バラエティー特番「あの金、どこ行った?」と「マル分の1の頂点」はレギュラー化してほしい

更新日:2025-10-26 17:03
投稿日:2025-10-26 17:00

【桧山珠美 あれもこれも言わせて】

 先週から今週にかけて目にしたバラエティー特番2本が面白かった。

■他人の不幸は蜜の味の「あの金、どこ行った」

 1つは16日のフジテレビ系「あの金どこいった? 逆転人生にかける有名人」。過去に大金を手にした有名人がお金をどう使い、なぜ失い、そして今どうしているのかを追跡するドキュメンタリーバラエティーだ。番組ではどん底に落ち切って、再起をかけて奮闘する様子も追っていてそこが救いでもある。

 最初は元光GENJIの大沢樹生。当時の年収は3000万円で「(光GENJI在籍期間)7年で2億円いったかいかないかくらい」と包み隠さず金額を告白。大沢は1500万円でベンツの560SLを、さらにバブル期に百合ケ丘の山の上に3LDKの分譲マンションを1億5000万円で購入したが、10年後に売る時はわずか3000万円だったと。

 ここでMCの草彅が自身もビンテージのジーンズなどを買い、「お金なんて使ったらなくなっちゃう。すっからかん」と明るく笑わせた。

 現在、大沢はライブや俳優活動の他、焼津FMでレギュラー(2カ月に1回、8本撮り)、五反田で「樹馬」という馬肉料理の店をプロデュースしている。そこから毎月売り上げに応じて数万円が入るとか。

 大沢の他、杉田かおるや亀田興毅、ボビー・オロゴンら有名人、食品偽装の「船場吉兆」のささやき女将の息子、圧巻は「ぷよぷよ」を作った社長で、稼いだ70億円は消え、90億円の借金を抱え、現在は5万円のアパートに暮らす等々。「他人の不幸は蜜の味」だ。

 MCは草彅剛とホラン千秋。草彅はこの秋の同局の連ドラ「終幕のロンド」に主演し、遺品整理人を演じる。番宣を兼ねてのMC起用だろうが、草彅のとぼけた味わいがいい具合に毒消しになり、ほっこりしていたのがよかった。

■アナログ方式、足で稼ぐ「マル分の1の頂点」

 もう1本は19日の日本テレビ系「マル分の1の頂点」。あらゆる頂点の分母を調べ、1位がいかに価値のあるものかを明らかにするもの。こちらのMCは劇団ひとりとダイアン津田。目下、ドラマにCMにと引っ張りだこの津田。最近タワマンに越した。そんな話になったのは「東京23区にある約317万2500戸の賃貸物件の中で『築年数が最も古い家』は?」というネタと関連している。

 その手法が都内の不動産屋に電話して聞きだすというなかなかのアナログ方式。時間と労力は膨大にかかるが、その地道さは信頼できる。第300位からランキング形式で、築年数とアパート名を発表していき、そのなかの物件をいくつか見に行くという流れだ。

 他にも焼き鳥のタレやおでんのダシ継ぎ足しランキングといったばかばかしいことを手間暇惜しまず調査していた。

 この2本、ぜひレギュラー化して欲しい。

(桧山珠美/コラムニスト)

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