大人気「韓国ブーケ」とは? 卒業式に映える花束は「お花以上にラッピングが最重要項目」の巻

斑目茂美 開運花師
更新日:2025-02-19 06:00
投稿日:2025-02-19 06:00
「JKはラッピングが命だからね!」

 猫店長「さぶ」率いる我が愛すべき花屋のバイトスタッフで、めでたく大学進学が決まっているイケメン男子高校生の言葉でございます。

Z世代の「卒業花束」は何が大事?

 卒業式シーズンを前にして、自分も卒業生だというのに校内で「卒業サプライズ花束」の“営業”に余念のないバイト生の鏡のような彼。

 本人は現在フリーで、花束をもらう予定もプレゼントする予定もないようですが、自分が取ってきた注文のチェックは抜かりなく、仕入れや花束のまとめ方、ラッピングまで細かく厳しく指示が入ります。

 ただね、彼の思う花束は、昭和生まれで初老のワタクシとは若干のズレがあるようで…。今回は、「Z世代の花束は花の種類より色とラッピングがキモ」の解説です。

【読まれています】「金運を上げる玄関」って? お金持ち宅の“テクニック”も参考にした生花の選び方

韓国ブーケ、ドレープブーケ、ドレスブーケとは?

 SNSなどでは、チュールやラッピングペーパーを駆使したボリューム感のある花束をよく見かけます。幾重ものペーパーやチュールの色合わせは美しく、特別感を醸し出すボリュームも申し分ナシ。

 そんな花束は「韓国ブーケ」、はたまた「ドレープブーケ」「ドレスブーケ」などと呼ばれています。

 花束自体の量は正直そんなに多くはないのですが、チュールやペーパーをたっぷりと豪快に使うので、それなりに立派なブーケに変身。たとえ花1本でも、“ベルばら”マリー・アントワネットのドレス並みにお洋服(ラッピングペーパー)で着飾り、モーレツに可愛いのであります。

 そんな特別仕様の花束を流行に敏感な若者たちが見逃すわけはなく、当然彼らの心をわしづかみ。

 花よりペーパー、なんなら花の代わりのバルーンまで登場。全体のカラーコーディネイトやフォルム、ボリューム感が大事なので、花の代わりにバルーンを使った花束の形をした「花なし束」のご注文には、お花屋としては大変に複雑な心境でござんす…。

 多くのZ世代の若者は、近況や個人的な連絡などネットを駆使して広く公開をしています。とりわけよく使われているInstagramのストーリーズは暇ができればこまめにチェックし、友人の“今日”や“今”を知るのです。

 彼らは、卒業式の花束交換のシーンをより印象的にアップするため、時間をかけて妥協を許さない演出が施し、なかにはお花屋に何度も足を運んではとことん作戦を練り、若者とは思えんほど高額な軍資金で予算を組む方も珍しくありません。

 花の需要を確実に支えてくれるのは、3月は特にZ世代の方々なのかもしれませんな。

予算は?

 一人でたくさんの花束を購入し、彼氏・彼女だけでなく、先生や友人、部活の先輩・後輩同士でもお互いに贈り合うのが今の風潮です。

 そのシーンは感動的な音楽に載せてSNSで公開されます。花束の予算はピンキリですが、小さな花束であってもラッピングは「ドレスブーケ」が人気。お店にもよりますが、1000円くらいから上は天井ナシでいくらでも。

 美しい画のために彼らは値段でも妥協を許しませんが、ボリュームゾーンは2000円あたり。バルーンのドレスブーケは1万円超えするものまでありますが、映え優先で、まずまずの人気商品です。

Instagramのストーリーズを利用する意味は?

