NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…

更新日:2025-11-30 17:03
投稿日:2025-11-30 17:00

 NHK連続テレビ小説「ばけばけ」の人気がジワジワ広がっている。視聴率もこれまでの最高を更新、普通はスタート時が高く、徐々に下がっていくのに、8週目以降に最高というのは珍しい。

 作家・小泉八雲と妻の地味なストーリーと聞いてパスしていた朝ドラファンが、ちょっとのぞいてみたら、「あら、結構面白いね」と戻ってきているのだという。

 どこがウケているのか。ヒロインの松野トキ(髙石あかり)をはじめ、登場人物たちの悲しくておかしい絶妙なセリフの魅力だ。

 実父が看病の甲斐なく死んでしまったとき、養子に出されていたトキは「一人になって取り乱したい」と泣く。「取り乱したい」という、やや場違いなセリフに悲しみの深さが表れている。

 かと思うと、結婚が決まってはしゃぐ友人に、「呪うけんね」と自分が残されたことを笑いにしたり、明治になっても髷を切らない頑迷固陋な父親に縁談を壊されると、「せめて他人の邪魔をしない武士やってよ」と噛みつく。

 トキだけではない。母親のフミ(池脇千鶴)も、ダメ亭主を甲斐性なしと思っているが、「思っていても口にしません」と面と向かってぴしゃり。もうほとんどコントで、女性視聴者は大笑いだっただろう。

 ほかにも、「無類の親戚好き」「夜だけど朝なのよ」「幸せが歩いてくる」「私は薄情な人になりたくないの」「通りすがりの異人」などなど、印象的なセリフの連発である。

「『ばけばけ』の背景は極貧、零落、偏見、死別、失意と暗い話ばかりですが、朝から重いドラマではつらい。そこで、脚本のふじきみつ彦は、悲しみや滑稽を笑いにするコメディーに仕立てたんです。トキは初めて見るビールの瓶を振って部屋中を泡だらけにし、映画『国宝』の名演技でうならせた吉沢亮がスキップのできない英語教師役で笑わせ、阿佐ヶ谷姉妹の蛙と蛇のユーモラスな語りと、はっきり言ってドタバタですよ。この明るさが好感されているんでしょう。トキを演じる高石はコメディエンヌとしても達者で、毎回楽しみです」(ドラマ制作会社プロデューサー)

 物語は第12週から「怪談編」が始まる。夜な夜なトキがヘブン先生(小泉八雲)に怪談を語って聞かせるのだが、そこで巻き起こる珍騒動と恋のさや当て……。まずはお楽しみに。

(コラムニスト・海原かみな)

