苦手ゆえ、活力も湧いてこない
「東京にいると、キラキラしたものがすごく近いじゃないですか。僕の地元ではあり得ないような情報量だから頭も疲れますね。
若い頃はそういうものに憧れていたときもありましたけど、今ではコンプレックスのほうが強いです。
って言っても、僕ももう40歳ですから、表面上は平然とした顔をしてそういう場にも行けるようになりましたけどね。
内心では『やっぱり苦手だなぁ』、『早く家に帰りたいなぁ』ってデートをしながら考えています。
都会へのコンプレックスがそのまま希美ちゃんへのコンプレックスになっているのも、自分で感じますね。
だけど彼女の前で弱々しい面を見せたくないから、虚勢を張っているときも多いです」
希美さんのインフルエンサー活動に対して、彼女が望むように協力できていないこともコウジさんにとってはコンプレックスだそう。
しかしそもそもキラキラした生活や環境への苦手意識があることから、何かを勉強して希美さんの活動を支えるだけの活力も湧いてこないのだそうです。
幸せになんか絶対になれない
「希美ちゃんには申し訳ないけれど、僕と一緒にいても、希美ちゃんは飛躍できないと思いますね。
だって、彼女が望むような写真ひとつ撮ってあげられないですから。
まぁインフルエンサー活動は副業って聞いているから、そのうちに辞めるのかなって思いますけど。
結婚とかそろそろ考えたいけれど、今、希美ちゃんと結婚をしても僕のコンプレックスが強まるだけで、幸せになんか絶対になれない。
だから、もうちょっと時間をかけて、ふたりの仲を見極めていきたいですね。
そうですねぇ…、希美ちゃんがインフルエンサー活動に飽きて、東京のキラキラしたものにも興味を持たなくなったら、そのときに初めて結婚を考えることができるのかもしれません。
何年かかるのかなぁ…。希美ちゃんの年齢を考えると、あと5年くらいってところですかね?」
◇ ◇ ◇
恋人同士であれ、夫婦であれ、100%同じ価値観を有する男女は稀です。ましてや交際前の男女となれば、なおのことです。少しのすれ違いが、大きな溝に発展することも少なくないのが異性間における現実でしょう。
まさにこれこそが、男女関係における醍醐味にもなれば致命傷にもなる“冷酷と激情”のはざまなのかもしれません。
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