実母は一切介入しない
「妻も義母も、ふたことめには『父親になったんだから』って言うんですけど、それなら妻だって母親になったんだから、家庭のことは自分である程度、解決しろよって思います。
こっちは仕事もしていて、家計を担っている責任もある。『若いんだから、仕事も家庭もできるでしょ』と義母は言うけれど、仕事で疲れちゃって家に帰ったら休みたいってのが本音ですよ。
それなのに、仕事は仕事でやって、家庭のことは育児も含めて、妻と半分半分の負担にしろって言ってくる意味がわかりません」
たびたび口うるさく干渉してくる義母のことは「ぶっちゃけ、苦手」と口にするSさん。しかし娘も産まれた以上は、親族としてうまくやっていければと思ってはいたそうです。
「けど、最近は俺の母親にもギャーギャーと連絡をしているのが本気で不愉快です。ウチの母親は夫婦問題にはドライ。『結婚なんて、もともと他人同士がくっつく話なんだから、うまくいかなくて当たり前。第三者が入るよりも、当事者同士で折り合いをつけなさい』ってタイプです。
僕自身も母親の考えには賛同しているので、僕たち夫婦に母親が一切介入してこないことにはありがたいと思ってきました。ほら、世の中には嫁姑問題で苦労する人も多いですからね」
なぜ母親同士で話さなければならないのか
そして、ここ最近になって妻と義母が自分ではなく、母親に連絡をする頻度が増えていることに不満だというSさん。
「母親は、あっち親子のことを呆れて見ているので、どんな話を聞いても鵜呑みにはしないところは助かっていますが、深夜でも早朝でもお構いなしに電話をしてきて、2時間とか話し続けているみたいなので、はっきり言って迷惑行為ですよね。
母親には、妻や義母からの連絡はもう応じなくてもいいよって言っていますが、母親は『それだと、あちら親子がまた騒ぎそうだから、とりあえず話だけは聞くわよ』と言ってくれています」
本来は夫婦で解決するような話でも、もはやいちいち母親同士で話さないと気が済まなくなっている妻や義母に対し、Sさんは不快感をあらわにします。
「ぶっちゃけた話、こんなことがこれからもずっと続くなら、妻と夫婦でいる自信がなくなっています。結婚は家同士の繋がりもあるとは思いますが、夫婦喧嘩にいちいち親を巻き込むなんて、聞いたことないですよ。
もう、色々とバカバカしくなってきちゃっているので、僕は外で給料をもらってくる係に徹するから、家事はしないって妻にも宣言しました。育児は少しはやるつもりです。
これで妻が、自分のしていることや義母の言っていることのバカバカしさに気づいてくれないなら、離婚もやむをえないですね」
◇ ◇ ◇
恋人同士であれ、夫婦であれ、100%同じ価値観を有する男女は稀です。少しのすれ違いが、大きな溝に発展することも少なくないのが異性間における現実でしょう。まさにこれこそが、男女関係における醍醐味にもなれば致命傷にもなる“冷酷と激情”のはざまなのかもしれません。
ラブ 新着一覧