目からウロコ!白菜、大根、ブロッコリーも菜の花になるの?

斑目茂美 開運花師
更新日:2024-03-13 06:00
投稿日:2024-03-13 06:00
 猫店長「さぶ」率いる愛すべき我がお花屋は、神奈川のカントリー風情たっぷりな立地にあります。
 そんな土地柄なので、春の時期の配達は満開の河津桜の散歩道や神様が宿っているかのように白い花が咲き乱れる雪柳はじめ、多種多様なお花見ができるので、このままどこかへ行ってしまいたい衝動に駆られながら、なんとか任務を遂行しております。

田舎の散歩道に春を感じます

 そのひとつが、菜の花畑。その黄色は春を彩る景色の代表格ですが、「菜の花」という呼び方はあまりにザックリすぎる!

 菜の花はキャベツや白菜、大根、ブロッコリーなどのアブラナ科の花の総称。その種類は多岐にわたり、目的によって形状が違うのはご存知でしょうか?

 過日、ある霊園から季節の花や花木で美しく整えられている園内の緑地の一角に菜の花を咲かせたいとの問い合わせをいただきました。

 菜の花…? あまりに身近でどこにでも咲く印象だったので考えてもみませんでしたが、改めて観察すると面白いw。

菜の花ってなんですか

 菜の花は「食用」「油」「観賞用」の3タイプに大別できます。品種改良もその目的により重要度が変わるのですな。

「食用」…花よりも葉と茎の柔らかさや菜の花独特のしっかりとした甘さとホロ苦さの味覚重視

「油」…菜種から搾取される油の性質や味と量に焦点

「観賞用」…咲く花の量と開花期間に重点

 といった具合に改良ポイントが異なるわけです。

 以前仕入れた菜の花の太さと長さがあまりに重量級で、すこぶるおいしそうに見えたので、農薬のことなんぞ忘れて食い気が勝り、湯がいて食べてみたところ、すこぶるまずくてさらにビックリw。

 こりゃ間違いなく観賞用だと納得したのは、いまでも鮮明に覚えております。

 お花屋さんで売られている菜の花は当然鑑賞用。花も茎もそれは美しいのですが、鑑賞用とひとくくりにいっても、実は生産農家さんが違えば形状も変わってきます。

 茎が太く、バケツの水の中でも十文字にさらに枝分かれをしながら長期間開花するもの、あるいは、茎が細くて楚々(そそ)とした春の趣を演出するものなどなど。

 販売期間も割に長いのは、人気者の証拠。菜の花は見た目以上に開花期間が長く、時間の経過とともに変化する茎は飾ってみればクセになる不思議なお花でございます。

薹(とう)が立つ野菜から生える花

 白菜や大根やブロッコリーといったアブラナ科で茎や根が食べられる野菜は、成長が進み年季が入るとやがて花が咲いてきます。これがいわゆる「菜の花」ですが、よく見ると花も野菜の種類によって色も形も異なるわけで。

 白菜やキャベツなど菜葉から咲く菜の花は淡い黄色の花がフワフワと風にそよぎ、力強いグリーンの茎から濃い黄色の花が咲くブロッコリーは蕾もやはり小さなブロッコリーのまま。

どこに焦点を置く?

 大根に至っては、もはや黄色ではなく白や淡い紫色もある。ゆえに、春の畑は取らずに残した野菜から咲くさまざまな菜の花でいっぱいなのです。

 菜の花が咲き始めた野菜は種を残すために花に栄養が行き渡り、本来食べられる部分はカスカスでおいしくはなくなります。これを「薹(とう)が立つ」と言いますが、若い盛りを過ぎた女性にも使われ、あまり歓迎したくはないフレーズでござんす。

 ワタクシの場合、薹を越え、もはや切り干し大根といっても過言ではありませんが、さまざまな種類の菜の花が咲き誇る畑を眺めているうち、その言葉の“真意”を考えてしまうのです。

 どこに焦点を置く? 自らの栄養を花に費やすカスカスの野菜なのか、それともカスカスの野菜から咲く花も含めた野菜全体を見るのか。

 瑞々しさの先にある花の美しさは、力強く、そしてたくましい。太い大根から咲く花は太ければ太いほどたくさんの美しい花を咲かせています。

年季が入った土台だからこそ…

「菜の花がいっぱいでキレイだろ!」

 畑仕事をしていたおじいちゃんがスマホで熱写していたワタクシに声をかけてきました。

 薹が立った野菜万歳! 年季が入った土台だからこそ美しい花が咲くってもんです!!

