「下ネタは嫁姑の潤滑油でしょ?」母の認知症疑惑を認めない能天気な息子

並木まき ライター・エディター
更新日:2023-07-01 06:00
投稿日:2023-07-01 06:00

母を認知症呼ばわりする妻が許せない

 あくまでも現状を楽観視しているカズマさん。しかし奈津子さんに対して、どうしても許せないし理解できない点があると表情を曇らせます。

「奈津子がね、母親がボケてきたんじゃないかって、何度も俺に言うんですよ。その理由が、性生活の話を好むからって。そんなこと言うけど、ボケていたらむしろ下ネタなんて話さないんじゃないの? って気がしませんか?

 ここだけの話ですけど……、最近僕ね、奈津子って本当は俺の母親のことが嫌いなんじゃないかなって思い始めているんですよね。

 母親がせっかく下ネタを披露してくれているのに、それに対して『ボケてるかもしれないから、病院に連れて行こう』なんて、すごく失礼な話じゃないですか。

 本当は母親のことがずっと嫌いで、結婚3年目を過ぎたから、そろそろ猫をかぶるのをやめたのかなって考えると、合点がいくんですよ。

 いや〜、だからこそ奈津子に言われて母親を病院に連れて行くのだけは、絶対にしたくないですね!」

妻の思い通りにことを進めたくない

 強い口調で母親の認知症疑惑を否定するカズマさん。妻である奈津子さんの思い通りにことを進めてしまうと、それはそれで夫婦仲にも問題が生じそうだと懸念していると言います。

「100歩譲って、奈津子の気がすむように母親を病院に連れて行くとするじゃないですか、そうすると母親はあの年齢ですから、もしかすると『ちょっと認知症ですね』ってことになるかもしれない。

 でもそうなったら、奈津子が俺の実家と距離を置くのが目に見えていますし、何よりも『私がお義母さんの認知症の兆候に気づいてあげたんだ』って、僕に恩着せがましい態度に出るのが目に見えているから嫌なんですよ。

 だからね、もしも僕自身が母親の様子がおかしいって思えば、奈津子には内緒で病院に連れて行くつもりです」

 ◇  ◇  ◇

 恋人同士であれ、夫婦であれ、100%同じ価値観を有する男女は稀です。ましてや交際前の男女となれば、なおのことです。少しのすれ違いが、大きな溝に発展することも少なくないのが異性間における現実でしょう。

 まさにこれこそが、男女関係における醍醐味にもなれば致命傷にもなる“冷酷と激情”のはざまなのかもしれません。

並木まき
記事一覧
ライター・エディター
元市議会議員・時短美容家(一般社団法人 時短美容協会・代表理事)の肩書きを有する。20代から見聞きしてきた魑魅魍魎(ちみもうりょう)な人間模様への分析を活かし、美容や恋愛に関するコラムを中心に、さまざまな媒体に寄稿。
Instagram公式HP

日刊ゲンダイ掲載「あの人は今」
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/geino/277865

