おばさんは美容医療より「医療」に夢中。肩こり、首こり、腰痛…不具合だらけの私が辿り着いた救済策

小林久乃 コラムニスト・編集者
更新日:2025-12-10 11:45
投稿日:2025-12-10 11:45

中年は「いい病院」を知っているとモテると聞くし

 そして秋。どうにも肩凝り、首凝り、腰痛と中年らしい症状に悩まされていた。いくら更年期対策をしているとはいえ、すべての症状が改善されるようなドラッグ効果はない。今年のうちにすべてクリアしておこうと近所で評判の良かった「スポーツ外科」へ出向く。座業なので肩凝り、首凝り、腰痛は若いうちから「仕事のうちだ」と、ランチタイムにセットメニューのように考えていた。そのたびにリラクゼーションも兼ねて、鍼やマッサージに通い、数千円を課金してきた。ただ時間が経過すると、また不具合が復活してくるのでここはアプローチを西洋医学に切り替えて、根本から治療をしようと決めたのだ。結果、これが正解だったらしく、腰痛が改善傾向にある。やったね、私。

 続けて眼精疲労も不調の原因かもしれないと「眼科」へ。これも異常はなく、奇跡的に老眼鏡も必要なしと診断された。通院も7軒目になると不思議なもので、だんだんゲーム感覚になってくる。で、アレルギー性蕁麻疹の治療で「皮膚科」へ。そして先日「歯科医」でクリーニングを終えた。年内はスポーツ外科へリハビリに通い、婦人科で薬をもらってくる予定だ。結果的に2025年は9軒の病院へ通った。あと1軒行ったら10軒でキリが良さそうな気がしたけれど、さすがにもういい。ああ、今年の私はどれだけ医療費を使ったのだろうか。想像すると怖い。

 振り返ると40代半ばまでは、1ヶ月のルーティーンに通院が喰い込んでいなかった。毎月まつ毛エクステ、エステ、リラクゼーションマッサージ、ネイル、ヘッドスパ、美容院…と美容のために休日を使っていた。それが今ではすべてなくなり、代わりに通院が加わった2025年。みうらじゅんさんが言っていた「老いるショック」とはまさに今の私だ。

 まあ、年を取ると美味い飲食店を知っているよりは、評判の良い病院を知っているほうがモテると聞く。来年も医療情報の収集に頑張ろう。

小林久乃
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コラムニスト・編集者
出版社勤務後、独立。2019年「結婚してもしなくてもうるわしきかな人生」にてデビュー。最新刊はドラマオタクの知識を活かした「ベスト・オブ・平成ドラマ!」(青春出版社刊)。現在はエッセイ、コラムの執筆、各メディアの構成と編集、プロモーション業が主な仕事。正々堂々の独身。最新情報は公式HP

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