「二度とそばを離れん!」神木隆之介&志尊淳は私生活でも“ラブラブ”

桧山珠美 TVコラムニスト
更新日:2023-04-21 16:30
投稿日:2023-04-21 16:30

NHK朝ドラ「らんまん」~第3週「ジョウロウホトトギス」#15

 東京で幼少の頃から憧れていた植物学者の野田基善(田辺誠一)と里中芳生(いとうせいこう)と面談し、ますます植物の研究にのめり込みそうな勢いの万太郎(神木隆之介)。植物に関する本を大量に買い込み、高価な顕微鏡を欲しがる。

「大奥様に決して無駄遣いをせんよう厳しい言われちょります」と窘(たしな)められるも、「無駄遣いじゃないき。植物学をやるにはこの顕微鏡が必要ながじゃ。頼む、買うてくれ」と。

 キラキラ目で言われて結局買ってしまう竹雄ですが、「草のことはどだい無理ながです」「若が峰屋を放り出したら、わしらはどうしたらええがですか。若はわしらを捨てるがですか」と万太郎に釘をさす。

 東京滞在最後の日、「牛鍋」を食べる2人。初めての牛肉に感動。文明開化の音は聞こえたのでしょうか。

当主の自覚ちらり?

 心残りは、博覧会場で出会った寿恵子(浜辺美波)のこと。もう一度会いたいと行ってみるが、そこに彼女の姿はなく、夜に再び訪れ、再会できました。とはいえ、自分は明日、国に帰る身。恋心を伝えなかったのは、竹雄に釘を刺され、当主としての自覚が少し芽生えたからかもしれません。

【本日のツボ】

「子どもの頃、わしが二度とそばを離れんと誓うたがは、あんただからやき!」(竹雄の台詞)

 牛鍋屋から出ると万太郎の姿が見えず捜しまわる竹雄。子どもの頃、綾と2人で万太郎を探していた姿がオーバラップします。ほんのいたずら心で隠れていた万太郎、竹雄の心配もよそに、「た・け・お」とひょいと出てきます。

「ふざけんといてください! 人を心配させてそんなに楽しいがか」とキレる竹雄。そして、「困っちゅうがですき。わしやち。わしは峰屋の番頭の息子。わしがお仕えしゆうがは峰屋のご当主じゃき。けんど、こんなに腹が立ってぐちゃぐちゃになるがは、あんただからやき」と、これまでおさえていた感情を一気に爆発。その勢いに圧倒された万太郎、「ごめんちゃ。ちゃんとした当主になれんで」と竹雄に謝りました。

志尊くんの新しい一面

 志尊淳、前回の朝ドラ出演は「半分、青い。」でのボクテ役でした。NHKではほかにも「女子的生活」でトランスジェンダーを演じるなど、柔らかいイメージでしたが、竹雄はただ万太郎に仕えるだけでなく、言うべきところは言う兄のような存在で、柔らかいだけでない志尊くんが新鮮です。

 余談ですが、神木くんが「おしゃれイズム」(日本テレビ系)に出演した際、サプライズで登場したのが志尊くんで、「淳」「隆ちゃん」と呼び合う仲で、クリスマスの夜に2人でお茶して表参道のイルミネーションを一緒に歩いたこともあると話していました。

 プライベートでもラブラブな2人、息が合った演技も頷けます。それを踏まえたうえで、竹雄のこの台詞をあらためて聞くとキュン度が増します。ナイスキャスティング!

桧山珠美
記事一覧
TVコラムニスト
大阪府大阪市生まれ。出版社、編集プロダクションを経て、フリーライターに。現在はTVコラムニストとして、ラジオ・テレビを中心としたコラムを執筆。読売新聞「アンテナ」、放送批評誌「GALAC」、日刊ゲンダイ「あれもこれも言わせて」などで連載中。

