ショッピングモールに助けられている
天気が悪い日の行き先はもっぱらショッピングモールです。広いし、車は走っていないし、キッズスペースはあるし、オムツ替えスペースやトイレもきれいで便利だし、食事も済ませられるし、子育て世帯に必要なものが全部揃っているからです。
「なんで家族そろってわざわざショッピングモールなんて来るんだろ。週末なのに他に行くとこないのかな?」なんて思っていた独身時代の自分の頭を押さえつけて、「すいませんでしたぁあ!!」と謝りたいくらいお世話になっています。
ショッピングモールに行ったからって毎回買い物するわけではありません。我が家の子どもたちが通う保育園は制服があるので、そこまでたくさんの洋服を必要としません。
加えて、私自身はもう何年も前からリモートワークなので、ここしばらく「人に会うため」の服を買っていません。もちろん、太ったからというのもあります。
最近は一般的な女性服のLサイズも入らなくなってしまいました。もともと背も高めで肩幅も腰骨もバーン! と威勢よく張っている、いわゆるガタイのいい体型なので、私のようなタイプの人間が太ると、本当に着られる服がなくなっちゃうんですよね。
なので服を買い足すとしたらサイズが豊富なユニクロやザラ、メンズブランド、あとはスポーツブランドです。それ以外の服屋さんでは、気に入ったものがあってもまず自分のサイズがないと思っているので、好きかどうかよりも「着られるか?」を基準に選んでいます。
でも、やっぱりそういう視点で服を見ても全然楽しくなく、リアル店舗での買い物からはしばらく足が遠のいていました。
夫がくれた1時間
この日も雨で、日中どこにも連れていけなくて子どもたちが退屈していたので、夕方から前に一度だけ訪れたことのある有料の子どもの遊び場を併設したショッピングモールに行くことにしました。
遊び場は子ども1人につき、1時間600円。夫が「子どもは見ておくから、ひとりで何か見てきたら?」と言ってくれたので、ひとり館内を歩いていると、とあるメーカーのアウトレット店舗が目に入りました。シーズン遅れのアイテムやB級品、サンプル品を売っているようです。
「大きめサイズ」と書かれたラックの服をめくっていたら、サテン生地のネイビーのスカートを発見。微妙に糸がとび出している箇所があり70%オフ、割引後の値段は7000円くらい。
「大きめサイズっていうくらいだから入るかな」
店員さんに声をかけて試着室に入り、鏡の前で体を入れてみたらびっくり。
「なんていうか……あれ、すっごく美人さんにみえるんですが!?」
光の当たり方によってネイビーにも黒にも見えるサテン生地の質感が上品で、ひざ下の広がり過ぎないAラインで、タテのラインがほどよく強調されて少しナロースカートのような印象もあります。裏地に縫い付けられたサイズを見たら「44」と書いてありました。号数でいうと15号~17号にあたるサイズです。
試着室でのこの感覚。もしかして人にとっては当たり前かもしれません。かつて36や38サイズの服を着ていた自分もそうでした。
世の中にはすてきな服がたくさんあって、もちろんそのすべてを手に入れることはできなくても、すてきな服を身に着ければすてきに見えるはず。その当たり前を疑っていませんでした。
だけど、このところ「好きな服」ではなく「着られる服」で妥協することが多かった私にとっては、ちょっとした衝撃だったんです。
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