エンタメ 新着一覧


「あんぱん」ヤムさんの恩返し…釜じいの台詞にホロリ。過去に何があったのか
 乾パン作りを断ったことで、朝田パンは陸軍に逆らったという噂が広がってしまう。釜次(吉田鋼太郎)は草吉(阿部サダヲ)に乾...
桧山珠美 2025-05-31 06:00 エンタメ
『バチェラー・ジャパン』シーズン6、私ならこう射止める! 尾﨑真衣、竹下理恵、鈴木光の「作戦より大切なこと」とは?
 尾﨑真衣さん、竹下理恵さん、鈴木光さんが『バチェラー・ジャパン』シーズン6の配信前に、6代目バチェラーとガールズたちの...
中村未来 2025-05-30 12:00 エンタメ
『波うららかに、めおと日和』瀧昌さまが最高です。本田響矢、目黒蓮、水上恒司を“軍服イケメン御三家”と呼ぶ
 瀧昌さまに夢中です。そうです、『波うららかに、めおと日和』(フジテレビ系)で芳根京子演じるヒロインなつ美の夫、あの瀧昌...
「あんぱん」名言集は寛先生からヤムさんへ…。相変わらずの登美子、“パンの数”は再婚の匂わせなの?
 嵩(北村匠海)はのぶ(今田美桜)に思いを告げられないまま、東京へ戻ることに。帰り際、嵩が朝田家の前を通りかかると、次郎...
桧山珠美 2025-05-28 12:40 エンタメ
「あんぱん」寛先生(竹野内豊)の戒名になるほど…人柄を表すようでGJだ
 寛(竹野内豊)が亡くなり、悲しみに暮れる柳井家。千代子(戸田菜穂)はのぶ(今田美桜)と弔問に来た羽多子(江口のりこ)を...
桧山珠美 2025-05-27 16:07 エンタメ
『べらぼう』瀬川(花の井)ロスに捧ぐ。小芝風花の“初々しい演技”が見れる初期5選「魔女の宅急便」も実は…
 NHK大河ドラマ第64作として2025年1月より放送中の『べらぼう ~蔦重栄華乃夢噺~』。毎回SNSなどでも話題になる...
zash 2025-05-25 06:00 エンタメ
春ドラマ、旧ジャニ出演の良作&ガッカリは? 道枝駿佑「キャスター」超えは“リアルさが圧巻”だったあの作品
 4月にスタートした2025年春ドラマも、ほとんどが中盤に差し掛かりました。  今回はその中でも、民放ゴールデン・...
こじらぶ 2025-05-24 06:00 エンタメ
「あんぱん」のぶの決断に寅子を思い出す…朝ドラヒロインから現代女性へのメッセージか?
 昭和14年12月、柳井家に嵩(北村匠海)から手紙が届く。卒業制作を最高傑作にすると力強く書かれた手紙に、うれしそうに笑...
桧山珠美 2025-05-23 17:45 エンタメ
バチェラー6、女性参加者14名が発表! 美ボディトレーナー、チアリーダー…推しメンは? 過去出演者「清楚系美人ばっか!」「センスありすぎ笑」
 6月5日より配信される『バチェラー・ジャパン』シーズン6。先日、6代目バチェラーとして久次米一輝氏が発表されましたが、...
中村未来 2025-05-23 10:32 エンタメ
「あんぱん」悲しい“神回” 。蘭子(河合優実)のあまりにもすごい慟哭と、のぶ(今田美桜)の涙
 豪(細田佳央太)の戦死の報せに、悲嘆する朝田家。皆が口々に「豪は立派だ」と言う中、押し黙る蘭子(河合優実)。深夜、線香...
桧山珠美 2025-05-21 14:29 エンタメ
ずっと迷走気味の犬飼貴丈、指原莉乃の家庭に入るのか? 推しアイドルとファンの結婚、共通点は…
 犬飼貴丈が話題です。ジュノン・スーパーボーイ・コンテストグランプリ受賞&『仮面ライダービルド」主演と、まさに王道をゆく...
「あんぱん」この見合い相手、あの朝ドラの“不倫男”じゃないか! ラスト2分にも衝撃…
 朝田家に上品な婦人(神野三鈴)が訪ねてくる。その婦人は、夫が結太郎(加瀬亮)にあるお願いをしていたと話す。後日、のぶ(...
桧山珠美 2025-05-20 18:05 エンタメ
「嵐」紆余曲折の26年を振り返る。意外なメンバー抜擢、売上苦戦…それでも幸せな時間を共有できるわけ
 5月6日、国民的グループである嵐が来春開催するツアーを経て、2026年5月いっぱいで活動終了することを発表した。嵐は2...
こじらぶ 2025-05-20 06:00 エンタメ
鈴木拡樹「40歳ってもっと貫禄のある年齢だと思ってた」30代からの変化と“大人”として目指すもの
 舞台『刀剣乱舞』シリーズの三日月宗近役などで知られる鈴木拡樹さんが、『髑髏城の七人 Season月≪下弦の月≫』以来、...
望月ふみ 2025-05-20 06:00 エンタメ
【37万再生】Snow Man、4人のわちゃわちゃが可愛い!「マリオカート ワールド」CM動画は必見です♡
 6月5日に発売される「Nintendo Switch2」と専用ソフト『マリオカート ワールド』。そのCMが5月15日に...
「あんぱん」“柳井嵩子”事件、ドロドロ展開を期待してごめん。黒井先生の凛とした姿は見事でした
 卒業が近づいてきたある日、のぶ(今田美桜)は黒井(瀧内公美)から手紙の差出人『柳井嵩子』が偽名なのではと指摘される。関...
桧山珠美 2025-05-17 06:00 エンタメ