芸能界でも不倫は格好のネタだが…男と女が同部屋で過ごしても「男女の関係」と断定できないが、否定する証明もできない

更新日:2025-10-09 17:03
投稿日:2025-10-09 17:00

【芸能界クロスロード】

 群馬県前橋市の小川晶市長(42)の不倫疑惑。芸能人では聞き慣れたワードも、女性市長が部下で家庭のある職員と密会していた場所がラブホテルとは……。

 衝撃的な話に情報番組は飛びつき連日、井戸端会議のようなノリで放送。ネットだけでなく、テレビの影響力もやはり大きい。

 公務時間外とはいえ10回近く相談に乗ってもらうためにラブホを利用したが、「男女の関係はありません」と小川氏は否定を続けている。アパホテルでの不倫が発覚し、仕事をなくしたアイドルもいるご時世。彼女の言葉を信じる者はまずいない。

 芸能界でも2020年、女優の鈴木杏樹が俳優とラブホ不倫が報じられたことがあった。鈴木は言い訳することなく即座に謝罪し反省。彼との別れも決意。ダメージを最小限に抑え仕事もさほど影響しなかった。元の明るさを取り戻し、最近はラジオのDJでも人気になっている。

 同じラブホ不倫も対応は正反対。これが男女の仲を立証する難しさである。

 芸能史をひもといてもさまざまな言い訳があった。彼の部屋で一夜を過ごした女優の弁明は「仕事の打ち合わせ」。女性の部屋に泊まり、部屋の電気が消えた時間まで報じても、「友達も一緒だった」と弁解したタレントもいた。逆に「好きな人に奥さんがいてもいいじゃないですか」と言い放った葉月里緒奈の発言は語り草になっている。

 総じて芸能界で不倫報道をすんなり認める人は少ない。ならばと、取材を強化したのが週刊文春だった。決定的な写真やラインの交換記録を掲載するなど、二の矢、三の矢で追及。否定していたタレントが嘘をついていたことを認め謝罪。すべての仕事を失ったこともあった。これを機に「文春砲」と呼ばれ恐れられたが、簡単に屈しない人もいた。議員時代の山尾志桜里氏は男性とホテルの部屋に入るところまで撮られても、毅然と不倫関係を否定した。

 昭和には的を射た対応をする人もいた。俳優の三田村邦彦が女優と不倫疑惑を報じられた際、メディアの胸の内を察したように、「みなさんが本当に聞きたいのは、僕と彼女がエッチしたかどうかでしょう」と言った。「その通り!」と言わんばかりに報道陣は次の言葉を待った。「言わない」だったが、和やかな不倫対応になった。

 男と女が同じ部屋で過ごしても男女の関係と断定できないが、男女の関係を否定する証明もできない。

 その象徴が劇作家・梶原一騎氏の不倫疑惑を取材した際のやりとりである。

 梶原氏の部屋にある女優が何度となく泊まりに来ている事実に、梶原氏は事務所の応接室で堂々と対応。「彼女が俺の部屋に泊まったのは事実だが、それだけで男女の関係というのか! それ以上の決定的な証拠がない限り俺は認めん」と突っぱねた。確かに、それも事実。苦し紛れに「男女の仲でない、証拠もないわけでしょう」と反論。話し合いは平行線に終わり、事実だけを記事にした。

 不倫はさまざまな事情が絡み公になれば家庭内争議が勃発。芸能界でも夫の不倫発覚後、離婚した人もいた。

 仕事の影響も大きい。芸能人は一時的に謹慎。再び芸能界に戻ることができるが、市長は辞めても戻れる保証はない。くだんの山尾氏も先の参院選に立候補したが、「寝た子を起こす」ように不倫話が再熱。国民民主党の公認も外されあえなく落選した。小川氏の不倫問題、ひと波乱ありそうな気配が漂う。

(二田一比古/ジャーナリスト)

