「土下座してでもやり直したい」妻との昇進レースに負けた夫、33歳で無職に。女性部下との“関係”に逃げた顛末

蒼井凜花 官能作家・コラムニスト
更新日:2025-09-26 11:45
投稿日:2025-09-26 11:45

『妻に負けている』という負い目

 手作り弁当が続いたある日、英二さんは思い切って、里香さんに「どうして、こんなに優しくしてくれるの?」と尋ねた。

「里香は『なんとなく…放っておけなかったから』と呟いたんです。その恥じらう表情から、僕への好意を確信しました。

 妻とは完全にレスでしたし、夫として『妻に負けている』という負い目があった。そんな時に優しく寄り添ってくれる女性が現れたら、理性には勝てませんでした」

 手作り弁当スタートから1カ月後、2人は男女の仲になった。

「妻の聡子は休日出勤が続き、平日も遅くまで仕事です。帰宅してもシャワーを浴びたら倒れるようにベッドで寝る。

 半年間の大事なプロジェクトとはいえ、ここまで夫を無視するほうが悪いんだと無理やり言い聞かせて、里香にのめりこんでいったんです。デート場所は会社から離れたレストランや彼女のマンション。

 里香も『奥さんがいる人をこんなに好きになるなんて思わなかった。叶うなら、あなたと結婚したい』と、可愛いことを言ってくれる。会社では明るく大らかな彼女が、実はいじらしい一面を持っていることにも胸が熱くなりましたね」

全て知った妻は離婚を切り出した

 やがて半年が経ち、聡子さんのプロジェクトは大成功を収めた。しかし、思わぬ展開が待っていた。

「聡子の仕事ぶりが予想以上に良い結果を出したそうで、さらに大がかりなプロジェクトメンバーに抜擢されたんです。会社では、僕よりも圧倒的に妻のポジションが高くなっていた。

 時を同じくして、僕と里香の不倫のうわさが社内で広まっていることを同僚が教えてくれました」

 不倫の件は、聡子さんの耳にも入ったようだ。

「ある日、早く帰宅した妻に『話がある』と言われ、里香との関係を問いただされたんです。

 最初は濁していたものの、最終的には浮気を認めて『聡子が俺を放っておくからだ』と開き直りました。すると『じゃあ、離婚しましょう』とけんもほろろです。そのきっぱりした口調に、言い返すことはできなかった。

 ただ、一つだけ救いがありました。聡子と離婚しても里香がいる。彼女ならきっと僕を救ってくれるだろうという一縷の望みです」

蒼井凜花
記事一覧
官能作家・コラムニスト
CA、モデル、六本木のクラブママの経歴を持つ異色の官能作家。近著に「CA、モデル、六本木の高級クラブママを経た女流官能作家が教える、いつまでも魅力ある女性の秘密」(WAVE出版)、「女唇の伝言」(講談社文庫)。
オフィシャルサイトYouTube

