現役で戦い続ける「ザ・ぼんち」の姿
ザ・ぼんちは、1980年代の漫才ブームで人気を獲得し、発売したレコード「恋のぼんちシート」は売上80万枚超、武道館公演をした初の漫才師です。里見まさと師匠は当時から男前の扱いではありましたが、40代以下の多くの若い女性は、その活躍をリアルタイムで知る人はいないでしょう。一時はコンビ解散などもあり、ザ・ぼんちとしては第一線から退いた時期もありました。
2000年代からザ・ぼんちとしての活動を再開したのちは、大阪の笑いの殿堂・なんばグランド花月での出演のみならず、東京のルミネtheよしもとなど若手中堅が出演する舞台にも立っています。それだけでなく、2014年の『THE MANZAI 年間最強漫才師決定トーナメント!』にも出場。認定漫才師50組に選ばれるなど、精力的な活動を続けています。
ただ、コアなお笑いファン以外は「(THE SECONDで)はじめてネタを見た」という人も多いのではないでしょうか。しかもお二人とも今年73歳。若い女性にとっては、お父さん以上に、おじいちゃんと言えるべき存在です。
正直、筆者は昨年と今年の『ノックアウトステージ32→16』進出は、大御所ゆえの忖度だと思っていました。
しかし、今年はあれよあれよと勝ち上がり、審査員のコアなお笑いファンに絶大な人気を持つ金属バットを敗退寸前まで追い詰める爆笑漫才を披露した彼らに、忖度だと思い込んでいた自分を恥じたのは言うまでもありません。
そして、現役漫才師として戦い続ける姿に胸をうたれたのは事実です。例にもれず、里見まさと師匠に胸を焦がしてしまいました。
おじさんあるある「持論述べ」がないSNS
師匠にまずグッと感じたのは、その若々しさ。THE SECOND出場のどの漫才師よりも聞き取りやすいいい声、まっすぐな立ち姿は73歳という年齢が信じられないほどです。
Xもこまめに更新をしていますが、おじさんのSNSにありがちな、自慢や昔の話、時勢などの持論述べはほとんどなく、若手芸人も時折登場するなど、サービス精神も忘れません。そして、大御所芸人にもかかわらず、時折見える謙虚さも魅力です。
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