甘いひと時を過ごしたのち…
その後、2人はホテルの上階に行き、甘いひと時を過ごしたという。同期CAの夫を寝取った達成感に、咲子さんのプライドは大いに満たされた。
「私がシャワーを済ませ、彼がバスルームに入った直後、彼のビジネスバッグを開けて会社の名刺を取り出しました。名刺には、A商社の自動車部門の茂樹さんと記されています。
私はシーツが乱れたベッドを背景に、彼の名刺を片手に持ち、スマホで自撮りをしました。ついでにシャワー後、バスローブ姿で出てきた彼を無音アプリで撮影。そこで、はじめて自分の正体を明かしました。
――実は私、あなたの結婚式に出席したんですよ。
――えっ?
――A商社の自動車部門に勤める茂樹さんですよね?
――どうして…それを?
――あなたの奥さま、元CAだった菜々美さんでしょう? 彼女、私と同期だったんです。
こんなに簡単に浮気する男なんだ
ここまで告げると、茂樹さんは言葉を失ったまま、その場に立ち尽くしていました。
――は…初めから知っていたのか?
――ええ、存じていました。
――何が目的なんだ?
――別に…ただ、菜々美さんを一途に愛している茂樹さんも、こんなに簡単に浮気する男なんだと思うと、おかしくって。
私が笑い声をあげると、
――菜々美には黙っていてくれ。
そう懇願してきたんです。
――もちろん言いません。でも、スマホには証拠が残っていますから、変な真似はしないでくださいね。
最低な行為と知りながら
スマホを彼に向け、先ほど撮影した画像を見せたんです。
――君は…最低な女だな。
彼は悔しそうに、表情を歪めました。
――出会ったばかりの女と関係を持つ男も最低じゃないの。愛する妻子が上海で待っているのに。
――くそっ…!
――なかなか楽しいお遊びの時間だったわ。じゃあね」
私は薄笑みのまま部屋を後にしました。最後まで自分の名前は明かしません。他の女に属する男を奪った達成感、そして、自分がまだ『女』として通用する事実に、自信が湧いてきて心が晴れ晴れしましたね。いい気味です。
最低の行為と知りながらも、その後の私は次のターゲットを求めて、フライト後やオフの日、既婚の男性を漁り続けました」
次回に続く。
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