沢尻エリカ不死鳥の如く女優復帰!大衆は真似できぬ人生転落リアルショー

堺屋大地 コラムニスト・ライター・カウンセラー
更新日:2024-03-16 06:00
投稿日:2024-03-16 06:00

薬物逮捕を経て…2度目の芸能活動再開

 2月25日、沢尻エリカの女優復帰作となった主演舞台『欲望という名の電車』が千秋楽を迎えました。

 「『残念プロフェッショナル』の流儀」最新回では、2度目の芸能活動再開となる沢尻について、コラムニストで恋愛カウンセラーでもある堺屋大地さんが、そのメンタリティを分析します。

  ◇  ◇  ◇

沢尻エリカ(女優・37歳)

 女優として3度目のスタートを切った沢尻エリカ様。

 彼女は「七転び八起き」という言葉を、自分の人生を持って証明しようとしているプロフェッショナルなのではないでしょうか。

 まず、現在までのエリカ様の女優人生を振り返っておきましょう。

 2005年、映画『パッチギ!』の公開とドラマ『1リットルの涙』(フジテレビ系)の放送があり、美貌と演技力を兼ね備えた女優として一気に大ブレイク。

「別に…」発言と薬物逮捕で大きく転落

 ですが、2007年公開の主演映画『クローズド・ノート』の初日舞台あいさつで、今なお語り草となっている「別に…」発言が飛び出すのです。

 金髪のウィッグにヒョウ柄ドレスというエッヂのきいたコーデで登壇したエリカ様は、仏頂面で腕組みをし終始不機嫌モード。司会のアナウンサーから印象に残ったシーンを尋ねられると「特にないです」と答え、クッキーを焼いて撮影現場に届けたエピソードを聞かれても「別に…」と、取り付く島もない態度で会場を凍り付かせたのです。

 ここからエリカ様への大バッシング期に突入。2009年にハイパーメディアクリエイター・高城剛さんとの結婚(2013年に離婚)や、当時の所属事務所から契約解除されたことなどもあり、芸能活動を休止していました。

芸能界に“2度”舞い戻ってきたエリカ様

 逆風が吹き荒れる状態で活動ストップしていたエリカ様でしたが、2012年の映画『ヘルタースケルター』で、バストップを隠さない大胆な濡れ場を披露して女優復帰。2014年には主演ドラマ『ファースト・クラス』(フジ系)もヒットさせるなど、大復活を遂げるのです。

 芸能界の第一線に舞い戻ってきたエリカ様は、その後も数多くの映画やドラマに出演していましたが、2019年に再び転落。麻薬取締法違反の疑いで逮捕されると、執行猶予3年・懲役1年6カ月という有罪判決を受け、また表舞台から姿を消すことに。

 このまま引退するのではないかという噂もまことしやかに流れていましたが、今年2月の舞台『欲望という名の電車』で約4年ぶりに2度目の女優復帰。

 千秋楽のカーテンコールでは、「ファンのみなさま、今まで待っていてくれてありがとうございました。これからも人として役者として成長していけるように一歩一歩がんばります」と、涙ながらに殊勝な決意表明をしていました。

「人生は何度でもやり直せる」という教訓

 さて、起伏の激しいエリカ様の女優人生ですが、彼女は「七転び八起き」をリアルに体現して、我々大衆に希望を与えてくれようとしているのではないでしょうか。

 昨今、失敗した人間はボロカスになるまで叩かれてしまい、一度の失敗で再起不能になるほど社会的制裁を受けることも。たった一度のやらかしで“人生終了”状態になるなんてことも珍しくありません。

 エリカ様はそんな世の風潮を憂い、わざと自ら転落して、這い上がる姿を見せようとしてくれているように思えるのです。

身を粉にしてチャレンジング

 また、考えてみれば「別に…」発言も薬物逮捕も彼女の自業自得ですが、近年はなんでもかんでも自己責任論で切り捨てる空気感もあります。エリカ様はそんな冷たい社会にも一石を投じようとしているのではないでしょうか。

 現代日本人は、一度コケたら再起できないかもしれないという不安や恐怖心にさいなまれ、仕事でも恋愛でも失敗しないことを最優先にしており、チャレンジングな姿勢をとれない人が多い気がします。

どん底から這い上がるリアルショーの主人公

 ドラマや映画では主人公が挫折や敗北を繰り返し、それでも何度でも立ち上がって成功や勝利をつかみ取るというのが王道のフォーマットですが、それはあくまで作りもののお話。失敗を恐れて臆病になっている我々大衆には、そんなフィクションの美談では心の奥底まで刺さらないことをエリカ様は知っているのでしょう。

 ですからエリカ様は我が身を犠牲にしてまで、ノンフィクションの転落劇と復活劇を何度も見せつけて、現代日本人に「七転び八起き」の精神を示してくれているに違いありません。

人生は何度だってやり直せる

 自分で自分をどん底に突き落とし、そこから這い上がるというリアルショーを演じることで、世の中に絶望して臆病になっている我々に、「人生は何度だってやり直せるんだ」と教えてくれている。エリカ様はそうやって希望と感動を与えるプロフェッショナルなのです。

堺屋大地
記事一覧
コラムニスト・ライター・カウンセラー
恋愛をロジカルに分析する恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラー。本連載意外に『日刊SPA!』(扶桑社)で恋愛コラム連載、『SmartFLASH』(光文社)でドラマコラム連載。そのほか『文春オンライン』(文藝春秋)、『現代ビジネス』(講談社)、『集英社オンライン』(集英社)、『週刊女性PRIME』(主婦と生活社)、『女子SPA!』(扶桑社)などにコラム寄稿。LINE公式のチャット相談サービスにて、計1万件以上の恋愛相談を受けている。
公式X

