資産家なのに62歳まで独男のワケ 彼女からは別居婚を打診され五里霧中

並木まき ライター・エディター
更新日:2024-03-09 06:00
投稿日:2024-03-09 06:00

一緒に暮らしたくないんだ…

「結婚の話を出した途端に、真里からとんでもない提案がありました。真里は僕と一緒に暮らしたくないそうなんです…。これには、かなり傷つきましたね。

 結婚をしてもいいけれど、今流行りの別居スタイルっていうんですかね? 一緒には住まないと。だけど妻として、週末を一緒に過ごすくらいなら構わないって話すんですよ」

 資産家であるトシオさんは、真里さんと結婚をできるなら、今の事業はたたんだうえに手持ちの不動産を売却し、そのお金で真里さんと世界各国をめぐる悠々自適な老後プランを抱いているとのこと。

 しかし仕事もやめて妻とは別居生活となると、家でひとり孤独に暮らさなくてはならず、それはトシオさんの理想とする結婚生活ではないと続けます。

どうしたらいいんだろう

「真里を妻にしたいけれど、一緒に住めないなら、考えちゃいますねぇ…。

 僕は、残りの人生を、気楽に楽しく過ごせたらいいなぁってだけなんです。親のおかげもあって、残りの人生に対して経済的な心配もいらないから、好きな人と好きなことをして暮らせたら幸せだなぁって思っているんですよ。

 今もゴルフや飲み会と、昔からの仲間と遊び回っていますけどね、やっぱりパートナーがいるのといないのとでは、人生の深みが違うでしょう?

 ところが、真里が変なことを言い出したものだから、僕はどうしたらいいのかわからなくなっちゃいました。

 真里は僕に対して、まったく本気ではなかったと受け止めるしかないのか…?

人並みの結婚生活を送れると思ったのに

 相思相愛だと盛り上がっていたのは、僕の一方的な勘違いだったと言われればそれまでですが、やっと人並みの結婚生活を送れると思ったんですよ。

 僕はただ、今まで周りから遅れをとっていた“人生の楽しみ”を、ようやく妻と謳歌しようとしているだけなのに…。

 人生って、やっぱり自分が思うようには、うまくいかないものなのかもしれないですね」

  ◇  ◇  ◇

 恋人同士であれ、夫婦であれ、100%同じ価値観を有する男女は稀です。ましてや交際前の男女となれば、なおのことです。少しのすれ違いが、大きな溝に発展することも少なくないのが異性間における現実でしょう。

 まさにこれこそが、男女関係における醍醐味にもなれば致命傷にもなる“冷酷と激情”のはざまなのかもしれません。

並木まき
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ライター・エディター
元市議会議員・時短美容家(一般社団法人 時短美容協会・代表理事)の肩書きを有する。20代から見聞きしてきた魑魅魍魎(ちみもうりょう)な人間模様への分析を活かし、美容や恋愛に関するコラムを中心に、さまざまな媒体に寄稿。
Instagram公式HP

日刊ゲンダイ掲載「あの人は今」
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/geino/277865

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