関連キーワード

ラブ 新着一覧


【調香師監修】4タイプ別 熱い夏に負けないスパイシーな香り&オイル解説
 夏になるとスパイスの効いた料理が食べたくなりませんか? スパイスには体の代謝を高めて血行をよくする働きがあり、中東など...
太田奈月 2024-06-18 06:00 ラブ
「なぜ不倫したかって? お宅の夫に騙されたからよ」不倫女の言い分7選
 婚期を逃したり、相手の奥さんにバレて慰謝料を請求されたりと、不倫はハイリスクですよね。なのになぜ、不倫する女性が後を絶...
恋バナ調査隊 2024-06-17 06:00 ラブ
50歳独女の初体験未遂は突然始まった。オタのオフ会で男を物色したら…
 パートナーなしの50歳独女ライター、mirae.(みれ)です。あなたは大好きな人に「うちに泊まっていく?」って誘われた...
mirae.(みれ) 2024-07-14 13:57 ラブ
「俺って特別な存在?」まで聞いといて言わんのかーい! 告らせたい男と女の攻防戦はLINEでも
 好きな男性には、自分から告白するより告白されたいですよね。いい雰囲気になってきたら「今言って!」と、告白を引き出したく...
恋バナ調査隊 2024-06-16 06:00 ラブ
成長させてあげる…? 男への違和感はスルー厳禁!勘が命中したLINE
「女の直感は当たる」といわれている通り、女性の「ん…?」という違和感は意外と当たるもの。信頼している彼氏やちょっといいな...
恋バナ調査隊 2024-06-15 06:00 ラブ
「倦怠期は不可避だ」運命の女と交際2年半、絶望に占領されるハイスぺ男
「冷酷と激情のあいだvol.199〜女性編〜」では、あえて結婚も同棲もしないスタイルで生涯を添い遂げると決めた恋人・カズ...
並木まき 2024-08-17 09:10 ラブ
年収計2000万のパワーカップルに暗雲?レス問題回避に失敗した46歳女
 男女の関係では、交際相手や配偶者の態度に悩む人も少なくありません。愛し合っている男女間でも、価値観や物事の判断には個人...
並木まき 2024-06-15 06:00 ラブ
無意識な結婚ハラスメントにご用心!恋バナの延長線じゃすまないNG3つ
 結婚ハラスメント、いわゆる「マリハラ」をご存知でしょうか? 最近は何かとハラスメントに厳しいご時世、結婚についての話題...
恋バナ調査隊 2024-06-15 06:00 ラブ
熊谷真実、磯野貴理子は何が…2度3度結婚する中高年女性に特殊技能?
 女優の熊谷真実(64)が今月4日、自身のインスタグラムを更新し、ウエディングドレスの写真とともに結婚パーティーをしたこ...
そこ見る!? ヒモ男とヒモを飼いたい女性のリアリティーショーがすごい
 近頃、恋愛リアリティーショーも細分化されてきています。  バツイチだけの恋愛リアリティーや男性同士の恋愛リアリティー...
内藤みか 2024-06-13 06:00 ラブ
韓国人彼氏はプリンにも嫉妬なんてかわゆ♡ 日韓カップルのLINEを覗き見
 韓流ドラマなどを見ていると、主人公によくいる紳士的で優しい韓国人彼氏に憧れますよね!  実際に、韓国人彼氏がいる...
恋バナ調査隊 2024-06-12 06:00 ラブ
「恋愛も結婚も女性もわからなくて」色恋経験ゼロ男が淡泊に描く既定路線
「冷酷と激情のあいだvol.198〜女性編〜」では、結婚前提で交際する5歳年上の生真面目な恋人・サトルさん(46歳・仮名...
並木まき 2024-06-08 06:00 ラブ
「真面目で大事にされてもときめかない」味気ない男との再婚迷う41歳女
 男女の関係では、交際相手や配偶者の態度に悩む人も少なくありません。愛し合っている男女間でも、価値観や物事の判断には個人...
並木まき 2024-06-08 06:00 ラブ
年齢を言いたがらないアラフォー女性 “私は若く見える”が招く婚活トラブル
 結婚相談所では生年月日はプロフィール上に掲載されていますが、相談所外での恋愛相談を聞いていると、「年齢」を巡って揉める...
植草美幸 2024-10-24 14:24 ラブ
ド緊張して顔が土色!? 夫の人見知り発動時に隣の妻がやるべき3つのこと
「夫が人見知りで困っている」という悩みを抱える妻は少なくありません。ご近所付き合いや親戚の集まり、子育て関係のイベントや...
恋バナ調査隊 2024-06-07 06:00 ラブ
“女風”で気持ち良くなりたいのに…アラフォー女性初回利用でなぜ大失敗?
 女性用風俗、略して「女風」の勢いが止まりません。東京都だけで約100店舗ほどがあるとされ、どのお店の誰を選べばいいのか...
内藤みか 2024-06-06 06:00 ラブ