お笑い業界関係者が指摘「ダウンタウンプラス」の厳しい勝算…コンテンツの質・量・更新頻度が当面の課題に
ダウンタウンの松本人志(62)と浜田雅功(62)による、インターネット配信サービス「DOWNTOWN+(ダウンタウンプラス)」が11月1日夜に配信スタートすることが正式発表された。
同サービスは、月額1100円、年額1万1000円(いずれも税込み)の2つのプランが選べる定額制。すでに、松本による大喜利や「笑ってはいけない」のようなコンテンツが収録されたと報じられており、さらにはダウンタウンの過去の番組のアーカイブも配信されるという。
松本にとっては、「週刊文春」による“性加害疑惑報道”以降、1年10カ月ぶりの芸能活動再開となる。しかし、なんの説明もないままの復帰に違和感を抱く視聴者も多いはず。その一方で、「DOWNTOWN+」の公式Xの登録者は現段階で7.2万に達しており、“ファン待望”などと、期待感をアオる報道も目立つようになってきた。
果たしてその“勝算”はどうなのか。お笑い関係者に本音を聞いてみた。さるお笑いバラエティー番組関係者は声をひそめてこう話す。
「率直に言って、現段階ではダウンタウンプラスが成功する見込みは薄いでしょうね。成功のカギはコンテンツの質・量・更新頻度でしょうけど、それらを満たせるかは疑問です。質に関しては実際に見ないとわからないですが、量や更新頻度に関しては、月会費が同程度のネトフリやアマプラの足元にも及ばないでしょう。課金ユーザーを定着させるには、ここでしか見られない画期的な面白さのある企画をやり続ける必要があるわけですが、どんなに松本さんの企画力が優れていても、格別な面白さのあるものを量産し続けるのは容易なことではありません」
地上波のバラエティーであれば、たまたま見て面白いと思う人もいるかもしれないが、閉じた有料のコンテンツは表に出ることがないので、新たなファン層が広がっていくことは簡単ではないのではないかとこの関係者は言う。
「話題性はあるので最初に加入するユーザーの数はある程度多くなると思いますが、それを長く維持するのは難しいのではないでしょうか」
さらに地上波から配信番組までに携わる、別のお笑いメディア関係者の見立てはこうだ。
「料金設定については妥当だと思います。テレビでは見られないもの、しかも海外を意識した日本独自のプラットフォームでの配信という意味では非常に画期的。成功する、しないにかかわらず、この動きそのものを見る価値はあると思います」
「女性からの支持は得られると思うか」という問いにはこう答えた。
「ネットのコメントを見ると松本さんに対する批判が多いんですが、お笑い好きと話していると意外と気にしていない女性が多かったりもする。芸能プロのマネジャーに『オファーがあったら出ます?』と聞くと、『即決で出ます』とだいたい答えますから、タレントが出演を渋ることも考えにくい。お笑い芸人に倫理を求める方がどれだけいるのか。今回、そこも具体的な数字として表れるのではないでしょうか」
さらにこう続けた。
「こういう配信サービスが始まることは、すごく今の時代を反映していると感じます。SNSや動画配信サービスが普及し、世界的にテレビを見る人は減少傾向にあります。失言やスキャンダルによって芸能活動ができなくなったり、そんな空気感を打破しようともがくコメディアンがいたりする現状も同じです。だからこそ、能動的な視聴者をターゲットとする有料の配信メディアが支持されやすい。その意味で、ダウンタウンプラスは今後のエンタメ業界を占う意味でも注目の存在だと思いますよ」
果たして、結果はどうなるのか。
◇ ◇ ◇
「テレビの絶対王者」だったはずのダウンタウンの凋落の始まりなのか? 関連記事【もっと読む】迫り来る「ダウンタウンが地上波から消えるXデー」…「ダウンタウンDX」に続き「浜ちゃんが!」が突然終了…では、その兆候の有無について分析している。
エンタメ 新着一覧
