蛇口から地酒…駅ナカに酒好きの天国あった 2023.1.31(火)

コクハク編集部
更新日:2023-01-31 06:00
投稿日:2023-01-31 06:00

ひとり飲みで「あんこう鍋」が食べられるなんて!

 席に座って目の前に置かれたメニューを眺めていると、フードもなかなか充実していることに気付きました。なんと茨城県の冬の味覚、あんこう鍋(1000円)まである!
 
 あんこう鍋って高級なお店で、数人からしか食べられないと思っていたので、1人前で気軽に食べられるのはうれしいです。鍋を待っている間のつまみ用に、あんきもポン酢(350円)も頼みました。

 グツグツと鍋が出来上がるまでの間、酒をちびちびと舐め、あんきもをつまみながら待つ。

 こんな至福の時間が駅の改札を出てすぐの場所で味わえるなんて! 水戸市民うらやましいぞっ! と思っていたら、何やらいい香りがしてきました。出来上がったようです。

 身は火を入れる前よりも少し小さくなってしまいましたが、弾力ある食感で噛みしめるほど味が出てくるのがあんこう。他の具と一緒にじっくり味わいます。

 鍋にもあんきもが一切れ入っていて、ほどよく甘めの味付けのスープをさらに濃厚な味にしていました。

心地よさの正体に気が付いた

 お腹が満たされたところで、2周目に行くためレジでコインを再び3枚購入。

 1杯目は近くにいた店員さんが「これすごく珍しいんです」と教えてくれた、貴醸酒(きじょうしゅ)にしました。仕込み水の一部に純米酒を使用して作ったお酒で、甘くて濃厚で食前酒に使われることが多いそうです。

 残りのぐいのみもお酒で満たして席に戻ると、ふと、あることに気付きました。

「なんか心地いいな」

 角打ちスタイルで、決して長居をするための空間ではないんですが、なんだかホッとするんです。

 たぶんですが、理由はこういうことかと。周囲のお客さんを見回してみると、おひとり様が結構います。おじさん世代もいれば、若めの男女、品のいいマダムもいます。

 それぞれがマイペースに目の前のお酒と料理を楽しんでいて、おそらくここにいる人たちは「日本酒が好き」というひとつの共通点でつながっている――。

 それがゆるい連帯感になって、この心地よさを醸しているのではないか? なんてことを、ほろ酔いの頭で考えたりしました。

気に入ったお酒をお土産に

 店内には物販エリアもあってお酒以外に茨城県の名産品などが売っています。

 爽酒タイプに分類されていた「稲里 大吟醸 風」(1800円)を買って帰ることにしました。名前の通り口の中でふわっと香る、爽やかな飲み口のお酒です。

「お気に召すものがあってよかったです」と店員さんに見送られて、リュックの中のボトルの重みを感じながら幸せな気分で帰りました。

 ◇  ◇  ◇

「駅飲み」の言葉のイメージを超えたお酒を楽しめる空間で、筆者はあんこう鍋を注文したこともあって1時間弱滞在しましたが、数杯だけ飲んでさっと引き上げる人もいたりと自由な感じでした。

 それぞれの楽しみ方ができる「いばらき地酒バー」は、酒好きの新たな聖地になりそうな予感。週末、ちょっと足を伸ばして訪れてみてはいかがでしょうか?

(編集M)

【いばらき地酒バー水戸】
access:JR水戸駅 みどりの窓口となり
営業時間:10~22時

コクハク編集部
記事一覧
コクハクの記事を日々更新するアラサー&アラフォー男女。XInstagram のフォローよろしくお願いします!

関連キーワード

ライフスタイル 新着一覧


これぞ「国宝ω」 “にゃんたま”に宿る聖なるパワー、みんなに届け~!
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
「あの人、闇ルートだよ」AD時代に聞いた芸能界のウラ事情。実力だけじゃ残れない“生々しい”駆け引き
 世間を揺るがす芸能界のさまざまな噂。ニュースとして報じられ、真実が明らかになることも増えました。現在は清浄化が行われて...
い、いらねえ! 謎の置物にチャイナ服…困った“ご当地土産”3選。「お土産何がいい」にはどう返すのが正解?
 友人やご近所さんからもらうお土産。もらって嬉しいものもある一方、「一体なんでこれを選んだの?」と思ってしまうような「い...
中年女の増えた「抜け毛」これも更年期のせい? いやしかし…美容師からの“言葉”に反省した秋
 女性なら誰でも通る茨の道、更年期。今、まさに更年期障害進行形の小林久乃さんが、自らの身に起きた症状や、40代から始まっ...
「私は親なんだから!」実母のワガママに限界…40代女性が心を守るために選んだ“思い切った決断”
 結婚をしてからも、実母との関係に悩む人は決して少なくないもの。「実の親子なのだから、分かり合えて当たり前」と思いがちで...
35歳すぎたら肌課金すべき? 美容部員が教える「正解スキンケア」。高級コスメとプチプラの“リアルな実力”
 35歳を過ぎてから、急激に容姿の衰えを感じるようになった筆者。SNSは数多のコスメ情報で溢れかえり、美容医療も治療法が...
ランチ6500円が普通だと…? 金銭感覚がおかしい衝撃LINE3選。240万稼いだってマジか
 あなたはどんな金銭感覚の持ち主に「おかしい」と感じるでしょうか? 金銭感覚の違いにより、相手との関係がこじれたり疎遠に...
「あの子、消されたらしいよ」“噂”が立った瞬間、表舞台には戻れない。芸能界に漂う“沈黙のルール”
 世間を揺るがす芸能界のさまざまな噂。ニュースとして報じられ、真実が明らかになることも増えました。  現在は清浄化...
仕事したくな~い! 連休明け、仕事中にこっそりやってる “現実逃避テク”7選。これでメンタル保ってます
 長い連休が終わった翌日の仕事…。朝からやる気が出ず、つい現実逃避したくなるものです。そんなとき、みんなはどんな方法で気...
もっと高く!ジャンピング“にゃんたま”を見よ。躍動感あふれる猫から目が離せない♡
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
親の介護、孤独死のニュースで実感…私が40代で「終活」を始めたリアルなきっかけ
「終活」というキーワードを聞いて、何歳から始めるものだと思いますか? 実は近年、特に健康に問題がなかったり、若年層であっ...
【動物&飼い主ほっこり漫画】第104回「夢でもいいからアエルトイイナ」
【連載第104回】  ベストセラー『ねことじいちゃん』の作者が描く話題作が、「コクハク」に登場! 「しっぽの...
【漢字探し】「梛(ナギ)」の中に隠れた一文字は?(難易度★★★☆☆)
 知っているようで意外と知らない「ことば」ってたくさんありますよね。「校閲婦人と学ぶ!意外と知らない女ことば」では、女性...
誕生日にめちゃ嬉しい♡ 斬新な“たんおめLINE”3選。「宝探し開始!」お茶目な姉の仕込みにキュン
 大切な親友や気になっている人など、あなたにとって特別な相手へ“誕生日おめでとう=たんおめLINE”を送るときは一工夫す...
スマホ社会にゾゾッ…。65歳童貞、アナログ人間に世間は厳しい? 僕が“鉛筆”にこだわる壮大な理由
 コミックや書籍など数々の表紙デザインを手がけてきた元・装丁デザイナーの山口明さん(65)。多忙な現役時代を経て、56歳...
「息子の結婚相手はこんな人がいい!」8人の姑が“理想の嫁像”とリアルな本音をガチ告白
「息子の結婚相手はこんな人がいい」という理想の女性像を、姑の立場になる方たちに語ってもらいました。結婚を決めるのは本人た...