スズ子のナレ出世、股野のナレ求婚…感動のシーンを描いて欲しかった!

桧山珠美 TVコラムニスト
更新日:2023-11-01 15:37
投稿日:2023-11-01 15:35

NHK朝ドラ「ブギウギ」~第5週「ほんまの家族や」#23

 昭和12年、スズ子(趣里)が香川から戻ってきて3年。梅丸少女歌劇団は、秋山(伊原六花)のタップダンスとスズ子の歌を二本柱に、ますます人気を集めていた。しかし、スズ子は自身の現状に満足できていなかった。

 そんな時、スズ子はラジオから流れてくる茨田りつ子(菊地凛子)が歌う「別れのブルース」を聞き、感銘を受ける。

 ある日、大和礼子(蒼井優)と股野(森永悠希)が久しぶりに劇団を訪ねてくる。

【本日のツボ】

股野と礼子が結婚!

 ※※以下、ネタバレあります※※

 スズ子が香川で出生の秘密を知ってから早や3年。ツヤ(水川あさみ)にそのことを言ったのかどうか気になります。第一、約束したとはいえ、あの空気を読めない六郎(黒崎煌代)が黙っていられるとはとても思えません。

 ところが、ツヤが梅吉(柳葉敏郎)に、「スズ子が香川から帰ってからなんとなくギクシャクしている」と打ち明けていたことから察すると、どうやら、あのまま、言わなかったようです。

 ツヤの妹、タカ(西村亜矢子)あたりが手紙かなにかで香川での顛末を一筆書いてきてもよさそうなものですが……。

 口にせずとも察するのは、日頃からスズ子を本当の娘のように思う母親だから。血の繋がりなどは関係ないのかもしれません。

3年もギクシャク…?

 とはいえ、3年もの間、ギクシャクしていたとは聞き捨てなりません。できれば、その3年間をすっ飛ばすのではなく、ドラマとして描いて欲しかったような気もします。

 母娘の感動シーンになったと思うのにもったいない。

 一方、梅丸少女歌劇団に目を転じますと、この3年間で、スズ子は歌で注目され、秋山(伊原六花)のタップダンスとともに人気を集める存在になりました。

 これも、ナレ出世ではなく、トップスターに駆け上がる段階も、もっと丁寧に描いて欲しかったですね。

気になる“泣き落としプロポーズ”

 そして、そして。股野と礼子が結婚。礼子のお腹もふっくらし、来月、出産を控えているとか。

「股野の泣き落としのようなプロポーズにより、2人は結婚し、夫婦で踊りとピアノの教室を開いています」というナレーションでさらっと流されましたが、股野の“泣き落としプロポーズ”シーン。これも是非とも見たかったなあ、と。

 瞬く間に過ぎ去った3年の月日。あまり疾走されると脳内補完も大変です。

桧山珠美
記事一覧
TVコラムニスト
大阪府大阪市生まれ。出版社、編集プロダクションを経て、フリーライターに。現在はTVコラムニストとして、ラジオ・テレビを中心としたコラムを執筆。放送批評誌「GALAC」、日刊ゲンダイ「あれもこれも言わせて」などで連載中。

