柄本佑が語る!<後>芝居も生き方も「3割の余白と逃げ道を」

内埜さくら 恋愛コラムニスト
更新日:2021-09-08 11:40
投稿日:2021-09-08 06:00

役者は仕上がりが想像できなくてもいい

 ――完成作を観た感想も教えていただきたいです。

 柄本 台本に書かれていた通りの世界観が繰り広げられていたので、監督は確信めいた気持ちで台本に落とし込んでいたんだという、戦略や手腕に感動しました。

 撮影中は演じている役者側には見えない部分であり、個人的には見えなくてもいいと考えています。できあがりが想像できないほうが、役者として演じる楽しみの1つにもなるので。数々のギミックが仕掛けられていていろいろな角度から撮影をされていたのですが、「なにかあるんだろうな」という程度でした。

 漫画と同じ角度でカメラに立てば、漫画と人間との映像の入れ替えがしやすいだろうと想像はしていましたが、作品を観て入れ替わりがとてもスムーズだったので、すでに監督は完成画を見据えながら撮っていたのだと、作品を観て初めて知りました。

「3割ぐらいの余白のある」生き方

 ――映画以外の質問も。別インタビューで「東京での服装で、100点で臨むのは違う気がする。70点ぐらいのお洒落、つまり等身大の自分がちょうどいい」と仰っていましたが。

 柄本 それは仕事に対しても、人としても非常に大切にしている考え方でもあります。以前、僕が20歳そこそこぐらいのとき、心の師匠としている石倉三郎さんに、「やり過ぎずに逃げ道を作るという生き方が粋だ」と教えていただいたんです。

 その言葉を自分なりに解釈して、3割ぐらいの余白というか逃げ道を作るよう意識しています。芝居にしても生き方にしても、ずっと大切にしている考え方です。

 ――勉強になります。最後に柄本さんが思う、作品の魅力についても教えてください。ツイッターで書かれていたフレーズを流用してもいいですか?

 柄本 「爽快快活健康的不倫ムービー」ですね。ぜひ、どんどん活用してください!(笑) この作品はたぶん、性別により感想がかなり変わってくると思いますが、まだ女性目線での意見をあまり聞くことができていないんです。

 ですが、佐和子がなにかを決断したときの女性の強さは、ご覧になる女性は勇気をもらえるというか、気分がスッキリすると思います。

 聞いたところによると、佐和子の最後の決断は、男性には怖く感じるらしいので(笑)、性別や世代を問わず観ていただきたいです。

 試写を鑑賞したところ、本気で漫画か現実なのかわからなくなり、スクリーンから目が離せませんでした。そしてタイトルの「先生」が誰なのかも気になり続け、あっという間に119分が経過。この作品、本当におもしろいです!

 ※9月10日(金)より新宿ピカデリー他全国公開

内埜さくら
記事一覧
恋愛コラムニスト
これまでのインタビュー人数は3500人以上。無料の恋愛相談は年間200人以上の男女が利用、リピーターも多い(現在休止中。準備中のため近日中にブログにて開始を告知予定)。恋愛コメンテーターとして「ZIP!」(日本テレビ系)、「スッキリ」(同)、「バラいろダンディ」(MX-TV)、「5時に夢中!」(同)などのテレビやラジオ、雑誌に多数出演。

URL: https://ameblo.jp/sakura-ment

関連キーワード

ライフスタイル 新着一覧


子育ては「完璧主義」だと詰む! SNSの“キラキラママ”に振り回されないためには?
 セックスレスやセルフプレジャー、夫婦の在り方をテーマにブログやコラムを執筆している豆木メイです。
小馬鹿にする人って実は…。隠された心理とメンタルを死守するための3つの対処法
 会話の節々で「私のことを小馬鹿にしてる…?」と感じるような言動をとってくる人、いますよね。今回は、他人を小馬鹿にする人...
「寝香水」って知ってる?【10月前半】調香師が睡眠の質を高めるアロマをタイプ別に解説
 少しずつ寒くなる季節の変わり目は、しっかり睡眠をとって自律神経を整えましょう。今回は、調香師ならではの裏ワザ【幸福感に...
秋の祭りを共に過ごす時間
 このひと時が宝物だなって気が付くのは、  まだまだ先の話。
老化、苦労、ボトックスとも無縁な御年50のハローキティちゃん
 踊り子として舞台に立ち、エッセイも書く新井見枝香さんの月イチ連載です。アラフォーいろいろあるけど、楽しいよ…!
見せ場もばっちりにゃん! プロレスごっこの“たまたま”が可愛すぎる~
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
ほっこり癒し漫画/第82回「ウシオの大変身」
【連載第82回】  ベストセラー『ねことじいちゃん』の作者が描く話題作が、「コクハク」に登場! 「しっぽのお...
「破瓜」って何歳? バージン喪失の意味もある!?
 知っているようで意外と知らない「ことば」ってたくさんありますよね。「女ことば」では、女性にまつわる漢字や熟語、表現、地...
昭和レトロぎゃふん!「ほの字のカレのため、がんばりマッスル」あえての昭和言葉がエモいLINE3選
 令和の今、昭和は遥か昔の時代に感じますよね。40代女性の皆さんは、必死に「昭和感」が出ないよう、細心の注意を払ってきた...
令和のコメ不足、その手があった!価格高騰の秋も使える我が家の対策6選
 新米シーズンに突入し、少し落ち着きを見せているものの、この夏みんなが気になって仕方なかったニュースといえば、令和の米騒...
刺さるわあ…親の“結婚しろ圧”LINE3選。OVER30が涙した「いつまでも元気でいられないから」
 30代半ばを超えると、親からの結婚に対する圧もより一層強くなってきますよね。  LINEに忍ばせた小さなプレッシャー...
自己顕示欲バンザイ! スナックママが教える「自分らしく生きる」ヒント
 みなさん、SNSとかで目立つ人は好きですか? 私はついこの間まで、正直めちゃくちゃ苦手でした。  でも先日、スナ...
東京のごちゃごちゃに疲れる…貸切コンパクトボートで“泡飲み”東京湾クルージングが当たりだった
 都会とは、長年いると何をしていいのか分からなくなる場所である。おいしいご飯もお酒も、どの街にいても味わえる。新しいスポ...
イイ男が大集合♡ 素敵“たまたま”がいっぱいで目の焦点が合わない~!
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
面倒な“かまってLINE”への返信うざ。寂しがり屋のド定番「寝てないアピ」は華麗にスルーがよろし
 いつも話題の中心にいたくて、寂しがりやな「かまってちゃん」。時々ならいいですが、LINEメッセージでもかまってアピール...
諦めないで!猫と共に送る安全な植物生活。花屋が実践する「3つの心得と6つの対策」
 植物は我々の心豊かな生活を送る癒しですが、残念ながら猫にとって有害なものはたくさんあります。  種類によっては中毒症...