 菜の花の甘い香りが風に乗ってアナタに穏やかな春を届けてくれますことを…遠いお空の向こうからお祈りしておりますよ~。

斑目茂美
記事一覧
開運花師
半導体エンジニアを経て花業界に転身。イベント・ホテルなどの装飾も手がける生花店を営む傍ら、コンテストで優勝・入賞を重ね、雑誌・新聞等に作品を発表する。神奈川各所にて花教室を開催。障害者支援も花で実践。悩ましくも素敵なお客様を「花」で幸せへと導く道先案内人。ブサかわ猫店長「さぶ」ともに奮闘中。Facebookやってます。

ライフスタイル 新着一覧


茜色に心和むひと時、だからこの時間が好きなんだ
 忙しない街にも訪れる特別な時間。  足早に歩く人々は顔を上げ、しばし空を仰ぎ見てから、また現実へと戻っていく。 ...
女+家=嫁…「嫁ぐ」と「結婚」の違いはある?
 知っているようで意外と知らない「ことば」ってたくさんありますよね。「女ことば」では、女性にまつわる漢字や熟語、表現、地...
ほっこり癒し漫画/第68回「コウメばあちゃんはどこ?」
【連載第68回】  ベストセラー『ねことじいちゃん』の作者が描く話題作が、突然「コクハク」に登場! 「しっぽ...
貸したお金を催促するのにこんな手が…! モヤモヤを解消するLINE3選
 人にお金を貸した後、なかなか返してくれなかったら、とても嫌な気持ちになりますよね。  とはいえ、お金の話は、言い...
電マの営業からラブホの清掃員へ…羞恥心とも戦うストリッパーが思うこと
『電マの営業・新井です!』(略して「電マの新井」)という新作が大変好評だ。  書店員にとっての新作といえば「新しく...
口喧嘩で負けたくない! 勝ちたい時に使えるマル秘戦術3選
 みなさんは誰かと口論になった時、どんな戦法で勝ちにいきますか?  方法は十人十色ですが、今回は代表的な勝ちパターン...
凍り付いた湖の夜が更けて
 もしも突然、この瞬間に、氷が解けたらどうなるんだろう。  そう思いながら、凍て付いた湖の上に立つ自分が結構好き。...
「レンジでゆたぽん」人気じわり..足を温めると眠りやすい!
「レンジでゆたぽん」を知ったのは、年末年始に長野県の義実家に行った時。寒がりな私を気遣って、義母が用意してくれたのです。...
青空にオレンジボディが映え“たまたま”の見返りメンチにキュン
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
私って性格悪い? 自分のダークサイドを自覚した4つの瞬間
 誰の心にだって、優しい部分と優しくない部分が存在するもの。そうわかっていても、自分の心のダークサイドを自覚すると「もし...
卒入学、彼岸、送別会【花屋が教える】予算内で理想の花束を贈る7カ条
「斑目さん、今年こそは頑張って期限内にお願いしますよ!」  お正月がなんとなく終わったばかり、なんて思っていたら、我が...
「とにかく盛り上がるやつ頼むよ」ってさぁ 先輩の無茶ぶりLINEがすぎる
 お笑い芸人の松本人志とその後輩芸人たちによるアテンド飲み会が話題になっていますね。  ニュースの真偽はともかく、...
2024-02-21 06:00 ライフスタイル
仕事のサボりがバレた瞬間4選 リモートワークは意外と見られている!
 近年では、リモートワークやフレックスタイムなどの制度が導入されて、数年前よりも働きやすくなりました。  一方で、自由...
真似から始まったファッションも、いつか体に馴染むもの
 北海道で暮らす、まん丸で真っ白な小さな鳥「シマエナガちゃん」。動物写真家の小原玲さんが撮影した可愛くて凛々しいシマエナ...
年の差婚の弊害?夫の“昭和の価値観”を持つ息子の将来が不安すぎる件
 セックスレスやセルフプレジャー、夫婦の在り方などをテーマにブログやコラムを執筆しているまめです。  私の夫は10...
仕事のモチベが上がらない!30女40女のやる気スイッチをONにするテク
 どんなに好きな仕事でもモチベーションが上がらない時だってありますよね。気持ちが乗っていない時は、ミスしたり、時間が永遠...