男女の関係になったのは…
――心を病まない分散の利点を改めて理解しました。タカさんは素敵な男性ですね。続けてください。
「初めて男女の関係になったのは、品川の高級ホテルの一室です。シャワーを浴び、パッド入りブラで乳房を隠してベッドに横たわる私に、彼が後ろ抱きしてきて、
――香織さんの胸…見せてくれませんか?
そう耳元で囁いてきたんです。
――えっ。
私は驚きました。失った乳房の傷跡は夫も妹も、7年越しの不倫相手も『見たくない。見せないで』と拒否していましたから…自分でも『見せてはいけないもの』という禁忌にしていたんです。
でもタカさんは違いました。
――香織さんの全てを愛したいんです。もちろん、無理強いはしません。
その言葉にしばらく考え込みましたが、私は胸パッドを外して、彼のほうを向き直りました。乳首も膨らみもない胸元は『板』そのもので、20cmほどの傷あとが残っています。そんな私の胸元を、タカさんはしげしげと見つめました。
――美しい体だ…。香織さんがガンと闘った証ですね。
そう言いながら、傷跡にキスをしてくれたんです。
心を解かす温かなキス
――あ…っ。
心が震えました。彼の柔らかな唇が胸元をすべるたび、私の凍てついた心が温かなもので解けていく感じ…。
(誰も見ようとしてくれなかった私の傷。この傷と向き合ってくれることが、これほど嬉しかったなんて…)
幸せでした。その後、温かなキスを交わし、舌を絡め合いました。キスの間も、タカさんは優しく私の胸元をさすってくれて…。
乳房を失っても女として認めてもらった気がして、言葉にできない喜びをもらえたというのが正直な気持ちです。
徐々に彼の唇が胸元からわき腹、下腹へと降りてきて、私は興奮の吐息を漏らしました。
彼の手は私をいたわるように撫で、さすり、ゆっくりと心身の緊張を解いてきたんです。太ももを広げられると、
――恥ずかしい…。
私は脚をよじり合わせました。すると、彼は内ももにキスの雨を降らせてきたんです。
――ン…くすぐったい。
私の脚の力が徐々に解けていきます。本当は早く舐めて欲しかった。純也さんとのセックスですっかり快楽を呼び覚まされた体は、さらなる愉悦を欲していました。
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