押しかけ暴走気味の愛助(水上恒司)とスズ子の恋もいよいよ

桧山珠美 TVコラムニスト
更新日:2023-12-13 14:25
投稿日:2023-12-13 14:25

NHK朝ドラ「ブギウギ」~第11週「ワテよりも十も下や」#53

 神戸への巡業の帰り、スズ子(趣里)は久しぶりにはな湯を訪ねる。懐かしい常連客の面々に迎えられ、昔のように庭で話をする。

 皆、相変わらずに見えるが、変わったところもいろいろとあり…。

 さらにスズ子はUSKの稽古場にも顔を出す。秋山(伊原六花)、リリー(清水くるみ)、桜庭(片山友希)、そして林部長(橋本じゅん)と久しぶりの再会を果たす。

 スズ子が東京に戻ると、愛助(水上恒司)からたくさんの手紙が届いていた。

【本日のツボ】

「ワシらもそろそろ作らなアカンぞ」

 ※※以下、ネタバレあります※※

「金属のものは鉄砲玉にするさかい出してくれ、言われましてん」

 金属供出で、アホのおっちゃんが作った「はな湯」の初代看板が無くなり、代わりに木材で作られた2代目看板には「ツヤさんのはな湯」とありました。

“ツヤさんと梅吉さんの”ではないところがグッドです。ゴンベエはたしか川に溺れていたところを梅吉(柳葉敏郎)に助けられたはずでしたが、その後の梅吉のダメ夫ぶりを間近で見ていて、ツヤ(水川あさみ)さんあってのはな湯となったに違いありません。

 そのゴンベエと妻・光子(本上まなみ)の間には可愛らしい赤ちゃんも生まれ、月日の流れを感じます。

熟年男女の恋模様

 そして、そして、一番の驚きは、アホのおっちゃん(岡部たかし)とマッサージ師のアサ(楠見薫)が夫婦になっていたこと。

 アサの肩に手をおいて妙になれなれしいなあと思ったら、ゴンベエの子どもの話のあとで、アサの顎を指でトントンしながら、「ワシらもそろそろ作らなアカンぞ」と言い出し、これにアサが「アホ。寝言言いな。ワテ、60やで」と言い、甘え声でおっちゃんの膝をさすりながら「10年遅かったわ~」と。

 2人の様子を見ていたスズ子が、「アホのおっちゃんとアサさんが結婚してるやなんて。まさかのまさかや」と。

 スズ子もビックリですが、それ以上にこちらも驚きました。「熱々先生がぽっくり逝ってもうて、その隙に手を出しやったんや」とキヨ(三谷昌登)。

「キヨさん含めての激しい三つ巴や。そらもう見苦しかったでえ」と易者のおっちゃん(なだぎ武)。熱々先生(妹尾和夫)がぽっくり逝ってしまったのは寂しいですが、そんな展開になっていたとは!

 はな湯のアサを巡るアホのおっちゃんvsキヨ、これはどんな恋愛リアリティショーよりも面白そう。ぜひスピンオフで見せて欲しいものです。

スズ子の恋もいよいよ…

 アホのおっちゃんとアサに刺激を受け、スズ子の恋もいよいよ走り出しそうな気配。夢の中に、亀を持った愛助(水上恒司)が登場しました。

 それにしても、手紙攻撃のうえに、「そろそろ帰って来てはるかと思うて」と、家まで訪ねてくる愛助、若さゆえの情熱でしょうが、世が世ならかなりあぶねえ奴では。

桧山珠美
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TVコラムニスト
大阪府大阪市生まれ。出版社、編集プロダクションを経て、フリーライターに。現在はTVコラムニストとして、ラジオ・テレビを中心としたコラムを執筆。読売新聞「アンテナ」、放送批評誌「GALAC」、日刊ゲンダイ「あれもこれも言わせて」などで連載中。

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