決勝迫る「M-1グランプリ」初出場4組の中でダークホースはこのコンビ【専門家解説】

更新日:2025-12-19 17:03
投稿日:2025-12-19 17:00

史上最多の1万1521組がエントリー

 12月21日に決勝戦が行われる、漫才日本一決定戦「M-1グランプリ2025」(テレビ朝日系)。

 2001年の開始以来、今年で21回目となるが、今では、高視聴率を叩き出す年末の一大コンテンツに成長。昨年は、令和ロマンが結成7年目、2年連続トップバッターにして、2年連続優勝という快挙を成し遂げた。

 今大会の出場者数は、昨年より1000組以上増え、史上最多の1万1521組。8月から開始された予選を経て、12月4日に行われた準決勝で決勝に進出するファイナリスト9組が決定している。その9組とは、以下の通り(あいうえお順)。

※カッコ内は所属事務所と決勝戦出場回数

エバース

(吉本興業/2年連続2度目)

豪快キャプテン

(吉本興業/初)

真空ジェシカ

(プロダクション人力舎/5年連続5度目)

たくろう

(吉本興業/初)

ドンデコルテ

(吉本興業/初)

ママタルト

(サンミュージックプロダクション/2年連続2度目)

めぞん

(吉本興業/初)

ヤーレンズ

(ケイダッシュステージ/3年連続3度目)

ヨネダ2000

(吉本興業/2022年以来2度目)

 この9組に、当日行われる「敗者復活戦」を勝ち抜いた1組を加えた合計10組が決勝戦で激突する。

 エバース、真空ジェシカ、ママタルト、ヤーレンズ、ヨネダ2000の決勝戦出場経験のある実力派5組に、豪快キャプテン、たくろう、ドンデコルテ、めぞんの初出場4組が挑むという図式である。お笑いプロダクション関係者はこう話す。

「決勝戦経験者は誰が優勝しても文句なしの実力派揃いです。しかし、ファーストステージの順番は、『笑神籤(えみくじ)』というくじ引きで決められるので、これに大きく左右される。それに挑む初出場の4組がどれだけ爪痕を残せるか、あるいは番狂せ的に、最終決戦までコマを進め、一気に栄冠を手にするかが見どころでしょう」

大会の“台風の目“になりそうなのは…

 それでは初出場の豪快キャプテン、たくろう、ドンデコルテ、めぞんの4組の中でダークホースとして、今大会の“台風の目”になりそうなのは、どの組か。お笑い評論家のラリー遠田氏はこう話した。

「個人的に注目しているのはドンデコルテです。ボケ担当の渡辺さんの力強いけどちょっと情けない哀愁のあるおじさんキャラが魅力的です。いかにも生真面目な中年男性という雰囲気の渡辺さんが、自信満々の口調で情けないことを堂々と語る漫才スタイルが斬新。準決勝でも圧倒的にウケていたので注目しています」

 確かに渡辺はキャラも立っていて、決勝進出会見では、決勝進出の感想を聞かれ「これでやっと人の実家を出られる」と、40歳にして同期の芸人・カゲヤマの益田の実家に10年近く居候させてもらっていると告白。優勝賞金1000万円を「ご実家の塀を立て直したい」と恩返しに使いたいと語ってウケていた。

 一方、お笑い研究家の鈴木旭氏は……。

「僕が注目してるのは豪快キャプテンですね。飄々とした広島弁のべーやんさんに対し、恰幅の良い関西弁の山下ギャンブルゴリラさんが怒涛のツッコミを見せる漫才が特徴。いま大阪の劇場で一番ウケていると評判の2人が、苦手意識のあった東京の観客を前に再度爆発を起こせるか。決勝当日が非常に楽しみです」

 豪快キャプテンは、同じく決勝進出会見で、念願の決勝進出について「うれしかったです!」とストレートに喜びを表明。周囲から「優勝候補」と言われ続けてきたものの、かつては敗者復活戦の投票で惨敗しているだけに気合十分だ。

 一方、準決勝では独特な空気感を漂わせ、かなり受けていたたくろうや、過去は3回戦止まりで、今回が初の準決勝・決勝進出となり勢いに乗るめぞんにも要注意だ。

 数あるお笑い賞レースの中で、最も注目度の高い大会に成長した「M-1グランプリ」。“漫才日本一”の称号を手にするのは果たして誰なのか。

  ◇  ◇  ◇

 2024年から25年にかけて騒がれた「オンラインカジノ問題」だが、初期にやり玉に上がった高比良くるまのその後は意外と順調なようだ。関連記事【もっと読む】「2億4000万円がパー」でも問題なし!「令和ロマン」高比良くるまが吉本興業を辞めても正解の理由…では、本人の意気軒昂ぶりについて伝えている。

