これまでのあらすじ
17歳でアイドルデビューし、現在も地下アイドルとして活躍中のR美さん(43歳/バツ2独身・子供アリ)。ロングヘアにキュートな顔立ち、スリムな体型はとても40代で2人の息子を持つ母には見えない美しさだ。
だが、彼女の半生には「男運の悪さ」が付きまとっていた。DV男、アル中男、浮気男――元カレはそろってダメンズばかり。
しかし40代になった今、R美さんは年下の男性と恋に落ちている。相手は、地下アイドルのライブを開催しているライブハウスの店長Jさん(35歳/独身)だ。
コロナの影響で、定期的にライブを行っていたライブハウスが潰れてしまい、困惑したタイミングでの出会いだったという。
最初の夫は、9歳上のバンドマン
最初の夫は、9歳上のバンドマンだった。アイドルとしてデビューしたR美さんと彼が内密に付き合っていたところ、妊娠が発覚。事務所側は激怒したが、彼女は出産を決意。
「体調不良で活動休止」としてアイドルグループを抜け、22歳で男の子を産んだ。のちに夫は「アイドルを妊娠させた悪人」というレッテルを貼られ、ミュージシャンとしての将来を失った。
酒に逃げる夫と離婚したのは息子が10カ月の時だ。R美さんは品川にある実家に戻り、生活のため、24歳から六本木の高級クラブのホステスとして働くようになる。元アイドルの肩書は、夜の世界でも大いに役立ったという。
次の恋人はクラブの黒服
次の恋人は、R美さんが働くクラブの黒服Nさん(当時26歳/独身)だ。
ホステスには「担当の黒服」がつき、売り上げアップのアドバイスや悩み事の相談など、公私にわたって支えてくれるのだが、2人は惹かれ合い、男女の関係となる。しかし、Nさんは次第に隠し持っていた本性を現すようになる。
R美さんが売り上げを伸ばそうと懸命に接客をすると、あからさまに嫉妬の目を向けるようになったのだ。それどころか、「他の男に抱けないようにしてやる」とタバコの火をR美さんのうなじや背中に押しつけ、ひどい火傷を負わせた。今でも彼女の体には醜いケロイドが残っている。
交際宣言するも妊娠発覚
そんなDV男でも、R美さんは別れられずにいた。
――二度と暴力は振るわないと約束する。だから一緒にいて欲しい。金を貯めたら、2人で小さな店を持とう。
その言葉に、R美さんはほだされてしまう。
30人のホステスがいる中でも、常にトップ5に入るのは、Nさんのアドバイスや励ましがあってこそ。R美さんにとって彼は無くてはならない存在。何よりも、こうして本音をぶつけ合えるのは、愛があるからだと。
秘密の恋愛が店にバレても、Nさんは堂々と交際宣言をし、さらに売り上げアップを約束する2人だった。そんな中、R美さんは体調を崩し病院へ。結果、彼女は医師から妊娠を告げられた。
R美さんの運命は――?
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