最終回Wエンディングの妙、そして万太郎の「お前誰じゃ」が意味するもの

桧山珠美 TVコラムニスト
更新日:2023-09-30 15:03
投稿日:2023-09-30 12:03

この世のすべてのものは繋がっていく

 ところが、ここで終わらないのが「らんまん」です。

 植物採取の旅に出かけた万太郎。そこに待っていたのは若い頃の寿恵子でした。「万太郎さん。この子はだあれ?」。万太郎もいつのまにか若くなっていました。

「ねえ、日本中の植物、本当にこれで全部かしら?」と尋ねる寿恵子の言葉に、「寿恵ちゃん、草花が待っちゅう」と笑顔で別れ、新種を見つけた万太郎の「おまん、誰じゃ?」。

 ボーナストラックのようなダブルエンディング、最後は明るく終わりました。

鈴木奈穂子アナもなんとか踏ん張った

 おかげで、「あさイチ」の鈴木奈穂子アナも、ティッシュで涙を拭うだけでおさまりましたが、縁側のシーンで終わっていたら、大号泣で番組にならなかったはず。放送事故になっていたかもしれません。

 万太郎の「お前誰じゃ」は、初回にも繋がります。物語も、人や植物、森羅万象、この世のすべてのものは繋がっていく。そんなメッセージが伝わります。

 久々に大満足の朝ドラに感謝!

桧山珠美
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TVコラムニスト
大阪府大阪市生まれ。出版社、編集プロダクションを経て、フリーライターに。現在はTVコラムニストとして、ラジオ・テレビを中心としたコラムを執筆。読売新聞「アンテナ」、放送批評誌「GALAC」、日刊ゲンダイ「あれもこれも言わせて」などで連載中。

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