エンタメ 新着一覧


春ドラマの評判を調査!『最後から二番目の恋』は令和の鬼渡?『あんぱん』『対岸の家事』の感想は
 2025年4月期も話題のドラマが続々スタート! 多すぎてどれを見るのか迷ってしまう…。そんな人のために忖度なしでドラマ...
「あんぱん」千尋(中沢元紀)は本当に良い子…史実どおりの展開なのか。しょくぱんまんのようなイケメンだ
 けんかした嵩(北村匠海)と千尋(中沢元紀)に、寛(竹野内豊)は改めて後継ぎはいらないと告げる。そして、何をしながら生き...
桧山珠美 2025-04-23 17:51 エンタメ
こうでなくちゃ! 志尊淳の正解を「恋は闇」で見た。いい人よりも“妖しい姿”に妄想が駆り立てられる
 新ドラマ「恋は闇」(日本テレビ系)の志尊淳が良きです。  前クールの「日本一の最低男 ※私の家族はニセモノだった...
「あんぱん」なんて贅沢!今が旬、河合優実の“目で語る”表現力と色気に驚く。俳優・ソニンのEE JUMP感を消した演技も見事
 なりたい夢を見つけたのぶ(今田美桜)は、女子師範学校合格に向けて猛勉強をし始めるが、成績が思わしくなく頭を抱える。同じ...
桧山珠美 2025-04-21 14:23 エンタメ
怪演・市原隼人に「ヤバい超大物」2人が熱烈ラブコール。迫真すぎる“ガンギマリ”の演技がモテる理由か
 大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』(NHK)にて、盲目の大富豪にしてゾクッとする異様な雰囲気を放つ鳥山検校を怪演...
堺屋大地 2025-04-21 06:00 エンタメ
ラランド・サーヤは「名誉男性」なのか? お笑い界の“女すぎる”という悪口に思うこと
 ラランド・サーヤが参加するバンド「礼賛」が大阪で行ったライブで、痴漢行為が発生。被害女性がSNSで被害を訴えたことで発...
帽子田 2025-04-20 06:00 エンタメ
「あんぱん」松嶋菜々子の“毒”さえチャーミングにする厄介な美しさ。ドキンちゃんにも見えてしまった
 8年間音沙汰のなかった登美子(松嶋菜々子)が突然帰ってくる。登美子に対してわだかまりが残ってはいるものの、自分の漫画を...
桧山珠美 2025-04-19 06:00 エンタメ
「あんぱん」登美子(松嶋菜々子)の登場が不穏…色っぽいけど。貴島中尉(市川知宏)は“あのキャラ”を意識?
 新聞社に出した漫画で賞金をもらい、ご機嫌の嵩(北村匠海)。一方のぶ(今田美桜)は、パン食い競走で転びそうになったところ...
桧山珠美 2025-04-17 16:02 エンタメ
カトパンへの嫌味に物議…新井恵理那は承認欲求のカタマリか、悪役を演じる聖人か?
 昨年3月、8年間出演して総合司会も務めていたテレビ朝日系の朝の情報番組『グッド!モーニング』を降板したフリーアナウンサ...
堺屋大地 2025-04-17 06:00 エンタメ
【募集】春ドラマ何見る? 面白かった&ガッカリを教えて!『最後から二番目の恋』『あんぱん』etc
 コクハクでは2025年春ドラマを対象としたアンケートを実施します。4月よりスタートした春ドラマ、「期待している」「面白...
笠松将、柳楽優弥を超えなければと思っていた。俳優業の“わからなさ”は「自分自身にビビッている感覚」『ガンニバル』シーズン2インタビュー
“この村では、人が喰われているらしい……”    2022年の年末にディズニープラス スターにて独占配信がスタートす...
望月ふみ 2025-04-15 06:00 エンタメ
「あんぱん」嵩(北村匠海)の“ジェラシー”がなんとも可愛い! 寛(竹野内豊)の診察シーンが見たかった
 昭和10年、高等女学校の5年生になったのぶ(今田美桜)は、ある日、貴島中尉(市川知宏)と再会。祭りのパン食い競走で使う...
桧山珠美 2025-04-14 19:03 エンタメ
15分の朝ドラで高揚感を得られるんだ! のぶ&嵩の“子役最終回”が見せた未来の夫婦関係
 久しぶりに登美子(松嶋菜々子)の顔を見て胸がいっぱいになる嵩(木村優来)だったが、登美子は困惑した表情を浮かべる。のぶ...
桧山珠美 2025-04-12 06:00 エンタメ
旧ジャニ会見から1年半、STARTO社の再興成否…CD売上と人権意識から考察、ファンは一体何を望む?
 2023年9月および10月、旧ジャニーズ事務所は創業者問題で2度記者会見を開いた。その後、同社所属タレントのテレビ・C...
こじらぶ 2025-04-12 06:00 エンタメ
「あんぱん」阿部サダヲの配合絶妙な演技。高知つながりで“しょくぱんまん”登場!
 元気のない家族のために力を貸してほしいというのぶ(永瀬ゆずな)の頼みに、草吉(阿部サダヲ)は1回きりの約束であんぱんを...
桧山珠美 2025-04-09 17:20 エンタメ