タレントファーストの優良事務所…その“副作用”は?
記者会見以降、事務所のメディア報道に対する力が弱くなっていることもあるが、特にSE社になってからは、所属タレントの恋愛、そして結婚について寛容になったことが大きく影響している。
かつての熱愛報道には、事務所が否定したり黙殺するケースが多かったが、今ではメンバー本人が肯定的なコメントを出したり、認める発言をすることもある。
さらに結婚へのハードルも低くなり、2024年の結婚数は計6人で、過去最多となった。この流れは今年に入っても変わっていない。
結婚・恋愛については本人の意思に大きく委ねられていると見られ、SE社として高い人権意識の表れでもあるだろう。その点では、タレントファーストの優良事務所になったとも言えそうだ。
ただし、それがファンにとっても良い事務所とは限らない。メンバーの結婚・恋愛の自由度の高さに失望し、ファンをやめてしまう人も多い。その結果は、CDシングル売上減という形で、如実に表れてしまう。
このタレントの人権重視の姿勢は、他社ボーイズグループとの競合以上に事務所再興への壁ともなるが、“変わる”必要がある事務所にとっては、このまま押し進めるべきなのだろう。
SE社の救世主的存在のSnow Man
そんな中でもSnow Manは、SE社の救世主的存在だろう。デビュー以来、創業者問題に関わらずミリオンヒットを連発し、オリコン調べのアーティスト総売上は右肩上がりで毎年1~2位を記録。今年リリースのベストアルバムも初の150万枚超えを果たしている。目黒蓮(28)を筆頭にメンバー個々の活動も活発で、冠番組「それSnow Manにやらせて下さい」(TBS系)も若年層に大人気。まさに覇権グループと呼べるだろう。
また、一部メンバーの熱愛報道でシングル売上を落としたSixTONESだが、松村北斗(29)は俳優業が絶好調であり、グループとしても初のゴールデン冠番組「Golden SixTONES」(日本テレビ系)が4月からスタートしている。大人気を博した「行列のできる相談所」の後継番組でもあり、成功すればあらためての大ブレイクもあるだろう。
timelesz、ジュニア再編に“期待の目”
新メンバー募集オーディションで社会現象となり、破竹の勢いのtimelesz(旧Sexy Zone)、人気ジュニアグループ再編を経ての次期デビュー候補であるACEes、KEY TO LIT、B&ZAIと、これからまだまだ伸びが期待できる要素も多い。
一方でそのジュニア再編は、一部メンバーやファンの気持ちに添ったものでは無かったとも言われている。また今年3月のKAT-TUN解散も、メンバーの意に反して、事務所主導で決まったのではないかと憶測を呼んでいる。
SE社が真の意味で再興を果たしたと言えるのは、人権意識と売上が両立できた時だろう。その日が来るまでSE社は、人権については信念を貫きつつ、グループのあり方などについてはファンの声も汲み上げ進んで欲しい。
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