15キロ太ったからつまんないの? “サイズ44”に教えられた自分の本音

コクハク編集部
更新日:2023-10-19 06:00
投稿日:2023-10-19 06:00

「私、嫌だったんだ」

 もちろんその場でお買い上げ。家に帰ってブランド名を調べたら、40代以上向けの女性をターゲットにしたマダム系ブランドで、アイテムによってはサイズ50までありました。

 なんでこのスカートに惹かれたのだろう? その答えを自分のクローゼットで見つけました。

 今はきつくて履けずクローゼットで眠らせているかつてお気に入りだったスカートはすべて、ウエストゴム“ではない”タイプのナロースカート。

 商品名に「イージー」と名の付くゆったりしたシルエットのパンツやスカートは人を選ばず、履き心地もいいですが、いまの自分にぴったりのサイズのスカートを手にして、はじめて「ああ、自分はウエストゴムの服があまり好きじゃなかったんだ」と気づきました。

 逆に言えば、「誰にでも着られる服」の中からなんとか選び出してもしっくりこない理由を「ただサイズが合っていないから」だと気づくのに、ずいぶんと時間がかかってしまいました。

今の自分を綺麗に見せるサイズの服がある

 自分が太ったこと、太っていることを恥ずかしいとは思ってはいません。ただ、この体型のせいで「これからは、自分が着たい服が着られないんだろうな」と思い込んでいたのは確かです。

 いまはクローゼットに眠らせているかつてのお気に入りの服を着るために、もう少し体型を戻したいと思っていますが、いつか年齢を重ねて、近い将来どこかの段階で「この体型でいこう!」と決めるタイミングがくると思います。だけど、もう怖くはありません。

 細くないと着てはいけない服なんてないし、自分の体型に合わない服に体を押し込めようとする必要もない。サイズさえ合っていれば、どんな体型でも自由に好きな服を選んで、綺麗に着こなせるのだと──。

 サイズ44のスカートと鏡の中の自分を肯定できたあの瞬間を忘れずにいれば、これから太ろうが、痩せようが、どれだけシワだらけになろうが、胸を張って生きていける気がしています。

 スカートを履いて出かけた日、夫は「似合っているね。綺麗だね」と言い、5歳の息子は「かわいくてかっこいい。ママは世界でいちばん、無限大数かわいい」と独特な言い回しで褒めてくれました。

(編集M)

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