81歳とは思えないピストン
【vol.6】
ベッドルームに投げ出されると「しゃぶれ」とわたしの両ひじをひろしの両膝で挟み込まれて(自分でも何いっているか分からない)、仰向けになっているわたしの口元にはひろしのペニスが眼前にそそり勃っています。
先ほどからの下から突き上げてくるような快感に無我夢中で頬張り、どんどん大きくなるそれを激しいディープスロートから、ペロペロと裏や亀頭を舐め回しながら涙目で「入れて……、入れて……、お願い」と懇願しつつ、わたしの喉元にはダラダラとよだれとカウパー腺液が流れ出します。
息継ぎをしようと口からペニスを離すと、そのタイミングを見計らっていたかのように突然挿れられ、81歳とは思えぬピストンが始まりました。
攻めからの、懇願からの、渇望からの、突然の快感でエビ反りになりながら、
「いや、だめぇ、そこ、は、だめです。んっ、あっ、やめてくださいぃっ」
そう叫びながらも、何度も打ちつけられるので声が枯れる始末。ひろしはピストンの最中も乳首を舌でもてあそびながら、クリトリスをピストンより早くまさぐっています。
そして、発狂に近い悲鳴のような喘ぎ声に暗闇でひろしがドヤ顔をしているのが見えたあと、絶頂のまま、意識が遠のいていきました。
熟睡しているひろしを横目に、向かった先はオフィス
目が覚めてここはどこ、わたしは誰状態に。なんとかお手洗いまでたどり着き、長々と放尿したあと、バスルームで顔を洗ってiPhoneを確認すると、深夜1時でした。
なんだかこの感じ。ああ、夏休みに小学校のプール開放日に行き、午後、カルピスを濃いめに作って飲んでいるような充足感に満ち溢れた気分。
熟睡しているひろしを横目に身支度を整え、向かった先はオフィス。だってまだ仕事終わってないんですもの……。会食の集合時間18時だったからさ……。ライターさんたちからの原稿を朝7時までに入稿しないと、編集長にリアルに殺されるマジで。
ということで、小汚いわたしは編集部に向かいました。ひろしの超絶技巧を彷彿とさせるアカ入れからの入稿原稿を整え怒涛の“シュトゥルム・ウント・ドラング入稿”が終わりを迎えそうなとき、隣でiPhoneのバイブレーション。
午前4時、ひろしからLINE電話がかかってきました。こんな時間になんだろうと思って電話に出たところ……。
ヤリマンとしてはセックス後にそそくさスタコラサッサで帰宅することは珍しくないのですが(むしろヤリマンの美学)、電話に出るなり、
「どこへ行ったんや! こんな夜中にどこへ行ったんや。何しとんねん」
「あ、ごめんなさい。仕事が残っていたので、編集部に帰ってきました(笑)」
「そんな仕事、やめてしまえ! アホか。こんな時間に仕事せんといかんくらい、お前の会社はヤバいんか! 今すぐ戻って来い!」
「あはは。そうかもしれません。なので、わたしがこれを終わらせないと帰れないんですよお」
午前4時「お前がおらんと寂しいんやけど」
セックス後にのらりくらりの余韻ゼロな女性に対して、初セックス後(ここから男性は下がっていくだけ/小悪魔ドルチェ寿司調べ)に執着度MAXのひろしが、
「お前がおらんと寂しいんやけど」
と、ここにきて、まさかのちょっと折れる系統男子に……! 途端に膣が締まってくるわたし。あの打ちつけを思い出すと、わたしだって今すぐ、穴た、もとい、あなたの元に戻ってまだまだしたいよう、という乙女心が超絶技巧の中で芽生えます。でも、命が惜しい。編集長にまだ殺されたくない。
「ごめんなさい。どうしてもこれを終わらせないとダメなんです」
「そうか。今夜は何してるんや」
聞き分けがいいのも年の功か。普通、「なんで来ないんや、俺のこと愛してないのか」とダダをこね、クソみたいなケンカになるのが若い男性の常ですが、さらっと切り替えが早い。さすが、年輪重ねた屋久杉だわ。セコイアにある世界一の巨木のような安心感があるわ。
「今夜ですか? 原稿を仕上げようと思って残業予定ですけど」
「一緒に肉喰うのはどうや。わしが焼くけ」
ストレート! 家に誘い込むのストレート! 断られたらそれまで感! 駆け引きゼロ! そんな男性が久しぶりのわたしは、
「はい~~うふふ」
って、今夜がとっても楽しみになっちゃいました。
次回、男性を悦ばせる喘ぎ言葉を研究してみたアハン(4/5更新予定)も是非……!
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