関連キーワード

エンタメ 新着一覧


“乙女”な風間俊介に熱視線! 大河のクールな“鶴屋さん”から一転、テレ東BLドラマの可憐な演技に反響続々
《やっぱ風間くんすごいな》なんてレビューもある。7月4日に始まったテレビ東京の深夜ドラマ「40までにしたい10のこと」(...
2025-07-16 18:08 エンタメ
「あんぱん」薪鉄子が持つ“小道具”の細かさに気づいた? すれ違いコントは見なかったことにします
 鉄子(戸田恵子)からの電話に出た東海林(津田健次郎)は、ひとり考え込んでいた。鉄子がそんなに怒っていたのかと、慌てて謝...
桧山珠美 2025-07-16 17:31 エンタメ
五木ひろし「デビュー60周年公演」急遽休演…昭和レジェンド歌手に求められる「働き方改革」
 歌手の五木ひろし(77)が慢性閉塞性肺疾患と気管支炎のため「デビュー60周年記念 五木ひろし特別公演 坂本冬美特別出演...
2025-07-16 17:03 エンタメ
遠野なぎこ“重い演技”の裏にあったもの…朝ドラ女優の確かな演技力でも抜けきれなかった哀しい生い立ち
 今から24年前のことである。熊井啓監督からのご指名で、新作映画「海は見ていた」の現場密着ルポを頼まれた。これは山本周五...
2025-07-16 17:03 エンタメ
『あんぱん』から消えた"イケメントリオ"の今後…「豪ちゃん」は冬に復活、「国民の弟」は民放ドラマへ
 NHK連続テレビ小説「あんぱん」は、放送開始から14週目の7月2日、ついに世帯視聴率が17.8%という最高記録に達した...
2025-07-16 17:03 エンタメ
坂上忍のパワハラ体質がまた公に…コンプラ違反で「一発アウト」になった国分太一との“境界線”とは
 坂上忍(58)の「ガチ説教」が話題だ。フジテレビ系「坂上どうぶつ王国」の2年前の打ち上げでのこと。King & Pri...
2025-07-16 17:03 エンタメ
當真あみ「ちはやふる-めぐり-」“令和の高校生のリアル”を巧みに表現
【碓井広義 テレビ 見るべきものは!!】  ドラマの続編が映画として製作されることは多い。9日に始まった當真あみ主演「...
2025-07-16 15:08 エンタメ
もはや『M-1』は芸人だけのものじゃない? 万博、地方創生…吉本が目指す“次のフェーズ”
 6月25日、漫才日本一決定戦『M-1グランプリ2025』(テレビ朝日系)の開催会見が東京・渋谷よしもと漫才劇場で開かれ...
“ラウール番宣発言”物議で波乱含みスタート…木村文乃「愛の、がっこう。」初回を見たドラマウオッチャーの期待度
 木村文乃(37)主演の連ドラ「愛の、がっこう。」(フジテレビ系=木曜夜10時)の第1話が7月10日に放送された。初回の...
2025-07-15 17:03 エンタメ
遠野なぎこが吐露していた「朝ドラ女優の重圧」 橋本環奈も黒島結菜も…キャリアのマイナスになるケースも
 遠野なぎこ(45)の自宅から、死後数日が経過した遺体が発見されてから間もなく2週間が経つが、いまだ身元は特定されていな...
2025-07-15 17:03 エンタメ
近藤真彦「ヤンチャでいたい」にギョーカイ震撼!田原俊彦をも凌駕する“リアル・ジャイアン”ハラスメント累々
 近藤真彦(60)が7月19日の誕生日を記念したコンサート「Birthday Live 2025」を12日都内で初日スタ...
2025-07-15 17:03 エンタメ
国分太一だけでない旧ジャニーズのモラル低下…乱交パーティーや大麻疑惑も葬り去られた過去
 解散の引き金を引いたのが“好青年キャラ”国分太一(50)という皮肉な結末を迎えたのが、人気グループ「TOKIO」。複数...
2025-07-15 17:03 エンタメ
令和ロマン・高比良くるまが“騒動”で得た「天下を獲る」ために必要な武器
 オンラインカジノ問題をめぐって活動を休止していた令和ロマンの高比良くるまさんが4月28日、約2か月ぶりに復帰しました。...
元TOKIO山口達也の長男は親の“逆七光”乗り越えLDHへ…男性アイドル「戦国時代」が本格化
 国分太一(50)のコンプライアンス違反による活動停止をきっかけに、TOKIOは解散したが、元メンバーの山口達也(53)...
2025-07-14 17:03 エンタメ
上戸彩が国民的美少女から国民的美女へ…「普段のボディーで出させていただいてます!」
 俳優の上戸彩(39)が10日、俳優デビュー25周年を記念した写真集「Midday Reverie」(宝島社)を発売し、...
2025-07-14 17:03 エンタメ
田原俊彦よ、「※ただしイケメンに限る」はもう通用しない。世のオジサンは彼の“勘違い”から学ぶべし
 6月15日放送の『爆笑問題の日曜サンデー』(TBSラジオ)にて、ゲスト出演した田原俊彦が、女性アナウンサーにセクハラを...
堺屋大地 2025-07-14 11:50 エンタメ