痩せ希望!「L-カルニチン」って何?【専門家監修】脂肪燃焼効果を解説

コクハク編集部
更新日:2024-03-21 06:00
投稿日:2024-03-21 06:00
 彼女の名は、えりの。女性の心を癒すためにはじめたサロン「コクハク」のオーナーで、界隈では「えりのボス」の愛称で知られ、ちょっとした有名人。でもって、タヌキか妖怪の噂も囁かれるなか、健康に関する知識はズバ抜けている――。
 そんなえりのボスのもとにはウワサを聞きつけ、今日も悩みを抱えた女性が、ふらりと立ち寄ったようですよ。

1. 脂肪燃焼効果があるというL-カルニチンが気になる!

 ゆう子さん(31歳女性/仮名)からご質問をいただきました。

最近、ちょっと太り始めていて気になっています。さまざまなダイエットを試してみるんですが、どれもうまくいかなくて…。周りはスレンダーな女性ばかりで、余計にコンプレックスを感じます」

 えりのボスは深く頷きます。

「体型の悩み、あるわよねえ。私も今はふくよか系路線にシフトしたけれど、うら若き乙女だった頃には悩んだりしたものよ。最近は『L-カルニチン』とかもおすすめだけどね」

「L-カルニチン? それはどんなものなんですか?」

 聞き慣れない言葉に興味津々のゆう子さん。これは放っておけません!

2. L-カルニチンで脂肪燃焼がすすむ

L-カルニチンというのは、アミノ酸の一種で、血中や細胞など、からだのあらゆる場所に存在しているの。

 L-カルニチンの主な役割は、脂質の代謝を助けること。効率的に中性脂肪を燃焼させるには、L-カルニチンがきちんとはたらくことが大事だわ。

 皮下脂肪や内臓脂肪として蓄積しないように、中性脂肪の燃焼を促すの」

「L-カルニチンって大事なんですね!」

 えりのボスはゆう子さんに忠告します。

「でもね、加齢による体内合成能力の低下や、食事量の減少によって、L-カルニチンは減ってしまうの。それだけでなく、若い人も無理なダイエットや偏食でL-カルニチンが不足しがちなのよ」

「ええっ…じゃあ私も不足しているのかも!?」

「きちんと意識すれば改善できるかもしれないわ。さらに詳しくL-カルニチンについて学んでいきましょう」

3. L-カルニチンとは

 ここからは、L-カルニチンの基礎知識や、効果や効能、摂取方法について解説します。

3-1. L-カルニチンとは

 L-カルニチンとは、血液中や細胞内に存在する遊離アミノ酸です。脂肪酸をミトコンドリアに運搬し、筋肉を動かすためのエネルギーを作り出す手助けをします。

 L-カルニチンが不足すると、脂肪が燃焼されずに蓄積されて肥満の原因になります。

3-2. 効果と効能

 L-カルニチンは、前述のような脂肪燃焼効果による肥満抑制やダイエットだけでなく、疲労感やだるさの緩和にも役立ちます。

 また、老化をはじめ、脂質異常症、心臓病、心血管疾患、2型糖尿病、HIV、がんなどの疾患でL-カルニチンが不足することがあり、L-カルニチン補充療法で症状を和らげる場合もあります。

3-3. 摂取方法のすすめ

 L-カルニチンは肉類や魚介類に多く含まれています。とくにおすすめの食材は以下の通りです。

・牛肉
・豚肉
・鶏肉
・貝柱
・シジミ
・牡蠣

 また、サプリメントを摂取する方法や、医療機関で内服薬を処方してもらうといった方法もあります。

 L-カルニチンの摂取量の上限は、1日1,000mgです。一般的な食生活ではとくに気にする必要はありませんが、サプリメントの併用などで摂取量が増える場合は気をつけましょう。

4. L-カルニチンで脂肪をしっかり燃焼させよう!

「L-カルニチンには脂肪燃焼効果があるの。からだに余計なお肉をつけないように、L-カルニチンを意識しないとね」

「食事やサプリメントで気軽に摂取できるのがうれしいですね。理想の体型めざして頑張ります!」

「また気になることがあったら、いつでもサロンへいらっしゃい」

 優しい表情でサロンを去っていくゆう子さんを、えりのボスは笑顔で送り出しました。

★サロン「コクハク」のオーナー えりの

 顔と口調は若いものの、年齢不詳。タヌキか妖怪の噂も囁かれる謎めいた主人だが、ココロやカラダ、健康に関する知識はズバ抜けており、何気にハイスペック。ムスメ時代に苦労してるため、自分より“後輩”の女にはしあわせになって欲しいと願っている。愛称は、えりのボス。

(漫画/腹肉ツヤ子

  ◇  ◇  ◇

<この記事の監修者>

医療・健康ジャーナリスト 後藤 典子(ごとう・のりこ)

 一般社団法人日本サプリメント協会理事長、賢く選ぶ食と健康プロジェクト統括。同志社大学文学部を卒業後、編集プロダクションを経て、医療・健康ジャーナリストに。「ヘルスデザイン」をテーマに掲げ、健康・美容情報を発信するMedical Health -メディヘルス- Youtubeチャンネルでは、健康リテラシー向上のための情報を発信している。症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホ一つで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」の統括も行う。

あんしん漢方(オンラインAI漢方)
Youtubeチャンネル
Sフードプロジェクト

コクハク編集部
記事一覧
コクハクの記事を日々更新するアラサー&アラフォー男女。XInstagram のフォローよろしくお願いします!

