旧ジャニ圧力をSTOPさせた公取委が「新指針」でも業界で楽観視されないワケ…ピンハネが今も横行する芸能界の暗部

更新日:2025-10-01 17:03
投稿日:2025-10-01 17:00

 公正取引委員会と内閣官房による、芸能人の移籍や独立を妨害する行為を防ぐための指針が発表され、業界の注目を集めている。公取委は旧ジャニーズ事務所から元SMAPのメンバー3人が独立した際、旧ジャニがテレビに出演させないよう圧力をかけたとして、2019年に事務所を注意し、ジャニの影響力を削いだとされる。新指針では「忖度」や「掟」「不文律」のはびこる業界改革につながるとの観測もあるが、業界関係者の見方は楽観的なものばかりではない。

「のん(旧芸名:能年玲奈)は2015年の所属事務所とのトラブルを経て独立し、さらなる飛躍を見せていますし、移籍や独立もジャニーズが圧力をかけていた頃に比べれば、かなり自由化が進んでいます。しかし独立すればギャラが満額入ってきたり、完全に自由に仕事ができるかというと、必ずしもそうなっていない。テレビの制作会社と大手事務所が裏でつながっていて、ギャラをピンハネしたりしている。俳優としてドラマや映画に出演したり、バラエティーにも出ているミュージシャンはデビュー時に所属していた大手の系列事務所、さらに業務提携していた事務所から多重にピンハネされ、ギャラの2割から3割しか入らない状況が続いています。こうした商慣習みたいなものまでを指針で改善できるのでしょうか」とは、業界に長い芸能関係者だ。

「事務所が仕事やスケジュールを管理し、ギャラについては説明すらしていなかった時代は過去になりつつありますが、いわゆる『専属マネジメント契約』が芸能界の主流に変わりはなく、そこで売れるには事務所による育成や活動支援が必要だったりする。事務所には『育ててやった』という意識があるから、売れて独立となると『恩をあだで返しやがって』となってこじれたりする。契約期間やギャラの取り分を明確にして、何でも透明化するという現代社会ですが、そういうことに対してタレントが物申すと生意気と取られかねない。いまだに『後ろ盾』とか『系列』がモノを言う業界ですので、どんなに才能豊かなタレントでも、そうしたシガラミに縛られてしまう世界なのです」(同)

■テレビ局もギャラのピンハネに加担し、総務省も関与しているという闇…

 俳優の山田孝之(41)は9月4日に行われたNetflixの10周年記念イベントで「日本の俳優ももう少しギャラを上げてほしい」とコメントしたと報じられたのも、こうしたピンハネ問題と無関係ではないのかも知れない。

「芸能界のピンハネは確かにひどい」と某広告プロデューサーがこう言う。

「この問題で一番透明性を確保できるポジションにあるのは、テレビ局ですよね。テレビ局が、タレントに『制作会社にギャラの差配を任せないで直接振り込みます。事務所へは手数料を別途振り込みます』などと明示し、その取り分が何パーセントになるのか、タレントと事務所の双方に開示し透明化するルールにすれば済む話なのですから。それができない、あるいはしないのはテレビ局が制作会社へ支払う制作費を絞ったり、いろんなピンハネを促したりしているともっぱらですからね。それでも、テレビ局がピンハネ防止に舵を切ったら、色々な抵抗が予想され、所管の総務省のお役人も命懸けになるだろうけど、どこまで腹をくくれるかと言ったら疑問ですよね。公取委もそうした本丸まで本気で踏み込めるかどうかも分からないと思いますよ」

 こうした闇が深い日本の芸能界に公取委がどれだけ光を当てることができるか、お手並み拝見である。
 
  ◇  ◇  ◇

 NHKを動かすには、やはり受信料をつつくのが良いだろう。関連記事【もっと読む】NHK春の改編で旧ジャニ排除し『新しい地図』は残留…ファン激怒で“受信料ボイコット”宣言」…では、昨年春に発生した同局の改変に端を発する騒動について伝えている。

