強めにいじられ…高橋真麻の「積極的受け身」を支える父譲りの強靭な精神力
【今週グサッときた名言珍言】
「私、悲壮感ないんですよね。むしろ、ひどい目に遭ってる方がハネる」
(高橋真麻/「伊集院光&佐久間宣行の勝手に『テレ東批評』」9月16日放送)
◇ ◇ ◇
フリーアナウンサーとしてバラエティー番組などで活躍している高橋真麻(43)。彼女といえば2013年の豪雨の中での「隅田川花火大会中継」(テレビ東京系)が“伝説”として、いまだに語り草になっている。それに対して本人は「どのアナウンサーも同じ状況だったら明るく楽しくやったと思う」と事もなげに言う。
ただ、他のアナウンサーならば、それを見た視聴者が「こんなことをやらされてかわいそう」と感じるのに対して、自分の場合は「面白い」と思ってもらえたのだ、と。そんな自分を客観視した一言が今週の言葉だ。
彼女は、小さい頃から「高橋英樹の娘」と言われるのが苦痛だった。一方で父の仕事を見て、何かを伝える仕事に憧れ、アナウンサーを志した。大学4年間はその勉強に打ち込み、見事、フジテレビに合格。だが、入社するとすぐに「コネ入社」「ブサイク」などと誹謗中傷されて激ヤセ。仕事も誰がやってもいいような仕事ばかり。退職も本気で考えた。
しかし、父の「誰がやってもいい仕事こそ一生懸命やりなさい。そうすれば、『最初は誰でもいいと思っていたけれど、真麻に頼んでよかった。次は真麻を指名しよう』ってなるから」(リクルート「就職みらい研究所」20年1月6日)という言葉に奮起した。
すると、いつしか「ニュース読みの天才」(TOKYO MX「5時に夢中!」14年9月19日)と評していたミッツ・マングローブを筆頭に、アナウンス力が評価されるようになった。同時に、とんねるずや有吉弘行らにバラエティー番組で強めにイジられるようになっていった。
「会社員として、会社から『やってくれ』と言われたことはまっとうするタイプ」(主婦と生活社「CHANTO WEB」24年7月11日)だったという彼女。「とんねるずのみなさんのおかげでした」(フジテレビ系)での「モジモジくん」で全身タイツを着るのもためらわなかったし、フジテレビのイベント「お台場合衆国」で47日間、毎日舞台で歌うという企画も全力で取り組んだ。いうなれば「積極的受け身」だと彼女は自己分析する(同前)。それも「全力で物事に向き合う」父からの影響だと言う。
そんな父は「私が(番組で)ツラい思いになってる方が楽しいみたいで」と真麻が冒頭の番組で語るように、娘がイジられることをいとわない。それどころか、それを見て大笑いしているところをしばしば見かける。その父から受け継いだ強靱な精神力が高橋真麻を支えているのだ。
(てれびのスキマ 戸部田誠/ライタ―)
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