料金を払って鑑賞する価値があるどうか
テレビで日曜劇場や、「24時間テレビ」を無銭で視聴する“非アイドルファン”からすれば、二宮が妻帯者になったことは問題ではない。ただ、主演映画をお金を払って観るかどうかは、よぼど作品がキャッチーでなければ難しいだろう。
「24時間テレビ」も視聴率こそKing & Princeがメインパーソナリティーだった昨年より増加したが、募金額については3年ぶりに有観客となり有利な条件だったにもかかわらず、8月28日の放送終了時点で3億1819万4209円と発表されている。これは昨年の放送終了時点の4億2102万9826円から1億円以上も減ったことになる。
キンプリファンの後押し
昨年、King & Princeのメインパーソナリティー就任発表時には、彼らの熱心なファンから、「キンプリで視聴率を落とすわけにはいかない」という声と共に、「募金額でも先輩グループに負けられない」と団結する声が多くあがっていた。
視聴率はファンの力より広く国民に認知されているかに左右されるが、募金額は“お金を落とすファン”が直球で勝負できるところだ。今年と昨年の1億円の差すべてが“お金を落とすファン”パワーの差だとは思わないが、ある程度は反映されているだろう。
“推しメン”に疑似恋愛できる作品の強さ
ジャニーズ映画の興行収入については、前述の道枝主演の「今夜、世界からこの恋が消えても」が10億円を突破、同じく7月に公開された「Snow Man」岩本照(29)初主演映画「モエカレはオレンジ色」も同水準を狙える好調ぶりだという。
それぞれ福本莉子(21)、生見愛瑠(20)と今旬若手女優をヒロインに迎えたラブストーリーで、主演のジャニーズメンバーに疑似恋愛している熱心なファンが“お金を落とす”行動を取った結果だろう。
「とりあえず二宮起用」に感じる限界
「TANG タング」は二宮演じる無職のダメ男・春日井健と、記憶を無くした迷子のロボット・タングが出会い、大冒険の先に「人生の宝物」を見つける物語、と映画公式サイトに記されている。
なんだかどこかで聞いたことのあるようなストーリーで、実際の映画ファンの口コミでもそうした声が目立っている。これでは二宮がどんなに演技で奮闘しても、無銭のお茶の間層に響くことはないだろう。
「とりあえず嵐の二宮くんを使えばいい」というのは現状、有料の作品では簡単には通用しない。二宮の人々の心を震わすような演技力は、彼をアイドルとして見ない一般層すらも取り込むような題材と脚本によって引き立たされるのではないだろうか。
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