 美しい色合わせでタップリボリュームのドレスブーケを印象的な音楽に合わせた感動シーンを演出。それをあえて、24時間限定のストーリーズで流すその心は――。

 長い時間をかけて準備をするけれど、感動的な場面は自分たちにはこれからいくらでもあると信じ、履歴は残さない。

 刹那的であっても美しいものには妥協を許さないスタンスで生きる若者の「粋」みたいなものなんだろうなぁ。

 我が店のイケメン男子高校生や、花束の相談に毎日やってくるJKたちを見ていて驚きと感心を隠せない昭和生まれのオバちゃんでございます。

 たくさんの花々が卒業していく若者を美しく演出してくれますことを…遠いお空の向こうから応援しておりますよ~。

斑目茂美
記事一覧
開運花師
半導体エンジニアを経て花業界に転身。イベント・ホテルなどの装飾も手がける生花店を営む傍ら、コンテストで優勝・入賞を重ね、雑誌・新聞等に作品を発表する。神奈川各所にて花教室を開催。障害者支援も花で実践。悩ましくも素敵なお客様を「花」で幸せへと導く道先案内人。ブサかわ猫店長「さぶ」ともに奮闘中。Facebookやってます。

ライフスタイル 新着一覧


ありがたや~!モデル級“にゃんたま”から激レア3連複まで奇跡の9連発♡
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 2025年5月にご紹介したもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかし...
父の日のプレゼント、何を贈ればいい? 親が「本当に嬉しかったもの」をぶっちゃけ!
 父の日になにを贈ろうか悩んでいる人もいるでしょう。そんな方のために、今回は父目線の経験談をご紹介! 父の日の贈り物で1...
ホステス引退の理由、“年齢のせい”は意外と少ない? ダントツで多いのはやっぱり…
 行けば毎回、楽しく明るく、時には厳しく接客をしてくれるホステスのお姉さんたち。でもそのお姉さんたちも永遠に居てはくれま...
食事は私と“推し”のデートだ。男たちよ、どうでもいい愛の言葉より目の前の寿司を見ろ
 踊り子として全国各地の舞台に立つ新井見枝香さんの“こじらせ”エッセーです。いつでも、いついつまでも何かしら悩みは尽きな...
朝イチの奇跡! 国宝級の“たまたま”に感動。猫の完璧フォルムが美しい…
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
ヤバッ! 社会人の「失敗」エピソードが恥ずかしすぎ。カメラONのまま生着替え、上司に彼へのメール誤爆…
「仕事で取り返しのできないミスをしてしまった…」「職場でやらかしちゃって、もう出社したくない」と落ち込んでいる人はいませ...
マスク生活で惰性の肌ケア→顔イボ発症! “老人性”の言葉にショック。こりゃあかん…50代目前で決意したこと
 女性なら誰でも通る茨の道、更年期。今、まさに更年期障害進行形の小林久乃さんが、自らの身に起きた症状や、40代から始まっ...
女性事業者はとってもタフ! 微妙にズレてるおじさま役員との差よ…古い商店会の“これから”は?
 とうとう最終回、この10カ月、ポンコツ商店会話を長らく読んでいただきありがとうこざいました。  この商店会もポン...
大人に“ときめき”はいらない?『続・続・最後から二番目の恋』を見て感じた、私が中年恋愛に望むもの
 アラフィフ独女ライターとして日々を過ごす中で、「50代からの恋愛」って、いったいどういうものなんだろうと考えることがあ...
見るだけで幸福♡ 神々しい“神たま”から“にゃんたま”戦士まで元気いっぱい8連発!
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 2025年4月にご紹介したもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかし...
夫婦生活の頻度まで指示するか!? 義母の「妊娠アドバイス」がウザすぎる
 妊娠を望んでいてもなかなかできなかったり、タイミング的に妊娠を望んでいなかったり。あるいは、初めての妊娠で不安でいっぱ...
「ちょっと待ったー!」にゃんたちの恋のバトルを激写。勝利する“たまたま”は誰だ?
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
ボスママにまず相談ってなんでやねん! 理解できない暗黙の「ママ友」ルール
 ママ友界でよくある暗黙のルール。「集団の意見をまとめるため」など必要不可欠かつメリットとなるルールもありますが、中には...
過去から未来へ続く景色
 過去から未来へ続く景色。  それはいくつになっても目の前に広がっている。  そう信じて、今晩の自分に、お疲...
【動物&飼い主ほっこり漫画】第97回「筋肉質なヤンチャ坊主」
【連載第97回】  ベストセラー『ねことじいちゃん』の作者が描く話題作が、「コクハク」に登場! 「しっぽのお...
【女偏の漢字探し】「娘」の中に隠れた一文字は?(難易度★★☆☆☆)
 知っているようで意外と知らない「ことば」ってたくさんありますよね。「校閲婦人と学ぶ!意外と知らない女ことば」では、女性...