SMAPの正統派エースを競った中居の幕引き
1月23日、元SMAPでタレントの中居正広(52)が、昨年末から報じられてきた女性トラブルにより引退を発表した。テレビ・ラジオを含む全6本のレギュラーは終了・降板となっていた。長い芸能生活で輝かしすぎる経歴を持ちながら、自身の公式有料サイトの文面での発表で、あまりにもあっという間の幕引きだと感じる。
散々語り尽くされているが、SMAPはデビューしてもしばらくは本業で芽が出ず、「夢がMORI MORI」(フジテレビ系)でキックベースをしたり、「愛ラブSMAP!」(テレビ東京系)でバスケットボールをしていた。当時それがアイドルの仕事なのか分からなかったが、彼らが明るく楽しく、一生懸命だということは伝わった。
1993年にドラマ「あすなろ白書」(フジ系)で木村拓哉(52)が爆発的に売れ、中居はバラエティーを中心に活躍し始めた。当時のことを後に中居は、木村とグループ内で正統派エースを争っていたつもりだったが、どうにもならないことを悟り、自分はバラエティーや司会で頑張ろうと決めた、というニュアンスのことを語っていた。
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“裏切り者”のレッテルを張られた木村
5人全員がブレイクし、SMAPは国民的グループとなり、30代、40代になっても超一線級であり続け、アイドルの常識を覆した。
中居の女性トラブルについては、報道が二転三転しており、何かを断定することは控えたい。とにかく中居は引退した。
一方で、若くして既婚者となりながら、ノースキャンダルを貫き、良き夫、良き父として家族思いの木村が評価を上げ続けている。
2016年のSMAP解散時は、独立した稲垣吾郎(51)、草彅剛(50)、香取慎吾(48)、3人に寄り添っていたとされた中居に対し、旧ジャニーズ事務所に残り“裏切り者”扱いされていた木村。
CM起用立ち消え、主演作の頓挫でも事務所に残った功績
23年、創業者問題で旧ジャニーズ事務所が消滅し、STARTO ENTERTAINMENT(以下、SE社)がマネジメント業務を引き継いだ。だが、所属タレントのメディア出演が難しくなり、人気後輩タレントが次々と独立。その中で木村は、自らのCMが何本立ち消えても、ドラマ・映画が頓挫しようとも、長男格として事務所に残り続けた。
それにより、SE社に留まったベテラン・中堅・若手タレントはたくさんいるだろう。今ではSE社としての立て直しが認められつつあり、人気グループ、タレント達は、かつてほどの事務所の威光が無い中でも躍動している。
木村自身も、ここ数年は主演ドラマ視聴率の低迷が指摘されてきたが、なんだかんだで世帯視聴率10%前後は取ってきた。昨年ブームを巻き起こした「不適切にもほどがある!」(TBS系)でも、全話平均世帯視聴率は7.4%だ。テレビだけが娯楽ではなくなった時代に、木村は堂々の結果を出し続けている。
木村の公式YouTubeも登録者数140万人を超えており(1月30日時点)、100万再生を連発している。彼の動画を見ていると、超大物でありながら、関係各所から市井の人まで、全方位への気遣いが凄い。
“主演”の呪縛から解かれた今後は…
昨年末公開の主演映画「グランメゾン・パリ」(配給:東宝、ソニー・ピクチャーズエンタテインメント)は、1カ月弱で興行収入31.2億円を突破する大ヒットに。主演俳優として復権したばかりか、11月21日に公開される山田洋次監督の映画「TOKYOタクシー」に、二番手で出演することも発表された。“主演”の呪縛から解かれ、52歳にしてなお、さらに活躍の場が広がっていきそうだ。
夕陽入りの画像は何度も投稿
中居の引退についてコメントを出した他の元SMAPメンバーに対し、沈黙を貫く木村。引退発表直後に、木村がインスタグラムのストーリーズで、愛犬と夕陽が重なる画像を投稿したため、SMAPの別れを歌った人気曲「オレンジ」と結び付けるファンもいた。だが、木村はインスタグラムで何度も夕陽が写る画像を投稿しているため、中居引退への関連性は不明なままだ。
高校の同級生で、Wデートしたこともあったと「SMAP×SMAP」(フジ系)で明かされている中居と木村。グループ時代から活躍の方向性を異にしつつ切磋琢磨してきたが、芸能活動38年目にして完全に別の道を行くことになった。
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