81歳の男を好いて惚れて
【vol.1】
突然ですが、いまから男は何歳まで男なのか、男とはなにを持って男とするのか、81歳の男を好いて惚れて惚れ尽くして仕事まで辞めたわたしの話をしてみたいと思います。紀貫之的な感じで。
誰しもがお年寄りには優しく、と幼少時から両親からのみならず、町内会の標語、駅のポスター、そして寺や神社の掲示板(代表作は「雨の降る日は天気が悪い、親父ゃワシより歳が上」など)で教え諭されてきたことと思います。このような標語にあるように、全世界的常識としてお年寄りを大事にすることは古今東西、自明の理なのです。
倫理道徳の教材でもお年寄りを助ける子供の美談が随所に散りばめられていますし、少女漫画の世界では覚束ないお年寄りが噛ませ犬となって場を盛り上げ、少女の恋愛を成就させるのに一役買うことも多いわけです。しかしわたしは、古希(70歳)、喜寿(77歳)、傘寿(80歳)あたりの男性をいやらしい目で見ています。ナスティーに。青年期のみうらじゅんのように。
ということでやっと本題なのですが、老人性愛(ジェロントフィリア)という言葉をご存知でしょうか? テケトーに面白おかしく書いて怒られたくないので緻密にきちんとご説明させていただきますが、怒らない人は以下の404文字、面白くないのでスッコーンと読み飛ばしてください。この駄文コラムでは「老人愛」と表記します。
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ジェロントはギリシア語で老齢・老人を意味し、フィリアとは古代ギリシア語で古くはアリストテレスの文献に登場する単語です。単体で使われる際の広義には友愛ですが、接尾辞として“~フィリアとなる場合~に対する執着”、“性的倒錯”、“異常なる愛情”などのように使われています。誰を、そしてなにを愛するかという多様性を認め合うこの時代に、性的“倒錯”(正常の状態から逸している)というわけも時代に沿っていないような気もします。
ノーマルとアブノーマルなんて、実は自分がどちらにいるか曖昧なところはあるわけで、深さも幅も層もベクトルも幾重にもなって、四次元的なものじゃないですかね、違いますかねそうですか。フィストファックとかスワッピングが普通なカップルはそれがノーマルで、畢竟するに誰か(ホテルやハプニングバーの従業員など)に迷惑をかけなければいいのでは、と思ったりもするわけです。どの穴を使おうが個人の自由なわけだし。
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でもわたし、谷崎潤一郎の「痴人の愛」も「癇癪老人日記」も大好きなので、とりあえず今日のところは、爺さま大好き、くらいに理解してくださるといいかな、と思います(逃げた)。
ただペドフィリアなど、多様性では到底片付けられない凶悪な性的嗜好もあるのですが、ここでは犯罪レベルの性的嗜好の話はしていないので、気楽に、心を愛で満たして、シャンパンでもラッパ飲みしながら……愛こそすべて! ねっ☆ゴフッ(吹いた)。
「日本老年学会」にキュンキュウン
恋愛のことなので、かなりセクシュアルな描写がたびたび出てくると思います。お食事中の方もいらっしゃるとは思うのですが、できるだけリアルに想像していただければ食欲減退、ダイエットにもなるし一石二鳥的なコラムとなっております(悪意か)。もし不快感を感じられるような方がいらっしゃいましたら、ご連絡ください♥
いまふと思い立って昔書いたジェロントフィリアについての論文を調べていたら、日本老年学会というものがあるみたいで、この言葉にキュンキュウンしちゃいました。みなさまが“松潤”っていう言葉に感じるその胸の高鳴りをイメージしてもらえればほぼほぼ間違ってないかと思われます。ここ、入会したいな(ファンクラブと同じ心持ち)。
長々とつらつらと紀貫之的なしてみむとす的ノリで核心をつかないことで、せっかくここまで読んでいただいているのに、そろそろ離脱率が上がってくるのではと心配になってきましたが、48歳差の恋愛をいかにリアルに表現するか、まずはわたしの好奇心旺盛、ハードルは低い……どころか地中にめり込んでいる(ヤリマン☆スピリット)的背景をまずはお伝えしてからの方が話は早いかなと思って、急がば回れ。
次週(3/1更新予定)に続きます。
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