ビューティー 新着一覧


30代でもう更年期?【薬剤師監修】原因不明のイライラモヤモヤ…「プレ更年期」の症状と軽減方法
 彼女の名は、えりの。女性の心を癒すためにはじめたサロン「コクハク」のオーナーで、界隈では「えりのボス」の愛称で知られ、...
聞こえづらさの“元凶”はあのイヤホン!? 【薬剤師監修】老化以外に考えられる意外な原因の正体
 彼女の名は、えりの。女性の心を癒すためにはじめたサロン「コクハク」のオーナーで、界隈では「えりのボス」の愛称で知られ、...
40代の“愛されボディ”ってなに? 自分をもっと好きになるための美習慣&エクササイズ
 40代になると、どうしても筋肉量が落ちてきたり、たるみが気になったりと20代と同じにはいきません。  でも、40代な...
40代の“好印象デート”はスニーカーorヒール、どっちが正解? 賢い選び方と注意点
 40代女性がデートをする時、スニーカーとヒール、どちらが男性から好印象を抱いてもらえるのでしょうか?「デートといえばヒ...
あー、「髪のうねり」で見た目も不満も爆発寸前! 薬剤師が紹介する毎日の簡単ヘアケア&セットテク
 彼女の名は、えりの。女性の心を癒すためにはじめたサロン「コクハク」のオーナーで、界隈では「えりのボス」の愛称で知られ、...
毛剃りといえば貝印!VIO専用電動シェーバー2種を徹底比較。本田真凜のように肌の上を美しく滑るのか?
 話題のコスメや、広告でよく見かける化粧品や日用品。「webでよく見るあの商品、本当にイイの?」「買ってみたいけれど、口...
JK界隈で流行りの「seju顔」とは何ぞ? アラフォーでも“違和感ゼロ”なメイクのコツ
 seju顔とは、インフルエンサーやタレント、モデルなどが所属する芸能事務所「Seju」が由来になっている言葉。元テレビ...
キスに集中できん!彼氏の塩対応はいやーな口臭のせい?【薬剤師監修】口の臭いの原因・セルフチェック・対策
 彼女の名は、えりの。女性の心を癒すためにはじめたサロン「コクハク」のオーナーで、界隈では「えりのボス」の愛称で知られ、...
老け疲れ顔の原因No.1目の下のクマ! 種類別、ヒアル顔回避の治療法は?【目元の美容専門医師が解説】
 東京・赤坂にある「イートップクリニック」院長の増田えりかと申します。この連載では美容医療“若葉マーク”の方々に向けて、...
【美容のウソ・ホント】ほうれい線がマッサージで消えるって本当? 医師3人の答えは/専門家監修
 SNSやYouTubeにさまざまな情報が溢れている昨今。美容について発信するアカウントも多く存在し、なかには同じテーマ...
更年期のセックス「痛いから演技しちゃう…」【薬剤師監修】性交痛対処のイロハ&おすすめの漢方薬
 彼女の名は、えりの。女性の心を癒すためにはじめたサロン「コクハク」のオーナーで、界隈では「えりのボス」の愛称で知られ、...
運動不足を5つの工夫で解消! 忙しいワーママの美BODYゲット大作戦
 体を動かすのが好きな人やダイエットをしたい人、健康になりたい人にとって、運動はとても大切ですよね。でも「忙しいワーママ...
「目が死んでる」アラフォー女性の“大損”アイメイク。20代女性が僭越ながら再現してみました
「目は口ほどに物を言う」ということわざの通り、目元が周りに与える印象は大きいですよね。  ですが、アイメイクのせい...
食欲の秋ですが! ダイエット失敗談“あるある”6連発、そりゃ痩せないよね…
「ダイエットをしても、いつも必ず失敗してしまう」と、痩せられないことに悩む人は多いようです。なぜ、みんななかなか痩せられ...
歳は取るもの、尿はちょい漏れるもの!? 40代向け尿漏れ対策に取り入れたいセルフケア【薬剤師解説】
 彼女の名は、えりの。女性の心を癒すためにはじめたサロン「コクハク」のオーナーで、界隈では「えりのボス」の愛称で知られ、...