男性との性交もうダメ?子宮と卵巣を失ったがんサバイバーの限界突破記

更新日:2023-06-17 06:00
投稿日:2023-06-17 06:00

おりものは出なくなった

 ちなみに先ほど潤滑ゼリーの話をしましたが、子宮頸がんの術後はおりものはまったくなくなり、いつも乾いている自覚があります。それはやはりエストロゲンの不足であり、更年期症状のひとつなのだと思います。

「でも濡れないってことはないはずなんだよね、ホルモン補充もしているし、別のところはこれまでのように感じるから大丈夫なはず」

 と、主治医はたいへん貪欲に性生活を謳歌するように言ってくるのですが……こんなに痛いならもうしなくてもいい、と思っていました。

ホルモン補充で不調が治まった

 ホルモン補充とは、更年期症状を緩和するために、飲み薬や貼り薬、塗り薬でホルモンを補充すること。私はジュリナ錠という薬を飲んでいますが、不妊治療にも使われる薬です。

 ホルモン補充をする前はホットフラッシュに悩まされ、不眠だわ、憂鬱だわ、もうつらい、死にたいという気持ちでした。ところが、ホルモン補充を始めると「イエーイ! 元気ですー!」と驚くほど症状が治まりました(個人差はあると思います)。

 先生によるとホルモン補充によって卵巣があったときのように体調がよくなり、膣の潤いも少し蘇るということなのですが……。

 更年期障害で日常生活や性生活に支障が出る場合は、婦人科で相談してみるのがいいと思います。

 そして私は性生活にほぼ興味をなくし、ダイレーターでのトレーニング(?)もその後2回ほどしか行わず。

 実際に性交渉することになったのは、手術の2年半後。3年ぶりにできた彼とでした。

彼氏と温泉旅行、一体どうなる?

 彼は仕事が忙しく、趣味ややりたいことが多いので、性的な行為にあまり興味がないタイプ。風俗店にもあまり行ったことがないそうですし、これまでお付き合いしてきた人数もとても少ないと言っていました。

 そんな彼は超がつくほどシャイで奥手で、付き合うまではまったく性交渉をしていませんでした。

 交際から1カ月ほどしたころ、温泉に泊まりに行くことになり、いよいよ試合か、という雰囲気になりました。

 ここで問題が。

 じつは私は子宮頸がんの既往歴を彼に話していなかったのです。やっぱりがんだったという事実は人によってはとても重く、付き合うのはやめておこうかなとか、普通に性交渉できないのはちょっとやだな、と思われる可能性がゼロではないと思っていたからです。

 私のお腹にはへそ上まで手術の跡があり、それは今も消えていませんが、電気を消していればわからないはず……。

 彼には子宮頸がんの話はせず、照明のリモコンを隠して、真っ暗でいざ試合開始!

 次回に続きます。

(文=石見かぐら/ライター)

ライフスタイル 新着一覧


円満退職に必要な最低限のマナー6選、「立つ鳥跡を濁さず」は社会人として当たり前!
 終身雇用の時代は終わり、今では6割の社会人が転職経験ありだというデータも出ています。読者の皆さまのなかにも、「転職しよ...
更年期、それはある日突然に…45歳女の体が『倦怠感で満タン』になった
 女性なら誰でも通る茨の道、更年期。今、まさに更年期進行形の小林久乃さんが、自らの身に起きた症状や、40代から始まった老...
生理前を穏やかに過ごすご機嫌アロマ術【調香師が解説】タイプ別おすすめの香り・精油・香水は?
 女性の体は生理が近づくとホルモンのバランスが崩れ、精神的なイライラや落ち込みに加え、むくみや便秘、疲れやすさなど、PM...
兄弟姉妹なのになぜ不仲? 怒る前に知っておきたい原因5つと対応策3つ
 子育てをしていると、兄弟姉妹の不仲に悩む人が多いですよね。一体何が原因なのでしょうか? また、自身が親になっても兄弟姉...
思わず二度見!『バブ』新商品・MEGA級のボコボコ泡の実力は? 自宅の風呂がジャグジーになるのか
 話題のコスメや、広告でよく見かける化粧品や日用品。「webでよく見るあの商品、本当にイイの? 」「買ってみたいけれど、...
手のぬくもりとともに
 自然と手を合わせるときの気持ちって、  みんな、おんなじだよね。
実りの秋! 澄みわたる青空の下“たまたま”狩りに出かけませんか?
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
女と水がいっぱいだ…『娑婆』は何て読む? ヒント:「娑婆はいいな」
 知っているようで意外と知らない「ことば」ってたくさんありますよね。「女ことば」では、女性にまつわる漢字や熟語、表現、地...
ほっこり癒し漫画/第83回「迷いインコ歌をうたう 前編」
【連載第83回】  ベストセラー『ねことじいちゃん』の作者が描く話題作が、「コクハク」に登場! 「しっぽのお...
中目黒「ダコー」はまだ大混雑? 代官山「無印良品」新店はオサレな店員さんだらけだった!【秋の東京散歩】
 8月のオープン時には話題を呼び、大行列をなしていた中目黒のパン屋「ダコー(dacō)」。あれから2カ月が経ち、やっぱり...
下世話な仕事がバレた? 夫や息子の「意外な反応」で主婦が気づいたこと
 大崎の高層マンションに暮らす華は、テレビ局に勤める夫・大輔と二人の子供に囲まれ悠々自適な専業主婦生活を送っている。毎日...
地味な女に負けた? 夢を諦めた“こたつライター”の「プライド」が砕かれるまで
 大崎の高層マンションに暮らす華は、テレビ局に勤める夫・大輔と二人の子供に囲まれ悠々自適な専業主婦生活を送っている。毎日...
私の「仕事」は夫に内緒。専業主婦が下世話なゴシップにのめり込むワケ
 夫を仕事に、ふたりの息子を小学校に送り出してからが、自分の時間だ。  長時間かけて丁寧に淹れたブルーマウンテンを...
プロ作家・村上龍先生をリスペクト。64歳のプロ童貞が語る「自己啓発本を好きなこれだけの理由」
 コミックや書籍など数々の表紙デザインを手がけてきた元・装丁デザイナーの山口明さん(64)。多忙な現役時代を経て、56歳...
「#男児ママ」トレンド入り 小学校低学年の息子が大浴場で誰かに触れて問題になったら?【弁護士解説】
 9月末、X(旧ツイッター)で「男児ママ」がトレンド入り。これは男児を銭湯や温泉、または女子トイレに連れてくる男児の母親...
え、これだけで? 爆速で人と仲良くなれる「超簡単」なテクニック
 みなさんは距離を縮めたい人にはどんな風に接していますか? 私はミリ単位でジリジリ近づくことが多いのですが、スナックでの...