「らんまん」初回のツボ~神木くんと万太郎が“坊”で繋がった

桧山珠美 TVコラムニスト
更新日:2023-04-03 15:50
投稿日:2023-04-03 15:50

NHK朝ドラ「らんまん」~第1週「バイカオウレン」#1

 NHK朝ドラ「らんまん」が4月3日、スタートしました。朝ドラといえば、ヒロインが誰かというのが話題になりますが、今回の主人公は男性で神木隆之介(29)が演じます。

 とはいえ、本格的な登場はもう少し先のこと。幼少期を演じる森優理斗くんは神木くんの子役時代を彷彿させるような男の子で、つかみはOK! というところでしょうか。

 ちなみに森くんは昨年の大河ドラマ「鎌倉殿の13人」で、北条泰時(坂口健太郎)の幼少期(幼名・金剛)を演じていました。坂口健太郎といい、神木くんといい、色白優男の子役にぴったり。品の良さも感じます。

 ところで、高知の女性を称して「はちきん」などと言います。威勢がよく、気が強くて男勝りの女性のことで、有名なのは坂本龍馬の姉・乙女さん。福山雅治主演大河ドラマ「龍馬伝」では寺島しのぶが演じていました。

 松坂慶子演じる万太郎の祖母タキは、まさに「はちきん」。同じく、万太郎の姉・綾(子役・太田結乃/佐久間由衣)も「はちきん」で、元気で威勢のいい女性を見られるのは楽しみ。

 一方、心配なのは病弱な母・ヒサ(広末涼子)。高知出身の広末のネイティブ高知弁がいつまで聞けるのか。始まってすぐに退場では寂し過ぎる。

【本日のツボ】「ん…坊?」

 万太郎を見掛けた番頭の息子・竹雄(井上涼太)の台詞。坊といえばジブリ映画「千と千尋の神隠し」。赤ちゃん「坊」の声を演じていたのは8歳の時の神木くんでした。神木くんと万太郎が「坊」で繋がった一コマでした。

  ◇  ◇  ◇

第1週「バイカオウレン」4月3日放送

~あらすじ~
 慶應3年(1867)土佐・佐川村。造り酒屋「峰屋」の跡取り息子として生まれた万太郎(森優理斗)は草花を愛する男の子。生まれつき体が弱くすぐに熱を出してしまう。造り酒屋にとって、重要な「甑(こしき)倒し」(その年の仕込みを無事に終えたことを祝う宴)の日、万太郎は走って熱を出してしまう。そんな万太郎のことを分家の豊治(菅原大吉)と紀平(清水伸)が、「万太郎はいっそ生まれてこないほうがよかった」と陰口を叩き、それを聞いてしまった万太郎は深く傷つく……。

23年度前期NHK連続テレビ小説「らんまん」

 高知出身、“日本の植物学の父”と言われた植物学者・牧野富太郎をモデルにした本作、脚本は「流行感冒」「旅屋おかえり」(いずれもNHK)を手がけた長田育恵のオリジナル。主人公・槙野万太郎を演じるのは神木隆之介、その妻・寿恵子を浜辺美波が演じる。

 語り:宮崎あおい/主題歌:あいみょん「愛の花」

桧山珠美
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TVコラムニスト
大阪府大阪市生まれ。出版社、編集プロダクションを経て、フリーライターに。現在はTVコラムニストとして、ラジオ・テレビを中心としたコラムを執筆。読売新聞「アンテナ」、放送批評誌「GALAC」、日刊ゲンダイ「あれもこれも言わせて」などで連載中。

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