痛くないの? 床に頭を打ちつける子どもの主な理由と対処法

小阪有花 子どもの心スペシャリスト
更新日:2019-06-09 06:00
投稿日:2019-06-09 06:00
 保育園コンサルタントの小阪有花です。チャイルドカウンセラーのお仕事もさせてもらっている私のもとには、お子さんに関するさまざまなお悩みが寄せられます。たまに受ける相談が、2歳前後の子どもを持つお母さんから、「子どもが頭を何度も打ちつけることに悩んでいる」というもの。今回は、頭を打ちつける理由とその対処法をご紹介したいと思います

ゆらゆらと揺れるベビーラックと同じ効果?

 頭を床に打ちつける子どもはいます。保育園でもたびたび目にしてきました。痛くないのかな……もしかして発達に問題が……と心配されるお母さんもいるようです。

 結論から言うと、その心配はほぼないと言われています。

 落ち着きがない子どもでも、ゆらゆらと揺れるベビーラックは好きなもの。なかなか寝つけない子どもでも、ベビーラックで揺らされると眠りに落ちてしまうことは多いです。

 それほど、揺れるベビーラックは心地がいいものなのですが、実は、このベビーラックに揺られているのと同じくらいの効果が、頭を打ちつけることで得られているのだとか。

見た目と裏腹に気持ちを落ち着かせている

 頭を打ちつけるほか、体を前後に揺らす、頭をこすりつける、といった行為は、自分を慰める手段だといわれ、それらは、内耳(耳の一番奥の部分)を刺激していると言われています。

 頭をうちつける時は勢いもあり、音もすごくてビックリしますよね。痛くないの? と心配になりますが、痣(あざ)ができることがあっても、痛みを感じる前にやめる事はできるようです。

 眠い時や嫌なことがあった時にするケースがほとんどなので、その見え方とは裏腹に、気持ちを落ち着かせる効果があるのだと思います。

頭を床に打ちつける子どもへの対処法とは

 頭を打ちつけてしまう子どもは訴えたいことがあったり、心の安らぎを求めている場合があります。では、コミニケーション不足が原因かというと、一括りにそうだとも言えません。

 ただ、自己表現の仕方が泣いたり騒いだりではなく、頭を打ちつける方法に変わってしまっている場合もあります。ですので、かかわり方が悪いから、と不安にならなくて大丈夫です。

リズム感のある音楽や揺れる乗り物を使おう

 しかし、頭を打ちつける子どもを見て何もしないワケには……と悩んでしまいますよね。

 それでは、対処法を見ていきましょう。

・一定のリズムや音楽を聴かせてみる

 ひとつの方法としては、一定のリズム、または好きな音楽を聴かせるのが良いとされています。

 童謡のようなゆるやかな曲だけではなく、アップテンポでリズムがしっかりしてる曲の方が効果が見られる子どもいるようです。

 好きな音楽がかかると、ピクッと反応して止まるケースもありますし、メトロノームを置いておくと、頭を打ちつける勢いが和らぐといった話もあります。

・ロッキングチェアを遊び道具にする

 一定のリズムといえば、耳だけでなく、体感として取り入れる方法もあります。

 たとえば、木製のロッキングチェアや、座る場所がクッション素材のキャラクターチェア。腹ペコアオムシやアンパンマンなどのキャラクターものがあり、中には音楽か流れるものもあります。

 ゴム製では「ロディ」などが遊具にもなる&軽いため持ち運びにも便利です。それらに乗って揺れることで、内耳を刺激できるようなのでオススメ。

 しかし、こちらは強制的に乗せるのではなく、普段から遊びに取り入れるなどしていると、いざという時に、促してあげられると思います。

どこかに痛い場所は? 発達上の問題はない?

もしかしたら痛い場所があるのかも

 とにかく、頭を打ちつけても、オーバーリアクションはとらないようにしましょう。大人に構ってもらえると学んでしまうと、ますます悪化してしまいます。

 頭を打ちつけても意味がないよ、という意思表示はとても大切なんです。放っておいたらかわいそうと感じるかもしれませんが、習慣化されることを思えば、なるべくリアクションはとらず、早いうちに別の対処を考える方が大切です。

 私が保育園で受け持った子どもたちの中にも、頭を打ちつける子はいましたが、3歳後半にはすっかりなくなっていました。じきに収まっていくので、様子を見てみてください。

ほかに気になる点がある時は専門家に

 しかし、普段はしないのに急に頭を打ちつけ始めた! というのであれば、どこか痛い場所があって、頭を打ちつけることで誤魔化そうとしているなど、ほかの原因があるのかもしれません。

