ラウールが通う“試験ナシ”でも超ハイレベルな早稲田大の人間科学部eスクールとは?
【続・あの有名人の意外な学歴 】#8
ラウール(Snow Man)
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STARTO ENTERTAINMENT(旧ジャニーズ事務所)で現在、圧倒的人気を誇るSnow Man。最年少メンバーのラウール(22)は現役の早大生だ。在籍しているのは人間科学部eスクール。2003年に設置された通信教育課程である。
「入学試験がなく、書類と面接によって合否が決まるので、入るのは簡単そうにみえるが、そこはやはり早稲田。想像以上にハードルが高い」と話すのは個別指導塾の経営者。高卒を対象としたコースの25年度の実質倍率は2.5~3.2倍だった。
「インターネットをフル活用したプログラムを組んでいるので、受け入れ人数を増やすことは可能だが、それだと水準が維持できない。早稲田ブランドを傷つける事態だけは避けなければならないというのが我々の共通認識だった」と明かすのは立ち上げに関わった早大元教授。その結果、通信教育機関としては非常に高いレベルが実現できたという。
この難関を乗り越えたラウールについて「知識欲が旺盛で、それに見合った学力を持っている証拠」と推察するのは前出の塾経営者だ。ジャニーズ事務所に入ったのは東京・大田区の公立小学校6年の時。そこで浮かれることなく中学受験に臨み、日大第一に進んだ。
「入所前からキッズダンサーとして活躍。日々の生活リズムを整えることに慣れ、仕事と勉強の両立がうまくできていた。中学に進学してからも成績は良く、学年で2番だったといいます」と話すのは旧ジャニーズ事情にくわしい芸能記者。日大第一高校に内部進学したが、在学したのはわずか1カ月だけだった。
高校に上がる前の1月、滝沢秀明氏(現TOBE代表)の進言を受けたジャニー喜多川社長に命じられSnow Manに電撃加入。最初からセンターに抜擢された。この時点で通常の高校生活を送るのは難しいと予想されたが、学業はしっかりしたいと内部進学したのだった。しかし、ドラマ主演のオファーも入り、通学はすぐにままならなくなった。結局、旧ジャニーズ事務所の所属タレントの多くが在学した堀越高校トレイトコースに編入した。
「ここでも勉強はおろそかにせず、仕事の合間に学校に顔を出し、しっかり3年で卒業。通信課程とはいえ、早大にまで合格してしまった」
どんどん忙しくなっていく姿をウオッチしてきた芸能記者はその奮闘ぶりに驚く。ただ、早大を順調に卒業できるかは別問題。一般選抜で入ってきた学生と同じように、決められたカリキュラムを修了する必要がある。「脱落しないようにeスクールでは教育コーチをつけ各学生をサポートしている」(前出の元教授)というが、約4割が途中でやめている。
フィギュアスケートで冬季五輪2連覇を果たした羽生結弦氏(30)は上限の8年かけて卒業した。ラウールもこの先輩に続けるか、正念場である。
(田中幾太郎/ジャーナリスト)
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