「けむたい姉とずるい妹」は姉妹の壮絶恋愛バトル
コンプライアンスなるもののせいで、昨今のドラマはなにかと不自然なことが多いようで。
犯人が車で逃げるシーンで「シートベルトをしてください」、刑事の張り込みのシーンで「タバコのポイ捨てはやめてください」と、監督に言われるそうです。
「犯人が逃げるときにわざわざシートベルトをしますか!」「足元に落ちている吸殻の数でどれだけ時間が経ったかがわかるのに……」と、なにかのトーク番組でベテラン俳優の方が嘆いていました。
言われてみると、最近のドラマはめっきりタバコを吸うシーンが減ったように思います。タバコを持つ指の美しさとか、煙をフーっと吐くところとか、イケメンのそういう仕草、加点ポイントだったのですが、ああもったいない。
などと嘆いておりましたが、今期のドラマで見つけてしまいました。もはや絶滅危惧種かもしれない喫煙イケメンを。それが、9日スタートのドラマプレミア23「けむたい姉とずるい妹」(テレビ東京)で律を演じている柳俊太郎(32)です。
3人でひとつ屋根の下に暮らすことに…
栗山千明演じる真面目で正論ばかり吐く姉・じゅんと、馬場ふみか演じる姉の大切なものをすべて奪っていく妹・らん。律は、じゅんの元カレで、現在はらんの夫。
母(雛形あきこ)の死をきっかけに、妹夫婦が実家に住むと言い出し、3人でひとつ屋根の下に暮らすといういびつな関係が始まります。
原作はばったんによる同名コミックで、ひとりの男を巡っての姉妹による壮絶恋愛バトルは、ドロドロ恋愛ドラマ好きにはたまらないシチュエーションです。
で、このドラマの小道具として光っているのがタバコです。愛煙家の姉・じゅんに対して、嫌煙派の妹・らん。らんに言われ、現在、禁煙中の夫・律。姉の喫煙をとがめて、「律は私が止めてって言ったらタバコやめてくれたよ」とらんにあてつけ。「一緒に吸おう」
ところが、律は酔った妻を寝かせたあとこっそり縁側でタバコを吸い、それをじゅんが見つけると「一緒に吸おう」と誘うのでした。
じゅんのライターの火がなかなかつかないと、自分のタバコの火を、じゅんのほうに向けて……。さらには「会いたかった」とも。
一連のタバコのシーンで、ズキュン。無表情で言葉数も少なく。そのぶんエロさ倍増です。「女は無口なほうがいい」と八代亜紀は歌っていますが、男だって無口なほうがいいんです。なにを考えているかわからないところが、こちらの想像力を掻き立てるのです。
清原翔や毎熊克哉と同系統のイケメン
姉妹でひとりの男を取り合うといえば、今井美樹と松下由樹が石田純一を取り合うドロドロ恋愛ドラマの名作「想い出にかわるまで」(TBS系/1990年)を思い出しますね。
主題歌はダイアナ・ロスの「If We Hold On Together」でした。柳が令和の石田純一になれるかどうか(今となってはなりたくないか!?)。これは見逃せません。
ところで、柳俊太郎のことを調べようとしたら、清原翔や毎熊克哉に似ているとありました。言われてみればたしかに。2人とも私の大好物です。
好きなタイプというものは変わらないなあ、と気づいた秋の夕暮れでした。
【柳俊太郎(やなぎ・しゅんたろう)】
☆1991年5月16日、宮城県仙台市出身。身長183cm、O型・牡牛座。誕生花・イキシアの花言葉は「君と離さない」。
☆第24回MEN'S NON-NOモデルグランプリを受賞し、モデルデビュー。NHK大河「どうする家康」では宇喜多秀家役で出演。今後の注目出演作品は、映画「ゴールデンカムイ」(2024年1月19日公開予定)。
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