 また、耳の感染症や歯がはえる時の不快感から、和らげるための習慣として出てくる可能性もあるそうです。

 頭を打ちつけるほかにも何か気になる点がある場合は、小児科医に相談することも頭に入れておいてくださいね。

まとめ

 子どものことを考えると、頭を打ちつける姿はやっぱり心配になりますよね。なので、やめさせるよりは、代わりになるものを見つけて、うまく促すようにしていきましょう。

 子どももストレスなく、頭を打ちつける行為から卒業できれば、お母さんも安心できますよね。

小阪有花
記事一覧
子どもの心スペシャリスト
保育コンサルタント。アイドル時代の旧芸名は小阪由佳。「ミスマガジン2004」グランプリで芸能界デビュー。09年に引退後、保育園の先生を経て現職に。チャイルドカウンセラー、幼児食インストラクター、ベビーシッター、家族療法カウンセラーなどの資格を持つ。
XInstagram

関連キーワード

ライフスタイル 新着一覧


2026年の抱負は「ママ友への復讐です」私の“人に言えない”来年の目標6選!
「2026年はこんな年にしたい」と、すでに抱負や目標を持っている人もいるはず。ただ中には、人には言えない内容もあるでしょ...
早く会いたいニャン♡ “にゃんたま”君、ママをお店の前で待ってるの?
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
「お受験」界隈で赤っ恥!港区女性との会話が噛み合わない…庶民ママが後悔する“無知すぎた”一言
「みーちゃんも試験うけて高級なおりこうさん学校いくよ」――保育園年長の娘が突然の“お受験宣言”。庶民的な家庭に生まれ、高...
「大人を論破した!」子どもの困った“反抗期”エピソード6選。超理論に頭がイタイ…
 思春期の子どもが、何かにつけ反抗的な態度を取る「反抗期」。そういうものだと頭では理解していても、親にとってはつらいもの...
息子の手紙にホロリ…大掃除で“発見した”意外なもの5選。なのに夫が隠したカードで大喧嘩!
 これから年末の大掃除をしようとしている方! もしかしたら、見覚えのない謎アイテムやパートナーの隠し事を発見するかもしれ...
えぇ…「長男は4万円ね」義実家の“ヤバすぎ金銭感覚”LINE3つ。金ズルにされてない?
 年末年始やお盆の帰省シーズン。久々の再会を楽しみにしている人がいる一方、頭を抱えがちなのが帰省にかかる「お金問題」です...
しなやかな神の魅力…“にゃんたま”のヒミツはお手入れと恋のパワー♡
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
ゲッ…私が“老化を実感”した6つの瞬間。「顔が汚れてるよ」ってシミだから!
 アラフォーになると「歳をとったなぁ…」としみじみ感じる瞬間があるでしょう。 今回はそんな“老化を実感した話”をご紹介!...
時を戻したい~!2025年「最大に後悔してること」6選。父の最期に会いたかった…
 今回のテーマは“2025年の最大のやらかし、後悔”です。「もう1度2025年をやり直したい」と話す6人の女性に、なにを...
母の優しさが沁みる…今すぐ“帰省したくなる”LINE3選。父「犬が言ってたよ」って代弁させるのズルい!
 もうすぐ年末年始。まとまった休みを取れるけど、「帰省するつもりはない」なんて人もいるでしょう。でも、もし親からこんなL...
年末年始は孤独? いいえ、自由です! 独身の“羨ましい”過ごし方6選「レンタル彼氏とエンジョイします♡」
 長期休暇を一人で過ごす独身女性は寂しいに違いない…なんて偏見はもう時代遅れかも! 意外とハッピーな年末年始を迎える人も...
親の「老い」がツラい!帰省で実感した切ない瞬間9つ。オシャレな母の服装が部屋着に…
 年末年始、久しぶりに実家に帰省する人も多いでしょう。両親と久しぶりに対面し、変化にびっくりすることも。今回は帰省をした...
3COINSのデバイス、予想以上に使えるじゃん!メモパッドにタッチペン…3000円以下で3つも買えた♡
 コスパが良いだけだと正直ナメてた…。安いけど、 デバイス関係は使い勝手が悪いのではないかと。今回3COINSで買ったも...
あどけない“にゃんたま”にメロメロ♡ アイドル猫、一生推し続けます!
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
それ本気? 私たちの“ガラスの天井”体験談。「子どもがいたら無理でしょ」の言葉が悔しい
 女性初の総理誕生という歴史的なニュース。「ガラスの天井」が破られたのかと希望を持った女性もいる一方で、「いやいや、実際...
2025年、我が家の“衝撃”事件簿5連発! 隠し子騒動に反抗期の息子…もう勘弁して~
 2025年、あなたにとってどんな年だったでしょうか? 中には「大きな事件があった」なんて家庭もあるでしょう。今回はそん...