DV被害女性が自立するためのシェルター兼シェアハウスを見学

内藤みか 作家
更新日:2023-03-23 06:00
投稿日:2023-03-23 06:00

女性専用のシェルター兼シェアハウス

 2022年12月に山梨県富士吉田市にオープンした「星の虹」は女性専用のシェルター兼シェアハウス。管理人は二星星(にぼしぼし)さんです。

 彼女は、漫画『ダメ彼を訴えます!! ~殴られたので裁判しました~』(ぶんか社・刊)の作者で、タイトルの通り、同棲中の恋人に殴られ、鼻骨が折れたという壮絶な経験の持ち主です。

 DVを受け泣き寝入りする女性が多い中、彼女がすごいのは漫画の描き方を学んで出版し、顔出ししてDV啓発の講演活動までしているところです。

 ついにはDV被害者への支援制度が足りないと感じて、自らシェアハウスまで立ち上げました。

自ら移住し、仕事相談も

 河口湖を過ぎてしばらく行ったところにある、大きな富士山が見下ろす、空気がおいしい一軒家。

 5つある畳敷きの個室は、リラックスして過ごせそうな昭和風のどこか懐かしいつくりで癒されます。二星星さんはこの地の空き家の活用プランとしてシェアハウス運営を思いつき、自ら移住し、開業しました。

 シェルターと違うところは、Wi-Fiが使えて居住日数に制限をつけないこと。家賃が必要ですが、“居たいだけ居ていい”のはありがたいシステムです。もし払えない時は地域の仕事を紹介するなど、自立への支援も一緒に考えていく、至れり尽くせりぶりです。

 また、地域の方々もシェアハウスを理解し、見守ってくれているのです。

「隠れるのではなく、開かれたシェアハウスを目指したい」という彼女の考えに共鳴し、各地から生活必需品などの寄贈もあるそうです。

相談することが第一歩

 相談やお試し一泊も受け付けていったところ、開業当初から問い合わせが相次ぎ、現在は空きがあと3部屋(2023年3月20日時点)。二星星さん自身が被害に遭った当事者だからこその手厚いフォローが人気の理由なのでしょう。

 そして二星星さんが気にかけているのは「逃げる勇気がない」と言う女性たちの存在です。

 子どもを連れて、経済的に自立できるように頑張るのは並大抵のことではありません。けれど、「まず信頼できる人に相談することから、自立の第一歩が始まる」と二星星さんは考えています。

不安からの脱出を

 確かに、自分ひとりの収入で生きていかなくてはならなくなるので、パートナーと離れて経済的な打撃を受ける人もいるでしょう。けれど、怯えながら暮らすよりは、たとえ貧しくなっても自由に生きるほうがずっと自分らしくいられるはずなのです。

 今後は二軒目のシェアハウスを作ることも考えてみたいと語る、二星星さん。

「なぜ泣き寝入りしなくちゃいけないの?」と疑問を感じ、被害に遭った翌日から行動を開始した彼女なりの挑戦に、今後も注目です。

内藤みか
記事一覧
作家
著書80冊以上。大学時代に作家デビューし、一貫して年下男性との恋愛小説を書き綴る。ケータイ小説でも話題に。近年は電子媒体を中心に活動。著書に「あなたに抱かれたいだけなのに」など。イケメン評論家として、ホストや出張ホストなどにも詳しい。
XInstagram