エンタメ 新着一覧


「あんぱん」羽多子らの“あの言葉”にあんぐり…のぶも感動してる場合か。落語家の年齢も気になる
 嵩(北村匠海)は「まんが教室」という番組に出演してほしいという健太郎(高橋文哉)の頼みをしぶしぶ承諾する。そして第1回...
桧山珠美 2025-08-28 15:06 エンタメ
「あんぱん」のぶ、議員のコネ入社なのに“クビ”の謎。急成長したアキラ君と老けないオトナ達に酔いそう…
 嵩(北村匠海)が書いた詞にたくや(大森元貴)がメロディーをつけて生まれた「手のひらを太陽に」は、「みんなのうた」でも紹...
桧山珠美 2025-08-28 15:06 エンタメ
スキャンダル続出の花田優一、美女にモテまくるのは何故? 不誠実男に学ぶ「悪名は無名に勝る」メリット
 元横綱・貴乃花光司と元フジテレビアナ・花田景子を両親に持つ“親の十四光り”の花田優一。  現在、元テレビ東京アナ...
堺屋大地 2025-08-17 11:45 エンタメ
「あんぱん」八木(妻夫木聡)と蘭子(河合優実)、“何か”が始まっちゃう? 嵩は作詞能力をいつ見抜かれたのか
 舞台公演は成功裏に幕を閉じる。数日後、なぜかぼんやりした様子の嵩(北村匠海)。そこに、また一緒に楽しい仕事をしようとた...
桧山珠美 2025-09-04 12:26 エンタメ
カズレーザー、山里亮太…芸人はなぜモテる? 業界人が分析する「メロい」現象が起こりやすい納得の理由
 カズレーザーさんと女優の二階堂ふみさんが結婚した。週刊誌にも撮られなかったどころか、噂すらなかったので世間はびっくり&...
帽子田 2025-08-15 11:45 エンタメ
島崎遥香31歳、40代を迎えても「幸せの更新」方法は変わらない。カテゴライズせず“ぱるる”として生きていく
 昨年、初めての著書『ぱるるのおひとりさま論』(大和書房)を出版するなど、このところ「ひとりが好き」「結婚願望はナシ」と...
望月ふみ 2025-08-14 11:45 エンタメ
ドラマ『しあわせな結婚』の奇妙な違和感。松たか子らの“ちぐはぐさ”は計算どおりなのか?
『光る君へ』『ふたりっ子』『大恋愛』などで知られるベテラン脚本家・大石静さんの完全オリジナル作品として、夏ドラマの中でも...
「あんぱん」六原永輔=永六輔の“言葉”に違和感が…。いせたくや(大森元貴)らの記憶力も凄すぎる
 のぶ(今田美桜)と嵩(北村匠海)は互いに隠していたことを打ち明け、新たに前を向く。それから7年の歳月が流れ――、未だ漫...
桧山珠美 2025-08-13 18:06 エンタメ
【芸能クイズ】ヒントは有名コンビ!「佐藤嘉彦・粋子」が本名な芸人は誰でしょう?
 テレビやネットでふと耳にした、あのひとこと。記憶の片隅に残る発言の背景には、ちょっとした物語があるのかも?  ネ...
空前のオカルトブーム! 大人も楽しめる「夏のホラーアニメ」3選。平成の“トラウマ級”作品が令和にリメイク
 近年、小説や映画を中心に巻き起こっているホラーブーム。Web記事から単行本化された小説を原作とし大ヒット映画となった「...
ヒカキンは本当に“聖人”だったのか? 炎上騒動で見えたトップYouTuberの人間くささ
 日本を代表するYouTuber・HIKAKIN(以下、ヒカキン)が、パクリ動画を公開したことで炎上しました。  ...
堺屋大地 2025-08-14 10:37 エンタメ
「あんぱん」のぶの不器用設定はどこへ? ボツ原稿を持ち歩く嵩…まだまだあるクエスチョン
 独立した嵩(北村匠海)は独創漫画派という集団に所属し、そこで割り振られた仕事をこなしていた。だが、決して順調とは言えな...
桧山珠美 2025-08-11 17:03 エンタメ
キンプリ岩橋玄樹、A.B.C-Z戸塚祥太ら夏の深夜ドラマ、極上イケメン4選。“フェミ男”の二世息子も俳優デビュー
 常夏の国、ジャパン 日本列島沸騰中です! 連日、熱中症警戒アラートが発令し、無駄な外出はしないようにと呼びかけます。コ...
1位の道枝駿佑を抜いた!2025年上半期「国宝級イケメン」を検索数でランキング。最も調べられた日の出来事は
 7月15日、「ViVi国宝級イケメンランキング 2025年上半期」(以下、「ViViランキング」)が発表されました。N...
こじらぶ 2025-08-10 11:45 エンタメ
「あんぱん」手嶌治虫(眞栄田郷敦)と運命の出会い…だけど。“靴紐”シーンは何かの伏線なの?
 嵩(北村匠海)はカフェで打ち合わせをしていた手嶌治虫(眞栄田郷敦)に声をかけられる。いたたまれない気持ちで会社に戻った...
桧山珠美 2025-08-09 10:38 エンタメ
山田裕貴、“気持ち”を考え続けて撮影に挑んだ。W主演の堤真一に「恥ずかしくて聞けないこと」とは?
 太平洋戦争末期の沖縄で、アメリカ軍に追い詰められて木の上に身を潜めた日本兵が、終戦を知らないまま2年間にわたって潜伏生...
望月ふみ 2025-08-08 11:45 エンタメ