誕生!タナケンに「面白いね」と言わしめたヒロインの魅力
 喜劇「舞台よ! 踊れ!」の幕が上がる。タナケン(生瀬勝久)に稽古ですべてを受け止めると言われたとおり、スズ子(趣里)は...
桧山珠美 2024-01-19 14:45 エンタメ
タナケン(生瀬勝久)の決め言葉、「どうだろうね」に込められた真意
 スズ子(趣里)は、不安を抱えたまま喜劇王・タナケン(生瀬勝久)との舞台稽古を続けていた。  なんとかしようと、ス...
桧山珠美 2024-01-22 15:16 エンタメ
ブギウギ新章、タナケン役生瀬勝久の“顔芸”と「3枚の張り紙」が見もの
 小夜(富田望生)が付き人をやめると言って姿を消してから3カ月、愛助(水上恒司)は大学を卒業し、村山興業で働き始める。 ...
桧山珠美 2024-01-17 15:49 エンタメ
5年ぶり「おっさんずラブ」にコレジャナイ感?それでもいいと思うところ
 あの「おっさんずラブ」が5年ぶりに帰ってきました。2018年4月期にスタートした同作は、ピュア過ぎるおっさんたちの恋愛...