関連キーワード

エンタメ 新着一覧


「豊臣兄弟!」白石聖は代役からCM女王に上り詰めた川口春奈の再来か? 佐藤健と共演の配信ドラマも話題に
 来年1月4日から放送予定のNHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」の主要キャストの扮装カットが今月に入って続々と公開され、現在放...
2025-12-07 17:03 エンタメ
宮沢氷魚「優しいがゆえの不器用さ」に共感。不安をため込んだ時の“感情との向き合い方”
 今年のNHK大河ドラマ『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』での田沼意知役など、俳優として高い評価を得ている宮沢氷魚さん(31...
望月ふみ 2025-12-07 11:45 エンタメ
岡山天音「ひらやすみ」ロス続出!もう1人の人気者《樹木希林さん最後の愛弟子》も大ブレーク
《ずっと続いてほしい》《寂しい》《これを朝ドラにして!》など“ロス”の声も続々だ。  スタート直後から視聴者の心をがっ...
2025-12-06 17:03 エンタメ
永野芽郁の鼻が「変わったよね」 ネトフリ新作キービジュアルに上がった“勇み足”な反応
 4月の“文春砲”から約8カ月。12月3日、Netflixの新作映画「僕の狂ったフェミ彼女」で女優の永野芽郁(26)が主...
2025-12-06 17:03 エンタメ
帝釈天から始まる「TOKYOタクシー」は「男はつらいよ」ファンが歩んだ歴史をかみしめる作品
 山田洋次監督、倍賞千恵子、木村拓哉ダブル主演の「TOKYOタクシー」が、公開初日から3日間で興行収入2億9300万円、...
2025-12-06 17:03 エンタメ
「ばけばけ」小谷の“謡曲”が上手すぎるのはなぜだ!? 勝手な行動、おサワにビシバシ鍛えてもらおう
 トキ(髙石あかり)と小谷(下川恭平)の約束の日が近づいていた。トキのあずかり知らぬところで、小谷の応援をすることになっ...
桧山珠美 2025-12-06 11:31 エンタメ
河合優実「24歳の結婚」で失うものはあるか? 池松壮亮とゴールインへまっしぐら
 11月27日発売のFRIDAYが、TBS系ドラマ「不適切にもほどがある!」(2024年1月期)でブレークし、今年度前期...
2025-12-05 17:03 エンタメ
授かり婚元乃木坂46松村沙友理の“勝ち組”感…彼氏選びとブリっ子キャラで女性ファン掴む
 元乃木坂46メンバーでタレントの「さゆりんご」こと松村沙友理(33)が12月3日、自身のインスタグラムで結婚と妊娠を発...
2025-12-05 17:03 エンタメ
原型は2017年の情報か? 浜崎あゆみ「豪邸売却デマ」分析で出てくる「拡散された理由」
 歌手の浜崎あゆみ(47)に、とんだ雑音だ。11月下旬、Xのとある投稿から、本人が東京・田園調布の自宅を《売りに出してい...
2025-12-05 17:03 エンタメ
夏帆×竹内涼真「じゃあ、あんたが作ってみろよ」が描くのは“自分感覚”で生きることの大切さ
【碓井広義 テレビ 見るべきものは!!】  気がつけば12月。夏帆×竹内涼真「じゃあ、あんたが作ってみろよ」(TBS系...
2025-12-04 17:03 エンタメ
目黒蓮が絶句!木村拓哉が「家族」を口にし始めたワケ…メリー氏の呪縛からの解放も
 アイドルが、結婚の話題に気を遣う時代はいつまで続くのか。俳優の木村拓哉(53)が11月16日の『有働Times』(テレ...
2025-12-04 17:03 エンタメ
AKB48が紅白で復活!“神7”不動人気の裏で気になる「まゆゆ」の行方…体調は回復したのか?
 AKB48が大みそかのNHK紅白歌合戦に出場内定したと週刊文春が報じ、《神7の多くが出場》《『ヘビーローテーション』な...
2025-12-04 17:03 エンタメ
永野芽郁がばっさりショートにイメチェン再出発…二股不倫報道のその後、“フェミ彼女”に変身のこれから
 今年4月の週刊文春の報道で「二股不倫」疑惑を報じられ、芸能界の第一線から遠ざかっていた永野芽郁(26)の久々のメディア...
2025-12-04 17:03 エンタメ
松本人志は“面白さ”だけで逆転できるのか。「DOWNTOWN+」に見るお笑い界の行く末
 女性関係のトラブルにより活動を休止していたダウンタウン・松本人志さんが約2年ぶりに復帰した。独自の配信サービス「DOW...
帽子田 2025-12-04 11:45 エンタメ
中山美穂さん訃報から1年…「ファンの集い」で献杯&挨拶の“プロファン”が語る「あの瞬間」
 昨年12月6日、俳優で歌手の中山美穂さんが54歳で亡くなり、突然の訃報に全国のファンが哀しみに包まれた。今年4月22日...
2025-12-03 17:03 エンタメ
TBS山本恵里伽アナの“炎上常連化”に同情の一方で…局アナに向けられる政治的発言の圧倒的批判
 TBSの山本恵里伽アナウンサー(32)の度重なる政治発言が波紋を広げている。11月29日放送の「報道特集」では、高市早...
2025-12-03 17:03 エンタメ