おもちゃを使ってくれない妻こそ無駄遣い
いや、僕だってそんなことをいちいち口には出しませんけど、妻の態度に変化があれば、僕だってバカじゃないんだから気付きますよ。
新しいおもちゃを買っても、絵美が使ってくれないからガッカリしますし、それこそ無駄遣い。無駄遣いをしているのは僕じゃなくて、せっかく僕が買ってきたおもちゃを使わない絵美だと思っています」
本当は一緒に楽しんでもらいたいのに、日増しに自分への嫌悪感をあらわにする妻に対して、どう接するべきか悩んでいると話すサトルさん。このままでは夫婦の危機に発展しかねないかもしれないという一抹の不安はあるそうです。
悪いことをしているわけじゃない!
「絵美が最近、『離婚』って言葉を頻繁に出すようになったのは気になりますね。まだ本気ではなさそうな気がしていますけど、昔は喧嘩をしても離婚なんて言わなかったのに、最近ではしょっちゅう妻の口から飛び出しています。
まぁでも、僕は離婚する気はないので妻が言っても無視するだけですけどね。本当に離婚したいなら、それなりの理由が必要だと思うし、そんなに僕がイヤなら実家にでも帰って僕と別居すればいいじゃないですか。
でも絵美は普通に同じ家で暮らしていますし、僕から見ると離婚は脅し文句にしか聞こえないですよ。
もちろん、そんな脅しには負けないですよ! だって僕は悪いことをしているわけではないですからね。
でもなぁ、こういう状況がずっと続いてしまったら、夫婦の危機はどんどん深刻になりますよね。そうなったら離婚しかないのかなぁ。
まぁ、それはそのときに考えればいいですよね、今考えたって、夫婦仲が良くなるわけでもないし」
◇ ◇ ◇
恋人同士であれ、夫婦であれ、100%同じ価値観を有する男女は稀です。ましてや交際前の男女となれば、なおのことです。少しのすれ違いが、大きな溝に発展することも少なくないのが異性間における現実でしょう。
まさにこれこそが、男女関係における醍醐味にもなれば致命傷にもなる“冷酷と激情”のはざまなのかもしれません。
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