関連キーワード

ラブ 新着一覧


「昔からの友達を好きになった…」彼女に昇格できる?気になる男性の本音
 異性としてまったく意識していなかった男友達を好きになったら、あなたはどうしますか? 「今の関係が壊れてしまうかも……」...
恋バナ調査隊 2023-11-21 06:00 ラブ
あーじれったい!くっつけたい2人のキューピッドになる手順や成功のコツ
 どう考えてもお互いに好意があっていい感じなのに、なぜか一向に付き合わない男女がいると、もどかしくなりますよね。くっつけ...
恋バナ調査隊 2023-11-20 06:00 ラブ
「いっそ嫌いになれたら楽なのに…」好きと言えない関係に悩む女性たち
 好きな彼と特別な関係になれないとしても、相手に「好き」と伝えられる恋はまだマシかもしれません。世の中には、自分の気持ち...
恋バナ調査隊 2023-11-20 06:00 ラブ
社内不倫デートの誘いは第1~第3会議室の暗号で…ムフフ♡お誘いLINE
 好きな彼からくる夜のお誘いLINE。それまでの空気が一変して、ラブラブな甘いムードに包まれますよね。今回はそんなドキド...
恋バナ調査隊 2023-11-19 06:00 ラブ
「ダメ妻がご迷惑かけまくって…」自称・リーダー気質50代夫の結婚懺悔
「冷酷と激情のあいだvol.169〜女性編〜」では、モラハラが激しい11歳年上の夫に対して悩む妻・麻子さん(44歳・仮名...
並木まき 2023-11-18 06:00 ラブ
新婚早々モラハラ夫に豹変!悪者扱いされ、離婚も拒まれる44歳妻の孤独
 男女の関係では、交際相手や配偶者の態度に悩む人も少なくありません。愛し合っている男女間でも、価値観や物事の判断には個人...
並木まき 2023-11-18 06:00 ラブ
ハライチ岩井が19歳タレントと電撃婚 娘や姪が10代で結婚したがったら
 お笑いコンビ「ハライチ」の岩井勇気(37)が13日、18歳下のタレント・奥森皐月(19)との結婚を所属事務所を通じて発...
「女として見れない」発言にショック、引き下がる前に5つの改善策を
 好意を抱いている男性から「女として見れない」と言われたら、誰だってショックですよね。  好かれようと必死に努力してい...
恋バナ調査隊 2023-11-17 06:00 ラブ
“ささっと和食”が感動級だった!アラフォー女性を好きになった男性の告白
 アラフォーになって女性としての自信を失くしてしまっている人もいるのではないでしょうか? 「年齢的に私なんか需要ない...
恋バナ調査隊 2023-11-17 06:00 ラブ
今話題のセカンドパートナー 不倫とどこが違うの?
 ユーチューバーが発言したこともあり、近ごろ話題の「セカンドパートナー」。どういう関係なのか、不倫とは何が違うのかを調べ...
内藤みか 2023-11-16 06:00 ラブ
やっぱり「セフレから付き合う恋」ってなし?男性の本音と彼女昇格のコツ
 セフレの男性に恋をした時、「彼女になりたいけど、セフレから付き合うのは絶対に無理……」と感じてしまいますよね。でも、実...
恋バナ調査隊 2023-11-16 06:00 ラブ
時代遅れな夫「そこまで太ったらおばさん」って…ドン引きルッキズム発言
 ジェンダーレスや多種多様なありのままの生き方、姿が尊重される時代です。  にも関わらず、未だに古い時代の価値観を引き...
恋バナ調査隊 2023-11-16 06:00 ラブ
男性が一緒にいたい女性とは? 今すぐできる魔法の共感テク
「ずっと一緒にいたい」って、好きな人に言われてみたくないですか?  仲良さそうなカップルを見かけて、「どうやった...
若林杏樹 2023-11-15 06:00 ラブ
夫に結婚記念日を忘れられた!可愛いor笑えない、どっちの仕返しを選ぶ
 記念日を大切にする女性が多いのに対して、男性は記念日を忘れがち。それでも一番大切な結婚記念日だけは覚えておいてほしいで...
恋バナ調査隊 2023-11-15 06:00 ラブ
私の親は共依存夫婦だったのかも…結婚後も自立にこだわる理由を考えた
 セックスレスや婚外恋愛、セルフプレジャーをテーマにブログやコラムを執筆しているまめです。  つい最近、自分の親に...
豆木メイ 2023-11-14 06:00 ラブ
年収だけがネックじゃなかった…「格差婚」の種類&よくあるトラブル5つ
 格差婚と聞くと、年収に格差があるペアの結婚を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。でも、内面や価値観などが極端に異...
恋バナ調査隊 2023-11-14 06:00 ラブ