エンタメ 新着一覧


「あんぱん」嵩とヤムさんの再会にグッときた。でも顔をよく見たら…気になった“余計な”こと
 客席はたくさんの子どもたちで埋まり、その様子をカメラに収めるのぶ(今田美桜)。ミュージカルが終了すると、会場は大きな拍...
桧山珠美 2025-09-20 11:47 エンタメ
渡邊渚“逆ギレ”から見え隠れするフジ退社1年後の正念場…現状では「一発屋」と同じ末路も
 フジテレビ出身のフリーアナ渡邊渚(28)が、自らの発言をめぐって、物議を醸している。MCを務めるYouTubeチャンネ...
2025-09-19 17:03 エンタメ
今田美桜の動きが気になる? 橋本環奈「紅白4年連続司会」がかかる“今年ならでは”の憂鬱
 NHK連続テレビ小説「あんぱん」が9月26日に最終回を迎えるまで、あと1週間。放送開始から大好評のままフィナーレとなり...
2025-09-19 17:03 エンタメ
「あんぱん」のぶの“お手柄”総決算の回。ヤムさん(阿部サダヲ)と蘭子(河合優実)の繋がりは“前世”からの縁なのか?
 のぶ(今田美桜)は草吉(阿部サダヲ)にあんぱんを焼いてほしいと頭を下げるが、断られてしまう。蘭子(河合優実)からこのま...
桧山珠美 2025-09-18 17:16 エンタメ
「愛の、がっこう。」最終回で広がる“竹千代ロス”…坂口涼太郎の"舎弟キャラ”が視聴者に愛されたワケ
 評判の良いドラマには、愛される脇役が必ずいる。今期なら、9月18日が最終回の「愛の、がっこう。」(フジテレビ系=木曜夜...
2025-09-18 17:03 エンタメ
渡部建が選んだ“不倫を許してもらえないキャラ”の賞味期限…逆風をネタに笑いを取る生き残り戦略の現実
 2000年の“多目的トイレ不倫”騒動から5年。アンジャッシュの渡部建(52)は「このところ、まだ世間に許してもらえない...
2025-09-18 17:03 エンタメ
黒木メイサの新恋人報道でジャニーズJr.ファン大パニック…発端は週刊文春公式Xの「大物ジュニア」だった
 9月18日発売の「週刊文春」に掲載されている、女優の黒木メイサ(37)の記事についてジャニーズJr.のファンが空騒ぎだ...
2025-09-18 17:03 エンタメ
加藤清史郎の“奇跡の成長”を「放送局占拠」で見た。寺田心ら子役出身者がイケメンになっている件
 加藤清史郎くんのイケメンぶりには目を見張るものがあります。現在、櫻井翔主演「放送局占拠」(日本テレビ)に出演しています...
世界陸上復活でも「やっぱりウザい」織田裕二と今田美桜スカスカコメントの絶妙バランス
 34年ぶりの東京開催で話題の「世界陸上」が熱い。TBS系で生放送もされているが、競技と併せて注目されているのが、俳優の...
2025-09-17 18:08 エンタメ
"守りのフジ"は菅田将暉、"攻めの日テレ"は若手で勝負 水曜ドラマ対決「第3ラウンド」で逆転の可能性
 日本テレビとフジテレビが連ドラ対決している水曜夜10時。日テレの方は昨春、いったん廃枠にした水10ドラマ枠を1年で復活...
2025-09-17 17:03 エンタメ
ATSUSHIものまね芸人が逆ギレで騒動拡大…売名チャンスに本人は逃亡中のナゾ
 9月9日に営まれた橋幸夫さんの通夜に参列し、物議をかもした「EXILE」ATSUSHIのものまね芸人、RYOをめぐる騒...
2025-09-17 17:03 エンタメ
俳優・清水尋也容疑者の薬物逮捕で「東リベ」「あんぱん」に映像関係者の強い関心が集まる複雑事情
 9月26日に最終話を迎えるNHK朝の連続テレビ小説『あんぱん』の視聴率がここにきて17%超えを連発、平均視聴率も有終の...
2025-09-17 10:58 エンタメ
目玉は「102回目のプロポーズ」くらい…フジテレビ秋の番組改編イマイチ、復活への遠い道のり
 フジテレビが先週8日、東京・台場の同局にて「フジテレビコンテンツラインナップ発表会」を開催。今秋の改編について発表した...
2025-09-16 17:03 エンタメ
NHK大河ドラマ「べらぼう」に芸人がこぞって出演するワケ 有吉弘行、鉄拳に続き野性爆弾くっきー!、ひょうろくも
 横浜流星(28)が主演を務める、NHK大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」にお笑いコンビ「野性爆弾」のくっきー!(...
2025-09-16 17:03 エンタメ
「時代に挑んだ男」加納典明(43)500人斬り伝説「いざ…という時に相手マネジャー乱入、窓から飛び降り逃走した」
【増田俊也 口述クロニクル】#43  作家・増田俊也氏による新連載スタート。各界レジェンドの生涯を聞きながら一代記を紡...
2025-09-16 17:03 エンタメ
サンミュージック岡博之社長 肉の代わりに鮭缶を使った「鮭じゃが」
【私のおふくろメシ】  岡博之さん  (サンミュージック社長/ブッチャーブラザーズ)  今週67歳になったブッチャー...
2025-09-16 15:08 エンタメ