社会人としての淫乱道を極める
「彼氏に浮気されて、めっちゃくちゃのめっためたの、ぐっちゃぐちゃになりたいんです」
こんなことを酔っ払って目の前にいる男性に言うっていうのは、「とりあえずビール」という言葉以上に「とりあえずセックスしましょうや」って言っているのと同じことです。据え膳食わぬは男の恥文化は今や西麻布では廃れつつある文化ですが、やはりまだ「そこに穴があるから」ということでヤレそうな女とはヤるという男性も絶滅危惧種ですが、存在します。
昨今の西麻布界隈では、年収が高くなればなるほど、据え膳拒否男子は増えているのです。草食男子でも肉食男子でもなく、美食男子ですね。しかし、今現在、わたしの目の前には先ほどトイレに連れ込んで亀頭にキスをした俳優Sもいるわけです。そして3人ともまだ理性は保ちつつも酔っ払っているという、もうこれはそっちがその気なら3Pで行くしかないよね、っていう腹を決めつつあらねばならない状況なわけです(バカ)。
力が拮抗している者どもが戦うときに、3者まんじりともせず、という状況がありますが、もう、まさにそれ。トライアングル、誰かが動くと一瞬で勝負決まるっていうやつです。もうここでわたしたちの誰かが「お会計!」って言ったら、一瞬で決まる局面です。3Pが。そんなときに、わたしだけ「あ、じゃあ、帰りまーす」みたいな、もう、そういう無作法するんなら最初っから、「めっちゃめちゃになりたいとか言うな」、「もうそもそも来るな」、「そもそも連絡してくんな」と思われるほど、社会人としての常識が疑われているわけです。
「帰りまーす」するなら、二度と誘ってもらえなくなることを覚悟した方がいい、それくらい女として気合い入れて、けじめもつけて、腹をくくらなければいけない状況なわけです。淫乱を気取るなら、淫乱の名に恥じないケツを自分で持て、ということなわけです。文字通り。それができないなら、頭も尻も隠しておけ、ということです。
一騎討ちから騎馬戦へ!!
とはいっても……。そもそもわたし、3Pなんかしたことないんですよね。「セックスは一対一の真剣勝負!」と常々申しておるわたしからすれば、大人のおもちゃを使ったことも1回くらいしかないんですよね。初めから終わりまで、流儀と美意識とプライドのせめぎ合いなわけですから、やはり戦い方はサムライ風の一対一なわけです。
名を名乗ってから刀を抜くところまで、相手の出方を伺う礼式的戦法なので、そりゃモンゴルの集団戦法にコテンパンにされますよね、歴史上は。「我こそは●●の流れをくむ子孫、●●の家臣で名は●●と申す!」みたいなことをのたまっている間にモンゴル帝国軍にやられて日本軍ビックリみたいなことは、1274年の文永の役で歴史が証明しています。
でも名を名乗っているときに、皆殺しにされたりモンゴル帝国軍に嘲笑されたりして日本軍が奮起して、モンゴル帝国軍を撤退させたジャパニーズフレキシビリティはわたしの中にも脈々と息づいています(多分)。やるしかない、そして「乗るしかないこのビッグウェーブに」(©BUTCHさん)。
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