結婚10年目にして…運命の「彼女」との出会いでレズビアンに

蒼井凜花 官能作家・コラムニスト
更新日:2021-09-24 06:15
投稿日:2021-09-24 06:00
 今やLGBTを公言できる時代となった。海外では有名人も同性愛者のパートナーや配偶者がいることを公表し、日本でも徐々に「ありのままの性」を受け入れる世の中になりつつある。そんな中、レズビアンとしての愛と苦悩を語ってくれたのが、W子さん(41歳・パート主婦・子供なし)だ。待ち合わせ場所に現れた彼女は、サラサラのボブヘアに和風美人と言った顔立ち。ポロシャツに細身のパンツが似合う魅力あふれる女性だった。

夫とはお見合い結婚、子供を授かることはできず

――レズビアンの彼女との出会いのきっかけを教えて下さい。

「新宿二丁目――いわゆるゲイタウンのレズビアンバーです。私はもともと男性よりも女性が好きなので、独身時代からよく飲みに行っていたのですが、そこで出会ったのが、A美さん(42歳・アパレル勤務)だったんです。

 初めて見た時は「ロングヘアが似合う、彫りの深いエキゾチック美人」という印象で、けっこう一目惚れに近かったかも。
で、A美さんも独り客だったので、店主が気を利かせて、互いを自己紹介してくれたんです。そこで席を移動して隣同士なり、乾杯したのがきっかけですね。

 彼女はアパレル関係という仕事柄、とてもオシャレで、その日もグレーのシックなパンツスーツ、ゴールドの揺れるピアスが日に焼けた肌に似合っていて……真っ赤な口紅やネイルも、すごくカッコよかった」

――失礼ですが、既婚者であるW子さんは夫がいる身ですよね。バイセクシュアルという感じでしょうか?

「バイセクシュアルといえば、そうかもしれません。実は、男性ともお付き合いをしていた時期がありました。でも、なんとなく違和感があって……ただ、30歳になった時に『将来を見据えて、安定した生活が欲しい』と思い立ち、知人の紹介でお見合いをしたんです。

 交際を経て、1年後に結婚したのが今の夫です。9歳上の夫は、ルックスは並ですが、おっとりして優しくて……決め手になったのは、郊外に持ち家があり、経済的に不自由がなかったことが大きかったかな(笑)」

――続けて下さい。

「夫は実家住まいのため、義理の両親も一緒に暮らしていますが、二人ともいい人で……私にはもったいない家族でした。結婚したのが31歳だったので、すぐにでも子供が欲しかったのですが、なかなか授からなくて……。

 人工授精は5回、体外受精は2回トライしましたが、結局できずじまい。なので、夫婦で『子供を持つことはあきらめよう』と話し合い、義理の両親に打ち明けたんです。孫の顔が見せられず、申し訳ないと思ったのですが、両親は『子供がいなくとも、夫婦仲よく添いとげることが一番の幸せだよ』って、逆になぐさめてくれて……。私、嬉しくて……涙が出ました」

蒼井凜花
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官能作家・コラムニスト
CA、モデル、六本木のクラブママの経歴を持つ異色の官能作家。近著に「CA、モデル、六本木の高級クラブママを経た女流官能作家が教える、いつまでも魅力ある女性の秘密」(WAVE出版)、「女唇の伝言」(講談社文庫)。
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