中年女の前髪問題、もう「600円カット」で良くない? “アンガ田中似”美容師の実力はいかほどか

小林久乃 コラムニスト・編集者
更新日:2025-10-22 09:34
投稿日:2025-10-22 08:45
 女性なら誰でも通る茨の道、更年期。今、まさに更年期障害進行形の小林久乃さんが、自らの身に起きた症状や、40代から始まった老化現象についてありのままに綴ります。第50話は「600円の前髪カット」。

前髪に宿る女心とは何だろう

(なぜ鼻毛は若い頃から同じペースで生えてくるのに、毛髪はペースダウンするのだろう。白くなるし、抜けるし)

 エチケットカッターで鼻毛を処理しながら、考えていた。この連載でもしょっちゅう書いているが、加齢によるヘアトラブルは悩みが尽きない。歳を取れば取るほど、白髪を染め、ツヤを出し…と対処法が増えていく。いっそのことすべてを投げ出して、自然現象のまま生きたいけれど、その決断もままならず。「髪は女の命」とよく言ったもので、個人の美的感覚に深く関わってくる。髪型ひとつで気分が変われば、自信も付く。

【こちらもどうぞ】効いてくれよ、スタバ1杯分! 更年期女がすがる心のお守り。すべてはプラシーボ効果と気づいても

 とはいえ、だ。ここ最近は美容院へ行くペースも3ヶ月に1回ていどになっている。毎度「白髪が生えてきた」などと、毎月、表参道に通うほどセレブではない。ついでに時間もない。若い頃はなぜ毎月通っていたのか(経済面なども)不思議だけど、今や後手に回った美容ケア。

(…前髪を切りたいんだけどなあ)

 そう、今、10〜20代が前髪に命をかけているように、前髪のトーンでヘアスタイルは大きく左右する。鏡で自分の額を覗くと、伸びっぱなしで長さは目を超えていた。面倒なので何となく斜めに流していたけれど、どうにも野暮ったい。ああ、こんな時に思い出すのは漫画『ONE─愛になりたい─』(宮川匡代著:集英社刊)。拓実に恋していたのにうまくいかず、水泳部のノブオ先輩とつきあい始める、主人公のさちよ。先輩が「この髪は前髪かな?」(ニュアンス)と、優しくさちよの前髪を気にするシーンをいまだに覚えている。

 いつか私も前髪を直してくれる恋人と幸せになると思い込んでいたが、前髪はひたすら自分でケアしている。

 ふと、近所の小さな美容院に「前髪カット600円」と看板が出ているのを思い出した。いやいや、表参道の美容院に行きつけを持つのだから、近所で済ませては女の美学が廃る。そう思っていたけれど、おばさん力とはすごいもので「近くて安いなら最高」と、気分が変わった。

小林久乃
記事一覧
コラムニスト・編集者
出版社勤務後、独立。2019年「結婚してもしなくてもうるわしきかな人生」にてデビュー。最新刊はドラマオタクの知識を活かした「ベスト・オブ・平成ドラマ!」(青春出版社刊)。現在はエッセイ、コラムの執筆、各メディアの構成と編集、プロモーション業が主な仕事。正々堂々の独身。最新情報は公式HP

関連キーワード

ライフスタイル 新着一覧


大好きなテレビ鑑賞中、ふと襲われた「不安感」はなんだ? 更年期、不調の新フェーズに突入か
 女性なら誰でも通る茨の道、更年期。今、まさに更年期障害進行形の小林久乃さんが、自らの身に起きた症状や、40代から始まっ...
土屋太鳳の“裏アカ”疑惑は他人事じゃない? いまや約3割が所有…恐怖の「誤爆ケース」4連発
 女優の土屋太鳳(30)の“裏アカ”流出疑惑が波紋を呼んでいます。いまや芸能人だけではなく、一般人も“裏アカ”を持つのが...
言いすぎー! 思春期な“我が子”のトンデモ暴言集。「うるせえ、スメアゴル」に笑っちゃったよ
 子どもから大人へと移行する時期と言われる思春期は、子育ての修羅場。私たち親も「反発したい年頃よね」と分かっているけれど...
元タレントが見た過酷な現実。芸能界で“誰かのお気に入り”になった女と拒んだ女の分かれ道
 世間を揺るがす芸能界の黒い噂。ニュースとして報じられ、真実が明らかになることも増えました。現在は清浄化が行われている芸...
ありえない“パワハラ職場”経験談6選。「先輩の指示で話せないの」って小学生かよ!?
 パワハラが問題視される時代ですが、今もなおパワハラが原因で退職に追い込まれている人が少なくないようです。今回はパワハラ...
43歳、推し活でお金は減った。でも後悔はない。“推し”と過ごしたあの頃の私を誇りに思う
 アラフィフに差しかかる少し前、私はK-POPの“推し”と出会いました。これまでも長くオタ活を続けてきましたが、その出会...
芸能人も公表…パニックに陥ったら「ダメな人間だ」と責めないで“怖い”と思っていい。今の自分を受け入れる大切さ【専門家監修】
 2012年に59歳で亡くなったロック歌手・桑名正博さんとアン・ルイス(68)の長男でミュージシャンの美勇士さんや、タレ...
魅惑の“にゃんたま”ツーショット♡ 2匹の背比べ、真の勝者は意外なところに?
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
【動物&飼い主ほっこり漫画】連載特別編「春山先生 幼少期の思い出」
【連載特別編】  ベストセラー『ねことじいちゃん』の作者が描く話題作が、「コクハク」に登場!  11月下旬発...
【女名の植物クイズ】夏の花で「あの有名映画の主人公」と同じ名前の品種があるのは?(難易度★★★☆☆)
 知っているようで意外と知らない「ことば」ってたくさんありますよね。「校閲婦人と学ぶ!意外と知らない女ことば」では、女性...
理解不能すぎ!義実家の謎ルール6選。「トイレの水は3回分ためて流す」ってありえる?
 家事のやり方、生活の仕方、人付き合い……それぞれの家庭ごとに存在する「謎ルール」ってありますよね。それが義実家の謎ルー...
花火大会の“有料化”が増えた背景。3万円の高級席も…若者世代は「お金を払って見る」が当たり前?
 今夏も花火大会が大盛り上がり。特に日本三大花火大会の長岡花火は、開催直後のSNSでは観客が撮ってアップした写真や動画が...
まだまだ帰省したくない…私が使った言い訳LINE集。“本当にありそう”な絶妙なウソで切り抜けた!
 この夏、義実家や実家に帰省したことを後悔している人もいるでしょう。「帰省せず1人でゆっくりしたい…」と願う皆さんのため...
めんどくさ! 意味不明な“ママ垢”ルールにゲンナリ…。「成長自慢は禁止」ってなんでよ?
 妊娠出産が初めてだったりママ友がいなかったりすると心細いですよね。そんな中「情報がほしい」「仲間がほしい」と、SNSで...
スナックに「客が来なくなる理由」はどこに? バブル時代とは違う、令和のシビアな現実
 みなさん、ぜひスナックに行ってください! 絶対楽しいから大人になったら一軒くらい行きつけのスナックを…!!  と...
ギャー! 旅行先での恐怖体験6選。友人が車窓を見て真っ青に…満面の笑みを浮かべる人物が
 楽しいはずの旅行で、身の毛もよだつような恐怖体験をしたことはありますか?   この記事では、夏の暑さを吹き飛ばす...