関連キーワード

ラブ 新着一覧


40代ほぼ童貞彼氏ってアリかも? メリット3つと幸せなお付き合いの心得
 恋愛経験の少ない男性の中には、40代でほぼ童貞の人もいます。童貞の彼氏は、恋愛経験が豊富な男性と比べて物足りないところ...
恋バナ調査隊 2023-08-31 06:00 ラブ
コロナで途切れたのに…女性から望む「復活不倫」が密やかに増え始めた
 コロナが5類に移行してから、少しずつ復活の兆しを見せはじめている関係があります。それは、不倫。コロナ以前の不倫関係が再...
内藤みか 2023-08-31 06:00 ラブ
恋愛がうまくいかない本当の理由とたった3分でできる解決法
「出会いの場に行っても、誰も私に興味を持ってくれない」 「関係がまだ浅い人とのデートが緊張してうまくいかない」 「な...
若林杏樹 2023-08-30 06:00 ラブ
彼の脳内で一体なにが? 一度じゃない、いっぱいキスする男性の心理5選
 好きな彼にいっぱいキスされたら嬉しいですよね。でもあまりに多いと「どうしたの?」「なにかあるのかな……」と、違和感を覚...
恋バナ調査隊 2023-08-30 06:00 ラブ
専業主婦をなめんなよ!「家事しないグータラ夫」3つの操縦法を試して
 専業主婦は家にいるからといって、決して暇なわけではありません。家事には終わりがありませんから、休みなく働いている人もい...
恋バナ調査隊 2023-08-29 06:00 ラブ
夫とのセックスしかダメ、その夫に拒否される私はどうしたらいいの?
 不倫や浮気の原因の一つとしてあげられるのが「セックスレス」です。  筆者も既にセックスレス状態になって9年ほど経...
豆木メイ 2023-08-29 06:00 ラブ
ビール買うの、彼氏は毎日コンビニ、私はネット…ツボが合わないけど!
 彼氏と一緒にいて「あれ? ちょっとツボが合わないな」と気になる時ってありますよね。わざわざ伝えるほどでもないささいなツ...
恋バナ調査隊 2023-08-29 06:00 ラブ
デニムという名の家事作業着を脱ぎ…セックスレス解消したきっかけ5選
 夫や彼氏とセックスレスになり、悩んでいる女性もいるでしょう。彼への気持ちが冷めているわけでないなら「なんとかしたい」「...
恋バナ調査隊 2023-08-29 06:00 ラブ
節約してくれない夫に言ってはいけない! あとで“泣きを見る”NG文言3つ
 節約してくれない夫に、「何でこんなに使ってるの!? もっと節約してよ!」とモヤモヤ……。浪費癖のある夫に悩む女性も少な...
恋バナ調査隊 2023-08-29 06:00 ラブ
アプリに潜む「既婚者ダメ男」を見抜く!チェックポイント5つと対策法
 出会いを求め、マッチングアプリを利用している人もいるでしょう。最近では、アプリを通した出会いは当たり前。しかし、中には...
恋バナ調査隊 2023-08-28 06:00 ラブ
うちの奥さんピアスしないからって何? 不倫をやめるきっかけLINE3選
 不倫に溺れると、確率は低いと分かっていても「いつかは私が彼の妻に……」とどこかで期待してしまいますよね。でも、明るい未...
恋バナ調査隊 2023-08-27 06:00 ラブ
婚約破棄、自己犠牲、嫉妬…「恋愛に燃え尽きた」心を立て直す3つの方法
 仕事や恋愛に対して、ある日突然プツンと心の糸が切れてしまう「燃え尽き症候群」をご存知ですか? 今回は恋愛で燃え尽きてし...
恋バナ調査隊 2023-08-27 06:00 ラブ
犬を飼うと結婚できない説は古い 視野を広くし良縁を手繰り寄せる!
 独身生活をしていると、寂しさが身に沁みる夜だってあります。孤独な心を癒すために「犬を飼いたい!」「でも、犬を飼うと結婚...
恋バナ調査隊 2023-08-26 06:00 ラブ
たった一度のデートでも蛙化現象? 女性が冷めるポイントと対処法3選
 せっかくデートまで漕ぎ付けたのに、「こんな人だったなんて……」と気持ちが冷めてしまうことがあります。「こんなことで冷め...
恋バナ調査隊 2023-08-26 06:00 ラブ
「コロナ前の“俺スタイル”だけど?」口うるさい妻との不仲に達観する男
「冷酷と激情のあいだvol.157〜女性編〜」では、夫・ジュンジさん(41歳・仮名)の金遣いに悩む啓子さん(39歳・仮名...
並木まき 2023-08-26 06:00 ラブ
飲み代だけで月4万円! 赤字なのに危機感がなさすぎる夫に震える39歳妻
 男女の関係では、交際相手や配偶者の態度に悩む人も少なくありません。愛し合っている男女間でも、価値観や物事の判断には個人...
並木まき 2023-08-26 06:00 ラブ