「東出さんが怖かった」と奈緒さん
同映画は作家・佐藤泰志氏の短編小説が原作で、心が病んだ夫(東出)が妻(奈緒)と2人で故郷・函館へ戻ってきて、旧友や街で出会った若者たちとの交流を通じ、平穏な日々を取り戻していくストーリー。東出さん演じる主人公は原作では独身ですが、5度目の映画化となる今作では既婚者という設定に。
妻役を演じた奈緒さんは「最初、東出さんが怖かったんです。全然悪い人じゃないんですけれども、自分自身のお芝居に対する不安がいろいろな不安に変わってしまったようで……。『そんなに怖いやつじゃないんだよ』って監督に言っていただいて、わたしも単純なので『ああそうなんだ』って」
と、撮影当初の東出さんの印象を語っていました。
監督が主演俳優に愛の公開告白!
撮影はほぼ順撮りで行われ、斎藤監督は「かつては仲の良かった夫婦の微妙な距離感が撮れた」と手応えのある様子で振り返ると、東出さんは「監督が奈緒さんに惚れていたのは分かりましたよ」と述懐。すると、首をかしげる監督からまさかの告白が飛び出したのです。
「それは嫉妬だよ。俺は東出に会えるのが楽しかった。毎日毎日、東出に会いたかったんだよ!」
「突然、怖いこと言わないでください!」と苦笑いする東出さん。監督が「役者・東出昌大」に惚れ込んでいることを象徴するような、実に微笑ましいやり取りが繰り広げられたのでした。
映画の見どころは…
フォトセッションでは、カメラマンから「笑顔もらえますか? ちょっと怖いから」と、表情に指摘をされ、笑みをこぼした東出さん。会見最後には「大河の流れを定点観測で撮っているような静かな映画ですが、その中に真価がある。感じ取って持ち帰ってください」と、見どころを語っていました。
続く奈緒さんも、「この時にしか撮れなかったもの、奇跡のような瞬間が詰まっています。大切な五感で感じていただけたら嬉しいです」。
芸術の秋、観る者の心を震わせる一本、映画館で味わってみてはいかがですか。
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