関連キーワード

エンタメ 新着一覧


夕飯のカレーで描いた星家の“遠慮のない家族”への変化。入山法子の名場面を振り返り
 昭和37年1月、「原爆裁判」の原告のひとり、吉田ミキ(入山法子)が法廷に立つことを承諾。広島から上京してきたミキを、原...
桧山珠美 2024-09-05 17:30 エンタメ
虎に翼の脚本は朝ドラ特有の“中だるみ”なし!塚地出演「あさイチ」との連携プレイにも救われた
 昭和34年、優未(毎田暖乃)は高校1年生に。直明(三山凌輝)と玲美(菊池和澄)の間に子供が産まれ、猪爪家はますますにぎ...
桧山珠美 2024-09-02 17:30 エンタメ
東出昌大“狩猟系イケメン”面目躍如。通り過ぎていった女性たちは何を思う
 期待に応える男、東出昌大(36)がまたまたやってくれました。今度は“デキ婚”ですって。いつかやってくれるだろうとは思っ...
第110回感動のラストシーン! 余貴美子演じる百合さんの“ある台詞”がとっても可愛かった
 寅子(伊藤沙莉)たちとの同居がつらいと本心を語り、家を出ようとするのどか(尾碕真花)。そんな彼女に、優未(毎田暖乃)は...
桧山珠美 2024-08-31 06:00 エンタメ
【写真特集】10年前の初々しい東出昌大。オールバック、ナチュラル、横流し…髪型3変化
【この写真の本文に戻る⇒】杏との離婚から4年、東出昌大“デキ再婚”で話題の養育費問題。子のために前妻が即やるべき事【弁護...
虎に翼108回目でお見事だった2つのシーン。世の中の“普通人”の理不尽な思いを代弁させた
 稲垣(松川尚瑠輝)と小橋(名村辰)にも手伝ってもらい、裁判所で中学生向けの法律の勉強会を開いた寅子(伊藤沙莉)。だが話...
桧山珠美 2024-08-28 17:15 エンタメ
松本人志はいまや「憧れの芸人」ではない。若手芸人が話す3つの理由
「生きるお笑い界の伝説」ことダウンタウン松本。還暦を迎えた今も大人気の冠番組を複数抱え、お笑い界で最も大きな発言権を誇る...
帽子田 2024-08-28 09:38 エンタメ
なんて賢い子!“星家イチのオトナ”が優未だった件。27日あさイチに“料理男子”井上祐貴が降臨
 寅子(伊藤沙莉)と優未(毎田暖乃)は星家で暮らし始めるが、航一(岡田将生)の長男・朋一(井上祐貴)、長女・のどか(尾碕...
桧山珠美 2024-08-26 17:35 エンタメ
木戸大聖が世間に見つかってしまった!月9「海のはじまり」スピンオフでファン急増中
 めめ(目黒蓮)の体調不良が心配でなりません。現在、フジテレビ系月9「海のはじまり」に主演していますが、Snow Man...
寅子の「心が躍るような」結婚式。放送残り1カ月ちょっと、NHKにスピンオフで描いてほしいこと
 お互いそれぞれの名字を名乗ったうえで、「夫婦のようなもの」になることを決めた寅子(伊藤沙莉)と航一(岡田将生)。猪爪家...
桧山珠美 2024-08-24 06:00 エンタメ
平手友梨奈がHYBEと契約終了、2度目の退所で訪れる転機。神童が“本物”に返り咲く日
 平手友梨奈(23)が今月8日、韓国の大手芸能事務所「HYBE」日本本社のレーベル「NAECO」との専属契約を終了した。...
こじらぶ 2024-08-24 06:00 エンタメ
【写真特集】女子アナ時代、初々しい浴衣姿の田中みな実
【この写真の本文に戻る⇒】 なぜ田中みな実は「いらん一言」を放つのか。女優ヅラ発言の真意を考察
なぜ田中みな実は「いらん一言」を放つのか。女優ヅラ発言の真意を考察
 放送中のドラマ『ギークス〜警察署の変人たち〜』(フジテレビ系)にて、3人の主要キャラのうちの1人に抜擢されている田中み...
堺屋大地 2024-08-23 06:00 エンタメ
航一は本当に明治生まれなのか?「夫のようなもの」を許容できる男に疑惑
 航一(岡田将生)から、そこまで悩むのなら結婚をやめようと告げられた寅子(伊藤沙莉)。それは婚姻届を出す結婚をやめようと...
桧山珠美 2024-08-24 00:23 エンタメ
『ラヴィット!』に疑問の声。違和感たっぷりでもギャル曽根の「超ギャルル」を推すワケ
「日本でいちばん明るい朝番組」をコンセプトに、平日の朝に笑いと情報を届けている人気番組『ラヴィット!』(TBS系)。 ...
寅子版「自分会議」はユニークな演出だった! “ラスボス”百合さんに俄然注目
 結婚したら、自分か航一(岡田将生)のどちらかの名字が必ず変わることに、改めて気付いた寅子(伊藤沙莉)。  自分が...
桧山珠美 2024-08-20 15:30 エンタメ