万太郎敗れ、チーム東大に軍配も…田邊は大学追放の“鉄拳制裁”を受ける

桧山珠美 TVコラムニスト
更新日:2023-08-18 14:00
投稿日:2023-08-18 14:00

NHK朝ドラ「らんまん」~第20週「キレンゲショウマ」#100

 田邊(要潤)は、今後は欧米の学者に頼らず、日本人自らが学名を与え発表すると、西洋の植物学者たちに宣言。植物採集で出会った新種かもしれない花の研究に一層打ち込み、ついに、新属新種であると認定、「キレンゲショウマ」と名付けた。

 一方、虎鉄(寺田心)から送られてきた標本に、期せずして同じ花をみつけた万太郎(神木隆之介)も研究に没頭するものの一歩及ばず、「植物学会誌」に掲載された論文でそのことを知る。そして、田邊を心から祝福する。

【本日のツボ】

「聡子、お前のおかげだ。側にいてくれたから」(田邊教授)

 ※※以下、ネタバレあります※※

 田邊vs万太郎のキレンゲショウマ対決は、田邊に軍配が上がりました。さすがの万太郎をもってしても、チーム東大には敵いません。人海戦術の勝利でしょう。

 果実の標本を手に入れられず、あと一歩のところで破れた万太郎、恨みつらみを言うわけでもなく、空を見上げて「おめでとうございます。田邊教授」と素直に祝福するところがいかにも、らしいですね。

 もともと万太郎には名誉欲や邪心などはなく、田邊の西洋の植物学者への宣言で日本の植物学が前進したことへの感謝の気持ちもあるのでしょう。欲をいえば、田邊教授と万太郎が和解して共同研究となれば、なおよかったのですが……。

 そして、田邊家。穏やかな顔の田邊、「お前のおかげだ」などとこれまでついぞ聞くことのなかった妻・聡子(中田青渚)へ感謝の言葉を述べ、誕生日になにか欲しいものはないか、と優しく尋ねる。これまでのパワハラ夫が一変し、素敵な旦那さまになりました。

 これで田邊家も安泰、と思ったら、大学から非職を命じる書面が届きました。田邊は大学を追放され、植物学教室教授にはドイツから戻った徳永(田中哲司)が就任。

 この人事、万太郎にとっては果たして吉と出るか凶と出るか。

桧山珠美
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大阪府大阪市生まれ。出版社、編集プロダクションを経て、フリーライターに。現在はTVコラムニストとして、ラジオ・テレビを中心としたコラムを執筆。読売新聞「アンテナ」、放送批評誌「GALAC」、日刊ゲンダイ「あれもこれも言わせて」などで連載中。

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