「ばけばけ」苦戦は佐藤浩市の息子で3世俳優・寛一郎のパンチ力不足が一因

更新日:2025-11-12 17:03
投稿日:2025-11-12 17:00

 NHK連続テレビ小説「ばけばけ」が、9月29日の放送開始から第7週に突入した。第6週の週間平均視聴率(世帯)は14.9%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と15%台を下回った。大好評だった前作「あんぱん」も同期間は15%台だったことを考えれば大善戦とも解釈できるが、今のところ後半戦に向けてのサプライズらしきものが見当たらないため、不安を口にする関係者も少なくない。第4週に映画「国宝」(東宝)の好演が光る吉沢亮(31)が登場して少し盛り返したものの、大幅な底上げができていないまま後半戦に突入することを懸念する声もある。

 この悶々とした状態の発端をドラマ関係者に聞いてみたところ、共通して返ってきた答えは「放送開始時に若年女性視聴者層の心を掴めなかった」というものだった。

 ドラマ業界内ではこの朝ドラに関して、スタートしてからの早い段階で、気になる2番手3番手のキャストが女性視聴者の間で話題に挙がれば、そのドラマは高視聴率を稼げると言われている。

■「あんぱん」の細田佳央太や中沢元紀のような"牽引役"が不在

 例えば2015年後期の「あさが来た」では、五代友厚役のディーン・フジオカ(45)が大ブレーク。出演シーンが終わると女性視聴者たちからの再出演嘆願運動まで起き、"五代ロス"なる言葉まで生まれた。

 また2017年後期の「わろてんか」では高橋一生(44)が、ヒロインの葵わかな(27)やその夫役の松坂桃李(37)を差し置いて注目を集めたし、「あんぱん」で細田佳央太(23)と中沢元紀(25)が、ドラマ成功を牽引したのも記憶に新しい。

 このパターンを「ばけばけ」に当てはめれば、牽引役を果たすべきは、ヒロインの最初の夫役を演じた寛一郎(29)だった。父は佐藤浩市(64)、祖父は三國連太郎という星の下に生まれたサラブレット的な役者である。

「ここにきて寛一郎が父や祖父との関係やエピソードを語り始めているのも、視聴者が寛一郎というひとりの役者というよりは、"佐藤浩市の息子"とか"三國連太郎の孫"といった付加価値を欲しているからではないでしょうか。8年前のデビュー時に、苗字を取ったアーティスト名に決めたのは、親や祖父の力を借りずにやっていきたいという強い決意を感じますが、広く知られるようになったのは、2022年度の大河ドラマ『鎌倉殿の13人』あたりから。背景に何も無いひとりの役者として認められるには、今はまだ若く、早いのかもしれません。最近の家族についての饒舌ぶりには驚くことも多々ありますが、恵まれた家系に反抗していたこれまでから少し大人になって、いい意味で開き直った寛一郎の、今後を楽しみに感じる関係者は少なくないと思いますよ」(芸能関係者)

 寛一郎は「ばけばけ」4週目で退場。再登場はなさそうだが、視聴者からそう熱望されるような役者になれるよう、彼の今後に期待したい。

(芋澤貞雄/芸能ジャーナリスト)

  ◇  ◇  ◇

 先日、結婚を発表した趣里だが、朝ドラ後の失速が甚だしい。関連記事【もっと読む】「ばけばけ」好演で株を上げた北川景子と“結婚”で失速気味の「ブギウギ」趣里の明暗クッキリ…では、その失速ぶりについて伝えている。

