若手とは思えない存在感『下町ロケット』(2015年)
『仮面ライダードライブ』の放送終了後間もなく、竹内さんは日曜劇場『下町ロケット』に出演します。同作への出演がその後のキャリアを決定づけたと言っても過言ではないほど、当時、大きな話題となったのも記憶に新しいですね。
池井戸潤さんによる小説を原作とする同作は、ロケットエンジンを開発するという壮大な夢を叶えようと努力する男たちの姿を描いた感動作。竹内さんは、「ガウディ計画」のチームリーダーとなる立花洋介役に扮しました。
仮面ライダー時代と比べて、その演技にはさらに磨きがかかっており、初登場時から視聴者の脳裏に焼き付く鮮烈な印象を残しました。人間味あふれる演技の数々はリアルであり、人々の感情移入を引き起こす素晴らしいものでした。
とてもまだまだキャリアの浅い若手俳優だとは思えぬほどの貫禄ある存在感で、他の俳優たちとはモノが違うことが伝わってきたのを憶えています。
2018年放映の第2シリーズでも同役を続投し、3年の月日を経て、さらに成長。末恐ろしい俳優だなと感じたのは筆者だけではないはず。
応援したくなる熱演『陸王』(2017年)
『下町ロケット』での名演後、竹内さんは再び、池井戸ドラマで圧巻の演技を披露しました。足袋作りの老舗がランニングシューズ開発にすべてをかける、2017年放映の『陸王』にて、竹内さんはダイワ食品陸上部のランナーである茂木裕人役を好演。
学生時代にサッカーで培った脚力と運動神経を武器に説得力ある演技を魅せました。成功と挫折を繰り返しながらもひたすらに努力し続ける姿は、ドラマのストーリーと重なる部分であり、物語を動かしていく立ち位置。
視聴者は感情移入の対象として竹内さんを応援し続けたことでしょう。現に、その演技は『下町ロケット』時と同様に人間味あふれるものであり、視聴者の共感を呼びやすいものでした。
竹内さんは池井戸ドラマとの相性が非常に良く、もともと持っている共感を呼ぶ演技に、共演の大御所俳優たちから見て学んだ新たな要素を肉付けしていくことで、抜群の演技を引き出すことに成功している印象を受けます。
作品ごとに才能を伸ばしていけることはもはや才能の一つと言えて、そういった術を身につけている時点で、竹内さんは他の若手俳優とは一線を画す稀有な存在だと言えるでしょう。
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