エンタメ 新着一覧


【募集】冬ドラマの感想は?面白かった&ガッカリを教えて!『御上先生』『ホットスポット』『べらぼう』etc
 コクハクでは2025年冬ドラマを対象としたアンケートを実施します。1月よりスタートした冬ドラマ、「面白かった」作品や「...
刮目! STARTO所属“歌うま”な佐野晶哉、ジェシー、田中樹以上に目が離せないアーティストは?
 田原俊彦(64)に初孫が誕生しました。おめでとうございます。「NINJIN娘」のトシちゃんも今やおじいちゃん…なんだか...
【おむすびにモヤっと】懐かしの風見先輩降臨でも願わくば…最終週はナベベ×詩のご対面?
 結(橋本環奈)は栄養失調の少女・詩(大島美優)になんとか食べてもらおうとラーメンを出してみるが、結局手をつけない。 ...
桧山珠美 2025-03-24 13:58 エンタメ
timeleszは一般人も加入、菊池風磨が逆風の中でタイプロを仕掛けた納得の理由と予想される快進撃
 一大ムーブメントを巻き起こした新メンバー募集オーディション「timelesz project -AUDITION-」(...
こじらぶ 2025-03-22 06:00 エンタメ
【おむすびにモヤっと】「米田家の家訓」のほうが良かった? 悔やまれる「米田家の呪い」のネガティブ要素
 結(橋本環奈)の娘・花(新津ちせ)は、病院で未成年の田原詩(大島美優)が人目を盗み隠れる手助けをしようとする。しかし詩...
桧山珠美 2025-03-24 14:02 エンタメ
【おむすびにモヤっと】リーダーの結、栄養失調の患者対策に献立本をパラパラとめくるだけの物足りなさ
 2023年。一人前の理容師となった翔也(佐野勇斗)は、娘の花(新津ちせ)が中学生となり大人びるのを心配するが、結(橋本...
桧山珠美 2025-03-17 18:05 エンタメ
“桃尻”といえば佐野勇斗!? 翔也の何十倍も生き生きと見えた「あさイチ」出演でのはっちゃけぶり
 14日放送の「あさイチ」(NHK総合)の「プラチナトーク」は、朝ドラ「おむすび」でヒロイン結(橋本環奈)の夫・翔也役を...
【おむすびにモヤっと】コロナ禍を描いた1週間。結の不可解な言動が目につく中、ピークだったシーンは?
 結(橋本環奈)は職場で、医療従事者の子どもたちが学校で除者(のけもの)扱いされる現状を同僚たちと嘆く。  それを...
桧山珠美 2025-03-15 06:00 エンタメ
NHKの峰不二子・中川安奈のフリー転身で恐れる女子アナら。森香澄との「あざと女」対決で勝つのはどっち?
 3月いっぱいでNHK退局を発表している「NHKの峰不二子」こと中川安奈アナウンサー。  彼女が世間から注目を集め...
堺屋大地 2025-04-03 10:41 エンタメ
【おむすびにモヤっと】コロナ禍でもスタンドプレイの結。本編以上に“制作の舞台裏”に興味が湧くばかり
 コロナによる緊急事態宣言で飲食店が営業自粛に追い込まれる中、ヘアサロンヨネダを営む聖人(北村有起哉)は店を開けていいの...
桧山珠美 2025-03-12 18:59 エンタメ
審査員・粗品とM-1審査員の決定的な違いは? 忖度しない芸人ゆえの「ブレない目線」と「ムカつかれる覚悟」
 若手芸人の登竜門である「ytv漫才新人賞」(読売テレビ)が3月2日に開催された。霜降り明星の粗品が初めて審査員を務め、...
帽子田 2025-03-12 06:00 エンタメ
Kōki,が鼻につくのは宿命か。両親から学んだ「2代目キムタク」としてアンチを無視するブランディング
 木村拓哉と工藤静香の次女という“十四光り”で注目を集めて来たKōki,。先月は主演映画『女神降臨』の宣伝を兼ねて、『世...
堺屋大地 2025-03-12 06:00 エンタメ
【おむすびにモヤっと】弁当開発に「病院の管理栄養士」の売りはもう不要? “新型コロナ編”にも懸念が…
 新型コロナウイルスの感染が日本で初めて確認されて病院で警戒感が漂う中、コンビニ弁当の開発をしないかという幼なじみの菜摘...
桧山珠美 2025-03-10 17:30 エンタメ
火曜深夜が熱い!FANTASTICS冠番組の対抗馬は純烈? 映画ぼくまほの八木勇征は大スクリーンで観るべき
 映画『僕らは人生で一回だけ魔法が使える』(ポニーキャニオン配給)を観て来ました。タイトルに“魔法”がつくと、まるで魔法...
【おむすびにモヤっと】なっちゃん抜け駆けで「栄養はエエヨ~」は結(橋本環奈)に相談しなかった?
 コンビニ弁当の開発案を豊岡部長(隈本晃俊)にプレゼンする菜摘(田畑志真)は、今の説明ではダメだと言われ、結(橋本環奈)...
桧山珠美 2025-03-08 06:00 エンタメ
「芸人=女とギャンブル」の時代は終わった。M-1王者・高比良くるまの謹慎がもたらすもの
 吉本芸人の相次ぐ「オンラインカジノ」問題。M-1王者令和ロマンをはじめ、ダイタクや9番街レトロなど劇場の人気者たちが次...
帽子田 2025-03-07 06:00 エンタメ